昼食【前半】食事 習慣食 朝食 ブランチ
フランス語圏
フランス語では、昼間の食事は「déjeunerデジュネ」 と呼ばれ、正午から午後2時の間に食べる。南フランスでは、主たる食事である。北フランスでは、昼食よりも夕食[5] のほうが主な食事であるが、南フランスよりも少量である。
カナダ・フランス語では、昼食をdînerディネ と呼ぶ。ちなみに英語外来のlunch は通常軽食の催しを意味し、立食形式であり必ずしも昼頃でないものを指し、例えば内覧会などで提供される。
ポルトガル語圏
アルモッソ
ポルトガル語では、昼食は「almoço (アルモッソ)」である。十分な量の調理した食事であり、夕食と同様に、スープ、肉または魚料理、デザートからなる[注 1]。
ベンガル地方
ベンガル地方の伝統的なのランチは7コースの食事である。最初の料理は「シュクト」(または「シュクタ」)である。これは、少量の香辛料で調理された野菜の煮物で、ココナッツがかけられる。2番目の料理は米、ダール(豆カレー)、および野菜カレーからなる。3番目の料理は米と魚のカレーからなる。4番目の料理は米と肉(一般に、ヤギ肉、羊肉、鶏肉、またはラム肉)のカレーである。5番目の料理はラショゴッラ (Rasgulla) 、パンツァー(pantua)、ラージボーグ(rajbhog)、シャンデーシュ (Sandesh (sweet)) 等の甘い料理である。6番目の料理はパイヤシュまたはミシュティ・ドイ (Mishti doi) である。7番目のコースはパーン (Paan) で、口直しとなる。
日本の昼食
歴史
古来、日本において食事は朝夕の二回だったが、鎌倉時代末期から室町時代初期のころから、貨幣経済の浸透、都市生活民の集積により、都市肉体労働者が増え、朝食と夕食だけでは、途中で労働に耐えられなくなってきたことから、正午頃に食事を摂るようになった。幕末の忍藩下級藩士の絵日記である『石城日記』では、昼食を「午飯」と記している。江戸時代の天皇は午の刻昼九ツ(12時)と定まっており、毎日鯛の塩焼きが出されていた[6]。これは征夷大将軍も同じ時間帯である[7](将軍の朝食と夕食は天皇より早いが、夕食は同じ)。農作業などに従事する人は激しく体力を使うため、昼食と朝食、夕食の間にさらに軽い食事をすることを小昼(こひる、こびる)と呼ぶ地方がある。
傾向
![]() |
- 小・中学校
中学校の給食の一例
近年の[いつ?]日本の小学校・中学校では、一般的には昼食に学校給食が提供される。学校給食は、校内の施設において調理されたものと給食センターのようなセントラルキッチンなどで集中的に調理されて配達されるものがある。生徒の健康や発育に配慮し、栄養士によって栄養のバランスを考えられたメニューとなっている。内容としては、和食もあれば洋食もあり、子供たちが飽きずに楽しんで昼食を摂ることができるように、様々な工夫がこらしてある。最近は[いつ?]アレルギー体質の子供の割合が増える傾向にあり、栄養士や教員はアレルギーによる事故が起きないように細心の注意を払わなければならなくなっている。配膳は生徒自らが当番制で行う場合や、あらかじめ盛り付けてある皿を生徒自らが取る場合などがある。
- 高校
高校生の昼食は、家庭で作った弁当、朝にあらかじめ購入した食品(おにぎり、パンなど)、学校出入りの弁当業者の弁当、購買部で販売されている食品、学生食堂の利用、などがある。中には体型を気にするなどして昼食を抜いてしまう生徒(女子生徒)がおり、健康によくないと指摘されることがある。
- 大学
大学生の昼食は、弁当、キャンパス内のカフェテリア・学生食堂・生協食堂の利用、喫茶店での外食、ファーストフード店の利用、コンビニエンスストアのおにぎりや弁当など、実に多様である。大学の教員は、学生に倣って学生食堂で昼食を摂ることもあり、学生同様に様々なところで摂ることもある。
- 街角
コンビニのおにぎり
駅近くにある立ち食いそば屋
企業の従業員(サラリーマン)の昼食は、家庭で作った弁当、コンビニのおにぎりやパンやカップ麺、駅付近の立ち食いそば屋、牛丼屋、ラーメン店、定食屋、喫茶店(カフェ)のランチメニュー[8]などを、時間に追われるように短時間で慌ただしくとっている例が多い。 ワンコインランチまたはワンコイン(500円)でおつりがくるランチが流行っている。
2011年からNHKで、サラリーマンの昼食を取材して紹介している番組『サラメシ』が放送されている。
- 社員食堂
従業員の多い大企業、工場などでは、社員食堂を運営している場合があり、そこでは通常比較的安価で栄養バランスを考慮した料理が提供されていることが多く、会社の敷地内に設置されていて飲食店までの移動時間の節約になる場合が多いため、社員食堂があるのであれば従業員たちはそれを利用する傾向が強い。
- 主婦
家庭の主婦などはひとそれぞれであり、昼前後にテレビで放送される料理番組を参考に料理を作る人もいれば、前日の夕飯の余りや朝食の余りものを活用する人もいる。一方で、近年は[いつ?]自分で料理をすることを好まず、レストランなどで食事を楽しんでいる主婦もいる。
他の文化圏
アラビア語ではghathaa と言い、一般的な食物を意味するghithaa の派生語である。午後2時から4時の間に食べる。
リトアニア語ではpietūs であり、1日で主要な食事である。「ランチ」の翻訳は、priešpiečiai (プレ・ディナーの意味)であり、ブランチに該当する。
ネパールでは昼食を食べる習慣があまり無く、日中は菓子やチャパティなどの軽いものを口にする程度で、食事は朝食と夕食の2回が多い[9]。
脚注
[] |
- 注
- ^ lanche ランシェという語は、あくまでアフタヌーン・ティーを意味する。
- 出典
- ^ なお、中食を「なかしょく」と読むと、外食の派生語となり別の意味になる。→中食
- ^ a b Online Etymology Dictionary
- ^ OED gives a first usage in 1591.
- ^ a b c McMillan, Sherry (2001年). “What Time is Dinner?”. History Magazine. 2007年8月11日閲覧。
- ^ フランスの夕食は、(フランスの北部では)午後6時〜7時、(南フランスでは)午後8時ころに食べられ、それ(を食べること)は「dînerディネ」 または「souperスペ」 と呼ばれる。(souper は、通常午後11時以降の夜の食事にも使われる。)
- ^ 『図解!江戸時代』 三笠書房 2015年 p.130.
- ^ 『図解!江戸時代』 三笠書房 2015年 p.133.
- ^ 価格はサラリーマンの財布事情も考慮して500円から1000円程度、価格は地域にもよるが、ともかく夜の料金よりも低く設定していることが一般的。「ランチタイムサービス」と称して、昼食時のみスープ、ミニサラダやコーヒーなどをサービスとして付ける。
- ^ 竹村真紀子 (2014年9月3日). “ネパール人をランチに誘ってはいけません?”. 東洋経済オンライン 2014年9月6日閲覧。
参考文献
![]() |
ウィキメディア・コモンズには、昼食に関連するカテゴリがあります。 |
- 『日本人のひるめし』(酒井伸雄、中公新書)ISBN 978-4-12-101579-2
関連項目
ブランチ
|
|
カテゴリ: