蕎麦 ⅩⅤ【地震松】各地の名物そば 北海道東北青森岩手山形福島関東甲信茨城栃木群馬千葉東京神奈川
東海地方
岐阜県
- 荘川そば(岐阜県・飛騨地方)
- 白川そば(岐阜県・白川郷)
静岡県
北陸・近畿地方
新潟県
- へぎそば・布海苔そば・十日町そば(十日町市・小千谷市)
へぎそば
- つなぎに、布海苔を使用し、生麺の他に乾麺も製造しており、地産地消運動を奨励し、そば打ち体験ができるスポットもある。
- しらうお(素魚・白魚)そば(佐渡島)
- シラウオを具材に用いた蕎麦
- 大崎そば(佐渡島)
- 地元産で石臼挽きのそば粉100%で作った麺と、だしはアゴ(トビウオ)を用いた蕎麦。「うまい本物の蕎麦を作って食べよう」という発想から生まれ、併せて郷土料理を食べたり大崎地区の伝統芸能を鑑賞できる等地域活性化の催しとなっている「大崎そばの会」が昭和53年(1978年)より毎年11月後半から12月初旬に行われている。
富山県
- 利賀そば(南砺市)
- 元々は、つなぎは玉子でそれにそば粉100%で作る蕎麦だったが、麺が切れやすく食感の好みも分かれるため、近年この地域にある蕎麦店では各店毎に独自性を出した蕎麦を作っている。冬には「南砺利賀そば祭り」が催されている[144]。
石川県
- 門前そば(輪島市)
- 能登半島産のそば粉とつなぎには自生する自然薯を使った蕎麦。
- 鳥越そば(白山市)
- 白山市鳥越地区産そば粉を使用した蕎麦で、毎年秋に「鳥越そば花まつり」「鳥越新そばまつり」が行われている。
福井県
滋賀県
- 日吉そば(大津市)
日吉そば(鶴喜蕎麦)
- 坂本の郷土料理。江戸時代享保年間に鶴屋喜八が坂本で開いた蕎麦屋「鶴喜蕎麦」を起源とする[148]。小説家の司馬遼太郎が、日吉大社の近所の「鶴喜蕎麦」を目指して来たが、間違えて屋号が「日吉そば」(同名の立ち食い蕎麦チェーン店とは無関係)の蕎麦屋に入ってしまう行が紀行文集『街道をゆく(叡山の諸道)』にある。
- 箱館そば・今津そば(高島市)
- 箱館山の麓にソバ栽培地が点在しており、その地産そば粉を使用した蕎麦[149][150]。
京都府
- 犬甘野そば(亀岡市)
- 犬甘野高原地帯産ソバは品質の良さから1997年(平成9年)度に社団法人日本蕎麦協会会長賞を受賞している[151]。その地産そば粉を使用して作った蕎麦で、つなぎに亀岡産ヤマノイモを用いたものもある[151]。
- 筒川そば(伊根町)
兵庫県
- 出石そば(豊岡市出石)
出石そば
- 永沢寺そば(三田市)
- 永沢寺周辺地域で食べられている蕎麦。そば打ち体験にも力を入れており、そばに対する興味関心の向上を目的とした「そばまつり」が毎年秋に開催されている。
- とんかつそば(神戸市)
- 切り分けたとんかつを乗せた温かいかけそば。古くからある神戸市内の蕎麦屋では一般的なメニュー。
奈良県
- 荒神の里そば・笠そば(桜井市)
- この地域はソバ栽培に適した条件が整っていたことや国営総合農地開発事業にて拡大化した農地の活用方法として1992年(平成4年)からソバ栽培に取り組み、それに伴って蕎麦屋も開店している。
和歌山県
広域
- あつもり(熱盛り・敦盛)そば(大阪府・京都府京都市・兵庫県神戸市)
- 「あつもり」(『蒸篭に入れて蒸した麺』、または『敦盛と「厚盛り・熱いもり」を掛けた洒落』)である蕎麦。
- 黄そば
- 中華麺にそばつゆをかけたもの。姫路のえきそばが有名。
中国地方
岡山県
- 蒜山そば(真庭市)
- 蒜山高原では昔からそばの栽培がされており、一時期大きく衰退した時期もあったが健康ブームなどから作付数が上向きになっている。
広島県
- 豊平そば(北広島町)
- 山県郡豊平町(現・北広島町豊平地区)は、ソバ栽培に適した条件が整っていたこともあり出雲そばの流れを汲んだそばが細々と作られていたが、1987年(昭和62年)に地域おこしの一環として当時の町長や農協を中心に町役場(当時)職員や農家や町民達によって、新たに江戸流の更科系を取り入れた白いそばによる町おこし活動が始まり、関係者が当時山梨に在住していたそば打ち名人の元へ入門し各種ノウハウを学び重要な要素を得て、それらを取り入れた地域おこし活動を継続して取り組んだことにより西日本有数のそばの里と称されることもあり、そこで収穫されたものを加工している。また後継者不足の問題も表面化してきており、その対策としてそば打ちの技術や作法を習得することを目的とした「豊平流そば打ち段位認定制度」を発足させ道の駅豊平どんぐり村で実施したり、新品種「とよむすめ」の栽培を展開するなど各種活動を行っている。
島根県
- 出雲そば(出雲地方)
出雲そば
- 割子そば(出雲地方)
- 「わりご」という段重ねの朱塗りの器にそばを小分けして盛り、直接薬味やつゆをかけて食べる。
- 釜揚げそば(出雲地方)
- 三瓶そば
- 三瓶山の山麓はソバ栽培に適した土壌で、三瓶山麓で薬用人参の栽培が安永2年(1773年)から始まると共にソバ栽培も盛んになって節目で食されるようになり、三瓶温泉の公衆浴場が1877年(明治10年)3月にできてそちらの献立に取り入れられた事や明治後半に三瓶高原が陸軍演習場になり兵隊に食されたことで広く知られるようになった。食糧が豊かになってきたことや農家の高齢化が進んできた事で昭和30年代後半にはソバ栽培が衰退していったが、1984年(昭和59年)、地産地消の三瓶そば復活を目指した有志によって「九一そばの会」が結成され、ソバ栽培や加工が復活し、1986年(昭和61年)、農林水産省の山村振興対策事業を導入し「三瓶製めん類加工生産組合」に組織改編して拠点となる加工場を建設、蕎麦産業の中心的役割を果たしている。割子・釜揚げ・山かけで食されることが多く、薬味はわさび、かつお節、のり、ねぎ等(ただし、大根は使用されない)を用いる。出雲そばとの大きな違いは、出雲そばが挽きぐるみに近いそば粉を使用するのに対し、そばの実の芯の部分のみを多く使用した(更科に近い)そば粉を使用する点。
- 隠岐そば(隠岐地方)
- 短めで太い形状であり、つなぎは一切使用しないそば粉100%の麺で、だし汁は焼いたサバやあご(トビウオ)で取ったものを器に入れて薬味として隠岐産岩のりやゆず、ごま、ネギ等(ただし、大根は使用されない)を添えて食する。隠岐で蕎麦は節目節目で食べられており、隠岐民謡「どっさり節」(別名「そば打ち踊り」)の踊りの中に蕎麦打ちの要素が入っている。
山口県
四国地方
徳島県
- 祖谷そば(三好市など)
- 祖谷地方は大きな温度差や霧が多い気候でソバの栽培に適しており、古くは平家落人の隠れ里で焼畑農業によってソバが作られ常食されていたつなぎは少ない、またはまったく使わないため切れやすく少し太めで香り高い点が特徴。そば米(そば米雑炊)は米の代わりに殻を取り除いたソバの実を使った祖谷地方の郷土料理。
高知県
- 立川そば(大豊町)
- つなぎは無使用、または極少量使用とそば粉で打った蕎麦が特徴。
九州・沖縄地方
福岡県
- 弁城そば(福智町)
- 1996年(平成8年)に農業で地域活性化を目指した「福智町農業総合プロジェクト」が発足し、その一環でそばが注目され2001年(平成13年)から本格的なソバ栽培に取り組み、同時にそばの花観賞と手打ちそば食体験を中心として農業と地域の活性化を目的とした「そばの花フェスタ」が毎年開催されている。
佐賀県
- 三瀬そば(佐賀市)
- 1990年(平成2年)、三瀬村に初のそば専門店が開店。3年程で軌道に乗った事や口コミによって認知度が広がり多くのリピーターが訪れた事が影響し、ここ近年で続々と蕎麦屋が誕生し「そば街道」と呼ばれる新名所になっている。
熊本県
大分県
- 豊後高田そば(豊後高田市)
- 無農薬で春秋の2回栽培される豊後高田市産の地粉を使った手打ちそば。
宮崎県
- 新富そば(新富町)
- 1988年(昭和63年)頃、昔からあった在来種を栽培していた農家と、水田の裏作として栽培していた個々の農家が集まり協議会活動を開始、本格的な蕎麦栽培が広がり始めたが収穫量は少ない。
- 椎葉そば(椎葉村)
- 椎葉村の地城産品の1つである。
鹿児島県
- 小薄そば(鹿屋市)
- つなぎとして大量の自然薯(山芋)を入れることにより、細く切った麺でも腰が強くちぎれにくい。
- 薩摩そば(鹿児島市)
- つなぎに自然薯を使い腰が強く、具材に薩摩揚げを用いたり薬味にネギや島蜜柑の皮等を使う[174]。
- 出水そば(出水市)
- つなぎを使わない十割そば。太麺で腰は強くない。薬味には島蜜柑の皮等とネギを使う。出汁には焼きエビなどが使われる。例年、春の彼岸の頃には出水市高尾野町でそば市(鹿児島の3大市の1つ)が開催される。
沖縄県
食用作物としてソバの栽培が行われていなかった地域のため、ソバの実を利用する食文化はもともと存在せず蕎麦を供する店は非常に少なく、130万人を超える県内人口に対してわずか40件ほどしかない。県内で栽培した蕎麦粉を使用したり、月桃の葉を練り込んだ蕎麦を供する店もあるが県民にはまったく浸透しておらず、沖縄そばも小麦粉が原料という文化圏である。
蕎麦に関係する器具・道具