医学ニュースの深層 -74ページ目

新型インフル、2遺伝子変異で病原性強まる可能性 東大教授

 東京大医科学研究所の河岡義裕教授は、今回の新型インフルエンザについて、ウイルスの2種類の遺伝子がわずかに変異すれば、人体で増殖しやすくなり病原性が強くなる可能性があると指摘した。今後、2遺伝子が変化しているかどうか監視する必要があるとしている。

 今回のウイルスは鳥、人、豚のウイルスが混ざってできており、人での増殖能力を十分に獲得していない。「PB1―F2」「PB2」というたんぱく質を作る遺伝子がそれぞれ1カ所変異すれば人で増殖しやすくなる可能性があるという。 (日経新聞)



コメント:


 さすがは、インフルエンザ研究の第一人者たる河岡先生。

良い指摘です。気づかれましたね(ノ´▽`)ノ


・・・で、そういう変異がある(実験的に創った)ものに対しても、これから、われわれが提案する治療法(論文投稿後、審査中)は、非常に効果があったわけです。

新型インフル・・・この情況での「安心宣言」を高らかに言う「日本の政治家」のセンス

米感染者は8500人超 前日から658人増

 【ワシントン28日共同】米疾病対策センター(CDC)は28日、米国での新型インフルエンザの感染者が、感染がほぼ確実な人も含めて、8585人になったと発表した。

 前日から658人増えた。死者は12人、入院した人は507人。


豪の感染者167人に 連日大きく増加

 【シドニー29日共同】オーストラリアのロクソン保健相は29日、同国の新型インフルエンザ感染者が167人となったと発表した。同国では今週に入ってから、感染者が連日、大きく増加している。


 コメント:


 米国でも、まだまだ患者数は増加し、死亡率は0.14%と「季節なみ」だか、相変わらず、入院率は5.9%と変化していないのは気になる。割としっかりした対策の元でもこうだから。


 加えて、オーストラリアでの増加も、南半球への拡大という点では、あまりにも予想通りに進みすぎる。


 とりあえず日本での患者数が、この時期に「いきなり飛躍的に」伸びることは、あまり考えられない。まあ、東京が真のデータをださない限りですが(今となっては出しようが無いが・・・実際には罹っても「軽症」で季節の中でも軽いものと同じ程度で済んでたから表には出ていないだけ。)・・・。

 だからといって、政治家が安易に「収束宣言」や「安心宣言」を出すのは、時期尚早。「願望」を述べていい立場の方々ではないだろう。危機管理のセンスが無いことがよくわかる。こういう政治家は次の選挙で落として差し上げましょう。


 今のところは、まだ「まったり」と増えますよ。新規の増加国からの帰国者からも一定数は、いるでしょうし。


 「決して怖がる必要は無いけれど、注意は、してくださいね」。

エジプトで鳥インフルエンザ感染が相次ぐだと・・・

 WHOによると、エジプトで5月26日、鳥インフルエンザA/H5N1のヒト感染例が新たに2人確認された。エジプトでは5月13日から20日までに、相次いで5人の感染例が確認されたばかり。5月に入ってからの感染確認例は、これで9人となった。成人は1人だけで、ほかはいずれも3歳から4歳の子どもに集中している。9人中、1人が死亡。8人は病状が安定している。

 エジプトでは、今年に入ってから感染例が相次いでおり、WHOおよびエジプト保健省の発表では、1月に2人、2月に2人だったが、3月は5人に、4月には7例と増加していた。

 26日に確認されたのは、Hehia地区在住の4歳男児とAbo Hammad 地区在住の4歳女児。2人ともZagazig熱病院でタミフルによる治療を受けており、病状は安定しているという。

 4歳男児は5月24日に発熱が現れ、一方の4歳女児は5月23日に発熱があり、それぞれZagazig熱病院へ入院した。2人とも病気あるいは死んだ家禽との接触が示唆されている。(日経Med)


 

コメント:


いやな展開になってきたな・・・。強毒性のH5N1のこの広がりは。

エジプトで、今の「新型(の第1波)」が流行ると、マズイヽ(;´Д`)ノ

そりゃ、東南アジアでも、そうなんだけどね・・・。


エジプトでの、こういう展開のほうが、実は気になるんですよね・・・。

東海道新幹線、新型インフル響き乗客14%減 震災時上回る

 JR東海は28日、東海道新幹線の5月1―27日の1日平均の乗客数が前年同期と比べ14%減ったと発表した。

 景気悪化でビジネス客が減っていることに加え、中旬以降、関西を中心に新型インフルエンザの感染者が増加したため、出張自粛や修学旅行のキャンセル・延期が相次いだことが大幅な乗客減につながった。

 過去に月間乗客数が最も落ち込んだのは、阪神大震災直後の1995年2月で、前年同月比13%減だった。月末にかけて現状の旅客水準が続くと、これを上回る減少率となる。 


コメント:

 

 第1波で、もはや、このくらい経済活動が停滞したわけだ・・・。

確率的に、日本での感染者が1000人を超えれば、1人は死亡されるかもしれない。

 そうなったら、また、物凄いことになりそうだ。


 日本経済への新型ウイルスの「感染力」は、誠に凄まじい。


今後、強く予想される「第2波」が秋にでもくれば、一体、どういうことになるのか。。。

新型インフル:「感染したら、行動バレちゃう」 夜の外出控える動き

  新型の豚インフルエンザの感染者が国内でじわじわと見つかっていることを受け、就職活動や、夜の外出、そしてスポーツなどに影響が各地で出始めている。感染予防とはいえ、なかには過剰ともとれる動きもある。

 平日の夜10時すぎ。高級クラブなどが集まる東京・銀座は人通りが少なく、客引きの男性ばかりが目立った。「不況に、インフルエンザで追い打ちをかけられた感じ」。客のいないスナックで、50代のママがため息をついた。

 「夜遊び禁止」の通達を出した会社もある。都内の外資系IT企業は「感染のリスクを防ぐため」との理由で、社内外の宴会や食事会の禁止を社員に通告。20代の女性社員は「飲み会を2件キャンセルしました」と不満顔だ。

 感染者や周辺への行動調査を心配する向きもある。

 新型インフルエンザへの感染が確認されると、自治体は感染症法に基づき、感染者に発症前の行動や「濃厚接触者」のことを調査する。さらに周囲の人たちにも「接触者調査」を始める。そのうえで、感染者の行動を記者会見などで公表している。これまでのケースでは、野球観戦やユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったことなどが公表されてきた。さらに、接触者に対しては、保健所から外出自粛も要請される。

 法律事務所に勤める都内の男性(52)は「感染したときに行動のすべてを明らかにするのは勘弁してほしい」と話す。最近はまっすぐ帰宅しているという。(三橋麻子、石田博士) : 朝日新聞


 コメント:


 今回の第一波の「社会的影響」の報道です。


 今日は、神戸市長が「安心宣言」を出してましたが、まだ時期尚早でしょう。

そういう「宣言」を一刻も早く、出したいのは、極めて、重症に陥っている「地域経済」情況があるからですけれど・・・。


 


新型インフル マスク着用8割超 神戸東部で調査


人と防災未来センター(神戸市)と東大が、新型インフルエンザの感染者三十人が確認された神戸市東灘、灘、中央区の住民二百五十人を対象にアンケートをしたところ、感染予防のためマスクを着けている人が84%に上ることが分かった。マスク着用については、65%の人が「しないといけないような周囲の雰囲気を感じる」と答えた。

 二十三、二十四日、コンピューターで無作為に選んだ番号に電話をかけるRDD

(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で調査した。

 結果の速報によると、マスク着用の時期は国内初の新型発生が確認された十六日が最多で33%。

それ以前からの着用は14%だった。

 また、30%以上の人が「マスクが売り切れて(新たに)手に入らず、不安を感じている」と答えた。

着用効果について、「自分への感染を防ぐ効果は低いと思う」とした人が42%だったのに対し、

「他人への感染を防ぐ効果は低いと思う」は25%で、エチケットとして着用している状況がうかがえた。

外出後の手洗いやうがいは80%以上が実行していた。

 同センターなどは併せて、感染者一人が確認された三田市でも

予防策などについて同様のアンケートを実施。

買い物などの日常生活に影響を受けた人は神戸市に比べて低い割合だった。

 

今後の行政などの対策については、両市ともに80%前後が

「学校や福祉施設はすべてを休みにしなくても良いと思う」と回答。

一方で「妊婦や糖尿病、ぜんそくなどの人への対策に絞るのが良いと思う」との答えも半数を超えた。

 同センターの宇田川真之研究員(防災情報)は、

「予防策の中でもとりわけ他人への配慮に重点を置いているようだ。

秋以降に懸念される流行の第二波も視野に対策を続けてほしい」としている。(石崎勝伸):神戸新聞

 コメント:


いよいよ、南半球での新型インフルの感染者が、いよいよ増加してきた。

これで、このブログでも指摘している「第2波」に関する最悪(に近い)のシナリオの現実化が加速するだろう。いちおう「専門家」ですが、あんまり、こういう予想は当たらないで欲しいけれど。


さて、上記記事のコメント。


 「マスク着用については、65%の人が「しないといけないような周囲の雰囲気を感じる」と答えた。」か・・・。電車内とかで、ちょっと咳したり、くしゃみをすれば、周囲から冷ややかな、きつい反応が返ってくると関西の医師仲間から聞いたよ。どうも、本当のようだな。


 東大では、5月祭が本郷キャンパスで開催されるが、患者さんの来場は遠慮してくださいというのは、わかる。しかし、来場者(患者さんではない)には、マスク着用が(強く)御願いされている(赤線で強調されている)。なんということだ\(*`∧´)/


 本部(本郷)の新型インフル対策委員の「大先生」らの頭の中を、今すぐスキャンしてやりたいものだ。

 

 

 


 


 


 


 

<抜け毛>原因にかかわる遺伝子発見 国立遺伝学研と慶応大

昨日の記事の補足です。


抜け毛の原因にかかわる遺伝子を国立遺伝学研究所(静岡県三島市)と慶応大がマウスで見つけた。
人も共通の仕組みを持つ可能性が高いという。25日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

この遺伝子がつくるたんぱく質「Sox21」は、神経細胞の発生や増殖に関係していることが知られている。

遺伝研の相賀(さが)裕美子教授(発生遺伝学)と慶応大医学部の岡野栄之教授(生理学)らは、
生まれつきSox21遺伝子を持たないマウスを作った。このマウスは生後まもなく体毛が生えそろうが、
生後15日ごろ頭部から脱毛が始まり、1週間で全身の毛が抜けた。その後は、25日周期で脱毛と発毛を繰り返した。

マウスの毛は25日周期で生え変わる。脱毛マウスも周期や発毛機能は正常だが、抜けるスピードが
異常に速かった。体毛を詳しく調べたところ、毛の表面を覆い、うろこのような形で毛根とつながっている
キューティクルがほとんどなかった。

研究チームは、Sox21がキューティクルの材料のケラチンの生成にかかわっており、
脱毛マウスはそれを持たないため抜け毛が早まると結論づけた。

研究チームは人の毛髪のキューティクルにもSox21遺伝子が発現していることを確認。
相賀教授は「薄毛の人はSox21遺伝子やSox21の働きに問題があると推測できる。
詳しい仕組みが分かれば、治療薬開発の糸口になるかもしれない」と話す。【元村有希子】 (毎日新聞)



コメント:


一瞬、上記のSox21が「リーブ21」に見えました≧(´▽`)≦


「Sox21が無いマウスは禿げる。」、「薄毛の人はSox21遺伝子やSox21の働きに問題がある。」、そして「Sox21は、神経細胞の発生や増殖に関係している。」


・・・ということで・・・


つまり、「薄毛の人」は「髪ふさふさの人」に比べて「神経細胞が少ない。」・・・それじゃ「薄毛の人の頭の中身は・・・?」などと他人を外見で推測しては、いかんよ(・∀・)/

コーヒーはファストフード店で?

 日経新聞の調査によれば、スタバやドトールなどの「コーヒー店」の利用を控える動きが広がってるらしい。


 スタバなど高価格店の利用を1年前より減らした人は38%。そのうちマックなどの「ファストフード店」を増やした人は36%。


 一方、ドトールなど低価格店でも同様に28%が利用を減らし、うち28%がファストフード店を増やしたそうだ。


 ファストフード店は、価格の安さに加え、味についてもコーヒー店よりも良い、同じと評価する人が半分を超えたとのこと。


 フ~ン、マックのコーヒーが、ドトールよりもいいだと?

そうなのか???


不況は、人々の味覚も変えつつあるようだ。



 

 

「脱毛の原因遺伝子発見 キューティクルに異常発生」と「ヒトiPS細胞」!!!

 男性ホルモンが関与せず、性別に関係なく起きる脱毛や薄毛の原因遺伝子を、国立遺伝学研究所の相賀裕美子教授(発生遺伝学)らのチームがマウスの実験で突き止め、26日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 この遺伝子が正しく働かないと毛髪表面にあるうろこ状の組織「キューティクル」に異常が生じ、頭皮から抜けてしまうらしい。相賀教授らは人でもこの遺伝子が働いていることを確認。同教授は「キューティクルの維持が、脱毛を食い止める治療につながる可能性がある」と話している。

 チームは「Sox21」という遺伝子を持たないマウスを作成して観察。すると、誕生後に全身にいったん生えそろった毛が、生後11日目からまず頭部で抜け始め、約1週間で全身から完全に抜け落ちた。その後、再び新しい毛が生えるものの20日前後で脱毛。発毛と脱毛を繰り返した。

 チームは、発毛は正常だが脱毛の周期が異常に早まったと判断。通常のマウスでは、キューティクルのうろこ状の構造が毛と頭皮の組織とをかみ合わせる“かぎ”の役割を果たしているが、Sox21のないマウスではうろこ状の構造がなく、毛がある程度伸びると抜け落ちてしまうことを突き止めた。

 うろこ状構造を作るのはタンパク質「ケラチン」。Sox21はケラチンを作り出す遺伝子の働きを制御しているという。(共同通信)


コメント:


 「キューティクルの維持が、脱毛を食い止める治療につながる可能性がある」か。


「キューティクル」・・・懐かしい響きだな。


 もう、ずいぶん昔になるが(私が幼児のころ)、某社が、自社のシャンプーが「キューティクル」の維持に役立つとTVのCMで使い出してから、この用語が世間に大きく広がったことを覚えている。


 キューティクルは、強い紫外線、間違った洗髪やブラッシング、パーマなどで簡単に痛みますね。まあ、気をつけよう(*^▽^*)


 それはそれとして、以前(2008年10月)に、30歳の女性の髪の毛一本由来のケラチノサイトからiPS細胞が樹立された論文があったな(Nature Biotechnology)。

 論文では、28歳~35歳の他人の髪の毛だと、複数本必要なこともあった。


 ふむふむ、年齢的に、そう差はないな。じゃあ、ひょっとすると、キューティクルの具合とiPS細胞の樹立効率が相関してたりするのかな?≧(´▽`)≦


 化粧品会社と大学との連携で、こういう研究もやれば?

うまく、上記の「仮説」が証明できれば、当該会社の株価対策にはなるかもよ('-^*)/

 iPS細胞関連なら、新聞(全国紙)の中でも、いい位置に載るしな(笑)。


 こんなふうに書いたら、例えば、例の「M歯科大学の連中が、きっと、一般受け狙いでやるだろうな。こんなの簡単に調べられるしな。・・・パクるなよ(笑)

ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン教授・・・「(日本の)定額給付金は0点だ」

 ノーベル賞経済学者で米プリンストン大のポール・クルーグマン教授と与謝野財務・金融・経済財政相が対談した。クルーグマン氏は定額給付金の支給について「0点だ」と指摘するなど、日本政府の景気対策に辛口の評価もした。

 フジテレビの報道番組が24日放映した。両氏は世界的な不況を克服するための各国政府による財政出動の必要性では一致。15兆円規模の日本の経済危機対策について与謝野氏は「どうせ金を使うなら人々が驚くぐらいの額を、という考え方だ」と説明。「来年春には日本経済はプラス成長になっていると思う」と話した。

 これに対してクルーグマン氏は「もっと積極性がほしい」と指摘。日本の景気回復の時期については「患者は最悪の状況を脱したと思うが、いつ退院できるかはわからない。5年かも10年かもしれない」と厳しい見方を示した。

 2兆円の定額給付金については「他の国で失敗している。米国では歴史的にみて給付金は使われず、ほとんど貯金される」と批判。省エネ家電への買い替えを優遇するエコポイント制度に対しては「評価は保留。現時点でポイントが何に使えるかわからないのに、ポイントが与えられる理由がよくわからない」とした。 (朝日新聞)


 コメント:


下記のような「謝罪歴」を持つ方ですね。

先生・・・今回の上記の政策は30点くらいください(笑)。

私からは、米国が近年でやらかした事々について、マイナス点を差し上げますよ。



「日本に謝罪」…かつて対日批判急先鋒の米ノーベル賞教授

「私たちは、日本に謝らなければならない」――。

2008年のノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン 米プリンストン大教授 は13日、外国人記者団との質疑応答で、1990~2000年代にデフレ不況に陥った日本政府や日本銀行の対応の遅さを批判していたことを謝罪した。

 教授は、「日本の対応が遅く、根本的な解決を避けていると、西欧の識者は批判してきたが、 似たような境遇に直面すると、私たちも同じ政策をとっている」と指摘。

「上昇する米失業率を見ると、失われた10年を経験した日本より悪化している」と述べ、経済危機を克服するのは予想以上に難しいとの見方を示した。

 クルーグマン教授は、日本のデフレ不況時に、日銀に徹底的な金融緩和を促す論陣を張るなど、日本批判の急先鋒(せんぽう)に立っていた。

(2009年4月14日11時55分読売新聞)