一葉でございます (`・ω・´) おはようございますです。
約束通りの連投でございます♪
さて本日のSSは中編でございます。
セーちゃんとユーちゃんに迷惑が掛からないようにと注意を払いながら、一葉♪心のままにブログ更新いたしますっ♡
~蓮キョ愛捧げあい(応酬)お礼シリーズ~
■ 甘美なお礼 ◇中編 ■
視界に入った衣装は一瞬だったが、それは見間違いようもないモノだった。
三人娘の額には、じんわりと脂汗がにじみ出る。
もちろんその汗は走ったから出てきた…という代物では決してない。
「 冗談にも程があるわっ!!私は女優よ!?あんな恰好、するはずがないでしょう? 」
「 いや―――――― っ!!破廉恥よ!!破廉恥よ!!私には絶対に無理ぃ ――――― !! 」
「 この際だから言わせてもらいますけど、私はラブミー部に所属しているだけであって、LMEに雇用されている訳じゃないわ!! 」
ローリィが持ち上げた瞬間、3人娘の網膜にしっかりがっちりと焼き付いた、それ。
見間違える事も許されないほどはっきりと視界に入ったそれは…
誰がどう見ても…
――――― ピンクのウサギと
――――― 茶色のキツネと
――――― 黒い猫の衣装…だった…。
「 見間違いじゃありませんよね? 」
「 あれを見間違えるはずがないわ!!しかも恐ろしい事に!! 」
その衣装スタイルは、決して着ぐるみという可愛いレベルではない。
昔から定番のバニースタイルであるピンクのウサギ。いや、定番は黒、もしくは白のウサギかもしれないが、この際そんなのは大した問題ではないのだ。
そのバージョンを変えたバニースタイルに、類似展開したと思われるキツネとネコが寄り添っていたのである。
しかも、それだけでも恐ろしいのに更に3人に追い打ちをかけたのは、目つぶし攻撃かと疑うほどのゴージャスな煌びやかさだった。
「 あれ絶対に、社長さんがデザインしているわよー!?どうしてあの人は新しいものに心血を注ぐのよぉ? 」
更に驚いた事に、派手好きな社長が考案したと思われるその衣装形状は、既存のバニースーツとは明らかに違う形。
それは、存在感を惜しむことなくキラキラと輝く面積の少ない布地で…。
ビキニっぽいワンピースな水着に似ている…と言えば判り易いのかもしれないものだった。
――――― 冗談じゃない!!!
新入社員用のDVDだと言う以上、毎年、使われるだろう事はもはや必至!!
さらに中途採用の人間にさえも見せると言うのであれば、年に1度の恥で済まされるはずもない。
いや、それどころかっ!!
この1回限りで済む、という保証などどこにもない!
それこそコレを許してしまったら、毎年新たに用意させられる可能性すら捨てきれないのだ!!
毎月訪れていた行事の方がまだ優しかったと考えを改めながらも、3人は力を抜くことなく全速力でLMEを駆け抜ける。
その脳内を駆け巡っているのは、自分たちの脚よりも早い思考力。
だが、あの社長に対抗すべくの対応策などすぐに出てくるものでは決してなかった。
どうしてくれようかと苦渋に満ちた表情を浮かべた所で、先頭を走っていた奏江の視界。
見えてきた正面玄関の先に、服を着た対応策が颯爽とした雰囲気を纏って自分たちの方へ歩いて来るのを認めて、彼女は大きく口を開いた。
「 キョーコッッ!!あの人を捕まえてっ!! 」
「 へ?ええっ??敦賀さんを? 」
「 そうよっ!!この状況を何とか出来るのはあの人しかいないわっ!! 」
きっぱりと言い放つ奏江の声に、千織が賛同してキョーコの背中をポンと叩く。
「 そうですね!!それしかないですっ!京子さん、お願いします!! 」
「 え―――――― っ? 」
「 あんた、あんな恰好したい訳っ? 」
「 な!!そんな訳ないじゃないっ!! 」
「 じゃあ、捕まえてっ!! 」
切羽詰まった声音と真剣な眼差しで訴える親友の瞳に、意味こそ解らないけれど背に腹は代えられないと覚悟を決めて、キョーコは蓮の目前に躍り出た。
「 つ…敦賀さーん!!こ、こんにち…はっ!! 」
「 …こ、んにちは?どうしたの?なんで3人で息を切らして?急ぎ? 」
「 はひ…あの、実は…いま、ちょっと困ったことに…なっていまして… 」
「 うん?困った事? 」
周囲の空気が無くなったのではと心配になるほど激しく息継ぎをする3人娘を見下ろした蓮の隣で、担当俳優と同じように何事かと目を見開いた社は、けれどすぐに状況を察し、またいつもの事か?と笑顔を引きつらせながら半眼になって口を開いた。
「 もしかして…また、社長…とかだったりして…? 」
「 そう!!そうなんですっ!! 社さんっ!! 敦賀さん、助けて下さい!!このままだと、あの破廉恥な衣装を着なければならなくなるんですっ!!そんなの嫌ですーっ!! 」
キョーコの言葉に蓮は小さく肩を揺らし、こめかみをピクリと引きつらせた。
それを見逃さなかった奏江と千織が、息を切らしながらもマシンガンの如く口を開く。
「 そうなんですよ!!バニーの恰好なんて、冗談じゃないですよね!? 」
「 もう最悪ですっ!体の線は丸見えですし、網タイツどころか肩も腕も脚も!!付け根からバッチリ肌を晒せって言うんですよ?あまりにも横暴だと思いませんかっ?? 」
飛び出した言葉に蓮は目を見開いて棒立ちになり
社はこめかみに右手を押し当ててからゆっくりと息を吐いた。
「 …えーっと…?それは、仕事…? 」
「 絶対、違います!!新入社員研修用のDVD起用だって言うんですよ?良いんですか?敦賀さん。キョーコにそんな恰好をさせても? 」
「 そうですよ、敦賀さん!ウサギかキツネかネコか…。いずれにせよ露出狂じゃないかって疑う位のバニースタイルですよ?京子さん、きっとどれも似合ってしまいますよ? 」
「 ちょ…ちょっと待ってよ、モー子さん、天宮さん!!何で私が似合うのよー?論点ずらすのはやめてっ!! 」
蓮の気持ちを揺さぶる事で、何とか回避を訴える2人の部員。
その2人の意図を正確に読み取った社は、苦い笑いを浮かべながら蓮を見上げた。
――――― 確かに…
蓮なら何とか出来るかもだよな…。
…っていうか、絶対に何とかするだろう。
キョーコちゃんがそんな恰好をすると判っていて、こいつが黙っているはずがない。
瞼を閉じ、押し黙ったまま
苦悩の表情を浮かべている蓮の横顔を眺めるマネージャーの社。
その社の行動に倣うように3人娘も蓮を見上げる。
―――― きっと…その脳裏では、すでにこの状況を打破するための対策を練っているに違いない…。
少なくとも、奏江、千織、社の三人はそう思ったのだが
期待を裏切る様に蓮の頭の中では、別の世界が密やかに進行していた。
( ……最上さんの…バニー姿… )
普段、役の心情を掘り下げて考えることに余念がない蓮。
想像力の早さはトップ俳優にふさわしい回転速度を誇っている。
頬を染め、上目づかいに自分を見上げて恥じらうキョーコのバニー姿。
脳裏に揺らめくその姿に心を射抜かれ、自然と頬の筋肉が緩みそうになるのを、慌てて顔を逸らすことで場を凌ぐ。
( …可愛い…かも… )
心に浮かぶ可愛いキョーコ。
だがその妄想は儚くも鋭く破り捨てられた。
背後に忍び寄る社長の足音に、3人娘が蓮の妄想を掻き消したのである。
「 つ…敦賀さん!!このままだとキョーコ、新入社員の餌食になってしまうかもですよ?いえ、絶対そうなってしまいますよ? 」
「 それに、あの社長の事ですから、DVDだけじゃ飽き足らず、愛を持って愛に応えろ!とか訳判らない事を口走った挙句に実践だ!とか言うに決まっていますよ?良いんですかっ!! 」
弾かれるように顔を上げて、蓮は口を真一文字に結ぶ。
眼光鋭いその視線に、隣にいた社が背筋をぞっと震わせたのと、蓮の両手が強く握りしめられたのは、ほぼ同時だった。
――――― 良い訳ないだろう…
「 敦賀さん!!お願いですっ!!助けて下さいっっ!! 」
耳に届いたキョーコの嘆願に小さく頷き
軽やかな足取りでゆっくりとこちらに向かって来る社長の姿を疎ましく眺めながら
――――― 何としてでも阻止してみせる!
…と、蓮は、固い決意と闘志をみなぎらせた。
⇒後編 に続くのだ。
いや(笑)ですからね?その職場で見せられたDVDが、また偉く普通だったんです。(←当たり前ダロ)
そんなん見せられても全然頭に入んないよーって感じ( ´艸`)
それでね、いっそ着ぐるみ満載とか、バニーちゃんスタイルとか、とにかく度肝を抜くものだったら、もっと印象に残ったのかなぁって(爆)
そんな妄想から生まれたお話。
我ながら一葉って、アホだよね(笑)
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