ベトナム視察研修旅行~その1「ホーチミン~学校視察編」 | アイケーブリッジ外語学院 幡野泉のブログ

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虎ノ門のアイケーブリッジ外語学院、幡野です。韓国留学後、韓国語学校を設立。中国語やロシア語講座も開始。海外の文化、言語が好きで、橋渡し業に使命感を抱いています。仕事のこと、プライベートのこと自由に書いています。

なんて絵になる光景キラキラ

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ベトナムにやってきました。


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バイクの嵐。ここベトナムでは日本製バイクが大人気。少し前は格安の中国製が攻勢だったそうですが、すぐ壊れるということがわかり(失礼!)、今ではベトナム人は高くても日本製バイクを買おうとするのだとか。街を見渡すだけで、バイクが人々の重要な足なんだということが分かります。


なぜベトナムにやってきたかというと、当校が加盟している全国外国語教育振興協会 (以下、全外協)の、今年の視察研修先がベトナムだったから。これまで、鹿児島、仙台、高知などにいきました。去年は東京のAEON本社だったので泊まりはなし。海外は私は今回が始めてです。

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最初の訪問先はホーチミン市師範大学です。ベトナムでは、この大学と防衛大学が国を代表するエリート校だそうです。


今回の視察研修旅行の訪問先は、ベトナムの日本語学校が中心です。このコースは全外協の賛助会員でいらっしゃる三修社(『シゴトの韓国語』シリーズ でお世話になっています)、前田社長の計らいで、実現することができました。


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日本語専攻の学生さんたち(何年生だったかは失念してしまいました)。50~60名の方が一斉に学ばれています。


「先生、こんにちは!」という挨拶の大合唱にはジーンとしました。


皆さん、生き生きと顔が輝いています。希望に溢れた、急成長中の国の若者たち。ある意味羨ましいです。


私たちからいろいろ質問をさせていただきました。


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進行は、三修社さんから師範大学に日本語講師として出向している藤谷先生。写真中央の女性の方です。


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他の先生方が、将来の夢や日本語を専攻した理由などを尋ねたあと、私からも質問させていただきました。


「日本語の他に、中国語や韓国語も勉強している人はいますか?」


ベトナムにとっては、日本のみならず、歴史的に経済的に(良くも悪くも)中国や韓国とも深い関わりがあります。日本語専攻の学生の中で、中国語も勉強している人は7,8人、韓国語も勉強している人は1人いました。


何名か発言してくれましたが、総じて言うと、中国語は文法が似ている部分があるからやや助けにはなるけれど、日本語や韓国語は文法も違えば文字も一から学ばないといけないのでベトナム人にとっては大変だとのこと。といはいえ中国語も、文法はさておき、漢字はやはり難しいそうです。



「文字」と「文法」


「このどちらかが似ていれば、格段に外国語を習得する際の負担が減る」ということを、今回ベトナムの学生達と話して実感しました。


中国語は文字が似ている。


韓国語は文法が似ている。


これだけで、一気に上達できる、上級者になれる可能性をはらんでいるんですね。


中国人や韓国人の中に(特に韓国人)、「うわっ、この人、日本人みたいな日本語を操るな」という方が多くありませんか?これまで会ったことのある欧米人や、東南アジア人の中に、ここまでの人は(幼い頃から日本に住んでいた、というような方を除いて)いないような気がします。


これはやはり、お互いの国の言葉に共通点が多いから、という単純な理由からですよね。ということは、私たち日本人にとっても、韓国語と中国語は極めやすいということになります。



ベトナム人にとっては日本語の習得は大変だけれど、でも、それでもこれだけ多くの学生が日本語を一生懸命勉強し、日系企業で働こう、日本に留学しようと思ってくれている。それだけで涙が出るほど嬉しいです。

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右側の男性は、今回前田社長の紹介で同行してくれたミャンマー人のタンさん。20年間日本に住み、日本語を勉強し、仕事をされ、少し前にミャンマーに帰国しました。


藤谷先生が、「日本で勉強をし、日本で仕事をする上でいちばん大切だと思うことは?」と質問されると、


「’絶対負けない’という気持ち。そして、祖国を代表している、という責任感」と真剣な眼差しで語っていました。これには感銘を受けました。



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質問のあと、教室うしろに回り、授業の見学をさせていただきました。


この日のテーマは「外国人との文化衝突」。


1.韓国人の友達が化粧が濃すぎる、どうアドバイスしたらいかな

2.アメリカ人の恋人が公共的な場で愛情表現をする、どう言ったらいいかな

3.日本人が家に来ない、呼んでくれない、よそよそしい。愛想はいいのに


と、それぞれが「あるある」的な内容(笑)。


これらを、ロールプレイ式に、相手をその国の友だちと見立てて意見を言ったり、アドバイスをしたりします。


それそれグループに分かれて前もって打ち合わせをしておき、それを発表するのですが、興味深かったですよ~。みなさん、異文化について、ところどころ聞き取れないところもありましたが、日本語で一生懸命語っていました。

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師範大学の中庭の脇には学食を兼ねたテラスが。青春の地。良いですね~音譜


ちなみに、この師範大学の裏手には、90年代?に一世風靡した映画『愛人/ラマン』のモデルのフランス人女性が実際に通っていた名門校、レーホンフォン校があります。正門の斜め前には日航ホテルがありました。


途中、美味しいベトナム料理店で昼食を取り、「東遊(ドンズー)日本語学校」の本校へ。


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(右の建物です)


東遊(ドンズー)日本語学校のパンフレットには、以下のような説明がありました。



「当校は、ベトナム民族独立運動「東遊運動」に由来し名付けられました。東遊運動とは、「東に学ぶ」つまり、日本から学ぶという意味です。正確には「遊」ではなく、日本語にない漢字を用いています。


 この東遊運動は、20世紀初頭、ベトナム愛国者ファン・ボイ・チャウが若い指導者を日本で育てようとして起こしました。当時、日本は日露戦争に勝った隆盛期であり、ベトナムにとって日本は輝かしい民族独立のシンボルだったのです。ファン・ボイ・チャウは同志を募り、広く民衆から資金を集め、優れた青年たちを日本へ送り、自らも日本へ渡り、人生を民族独立運動に捧げました。


 しかし、日本政府はフランス政府の要請によって、すべてのベトナム人留学生を国外退去にし、東遊運動は終わってしまいました。しかし、、私たちベトナム人にとっては誇りです。(以下省略)」



この「東遊運動」については、日本でも小説やドラマの主題として取り上げられているようです。今回のフライトで利用したベトナム航空の機内誌の中に、


・ドラマ→『The Partner~愛しき百年の友へ~


・小説→『安南王国」の夢~ベトナム独立を支援した日本人 』(ウェッジ/牧久 著)


などが紹介されていました。それぞれあらすじを見るだけでもかなり興味をそそられます。ぜひ見て、読んでみたいと思っています。



ベトナムは歴史的に侵略、支配され続け、語り尽くせない程の痛々しい歴史を持っているのですが、今回、これらの記事を読んだり、ガイドブックを熟読したり、(これからご紹介しますが)各所を観光したりもして衝撃を受けたのは、それでも彼らが戦い続けていたことでした。


すべてを知ろうとするにはあまりにも長く、深く、そして辛すぎるベトナムの歴史……。



下は東遊日本語学校のグェン校長を囲んでの記念写真。ヘルメットを抱え、「どうもどうも」と現れた姿が印象的でした。校長先生もバイク通勤のベトナム(笑)。


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市街地にある本校訪問の後は、車で1時間ほどののどかな田園地区にある「留学生育成センター」へ。


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バイクの嵐の市街地とはうってかわった光景。

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右に、今回案内して下さった東遊日本語学校の伊藤先生。


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案内板。しかし、案内されなければ見つけることのできないような、なんてことのない路地。ここから学校まで、10分程度歩くのですが、今回の大都市ツアーの中で、唯一ベトナム人農家の生活の様子を見られた貴重な時間でした。


お世辞でも立派とは言えない家々でしたが、それでも生活の息吹が感じ取られ、私にとって忘れられない光景です。


敷地に足を踏み入れると、数十人の日本語音読の大合唱が聞こえてきます。これにも感動します。


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別の車で移動された校長先生から留学センターの説明を受けました。ベトナムの高校を卒業し、日本で勉強、就職するという夢を持った若者達が、ここで2年間集団生活を行います


日本語だけでなく、日本の高校の数学や理科も勉強していました。これは、日本で医療系の仕事に従事したりするときのために、日本人と同じ基礎知識をつけるためだそうです。


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クァン副校長先生が(校長先生左隣の女性)、南国フルーツでもてなしてくれました。ここの卒業生だそうです。日本語がとっても上手!


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クァン先生に案内され、広い敷地内を移動し、授業や住まいを見学します。


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皆さん、私たちをとても珍しがり、そして満面の笑顔で歓迎、挨拶してくれました。「頑張って!!」と心からのエールを送ります。


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集団生活の一コマ。洗濯は自分で。洗濯機はなく、手洗いです。シャワーも水です。

留学センターは、海外に行ける財源を持った子供たちのものではなく、農村など、むしろ逆の環境の子供たちへの就学支援、という意味合いもあるのだとか。ギリギリの運営費でまかなっているそうです。


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最後に記念写真。ほんとうに、ほんとうに、学生の皆さんの夢が叶いますように。


空港へ移動。国内線でハノイに向かいます。


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2時間のフライト。軽食が出ました。この日の夕飯はこれになりました。朝食バイキングが豪華で嬉しくて食べ過ぎ(貧乏性…)、昼食もろくに入らなかった私にはちょうど良かったですあせる



ハノイに着いたところ……


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出迎えてくれたガイドさん、コートにマフラーのスタイルえっ


ホーチミンで私たちは半袖だったのに~あせる


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(中央の男性、ハノイでお世話になったガイドのラムさん)


「さ、さむ~い!」の私たちの悲鳴に。


「日本とベトナムは国交40年にもなりますが、まだ日本人が理解してくれないことがあります。ベトナムは一年中暑い、というのは違います。ハノイには四季があるんです。冬は寒いです」


ある参加者先生は、「でもマフラーはやりすぎよ~(笑)」と笑っていましたっけ。


確かにガイドブックにはハノイの気候はホーチミンに比べ下がると書いてあったけれど…。32度から一気に16度へダウン



さて、この後ブログで、


・ホーチミン~観光編

・ハノイ~学校視察編

・ハノイ~観光編


と、ご紹介したいと思います。


とても数日間とは思えない充実ぶり。「一日ってこんなに長かったんだ」と思えた旅行でもありましたニコニコ お楽しみにビックリマーク