蕎麦 Ⅵ【前】麺類の総称としての「そば」 蕎麦麺の分類 …

 

蕎麦粉割合による分類

蕎麦屋で利用される単位による分類

十割蕎麦(生粉打ちそば)
湯を加えて蕎麦粉のデンプンの糊化を促進し、生地のまとまりをよくする。別途蕎麦粉を糊化させたものをつなぎとして使用する場合もある。その他、微細製粉により手打ち十割蕎麦をつくる方法、押し出し麺により製造する方法、粗挽き蕎麦粉の水練りにより製造する熟練の手打ち製法等がある。十割蕎麦は小麦粉を「つなぎ」に使ったいわゆる二八蕎麦よりも切れやすく、江戸時代には今のように茹でる蕎麦ではなく、蒸籠に乗せて蒸し、そのまま客に供する形の蕎麦が主流だった。現在もメニューに名を連ねている「せいろそば」はその名残である。
二八蕎麦(内二八蕎麦)
蕎麦粉8:小麦粉2で打った蕎麦。名称の由来は粉の割合であるという説、または江戸時代後期に値段が16文であったことから九九の二×八からきたという説がある。名称の起源としてどちらが正しいという決め手はない。
外二八蕎麦
蕎麦粉10:小麦粉2で打った蕎麦の総称。
逆二八蕎麦
立ち食い蕎麦屋、乾めん等を指す。実際に蕎麦粉2:小麦粉8かどうかとは関係なく、自虐的な文脈で使われることがある。

製麺業界における規格による分類

大きく分けて、生めん、乾めん、即席めんの3つの区分ごとに異なる基準が存在する。蕎麦粉の割合が30%を割り込む事によって、名称を変える必要があるもの、割合の表示が必要になるもの、販売できないもの、差はあるが制約が出てくる点は共通している。※ただし、実際の製品には添加物が加わるので誤差が出てくる。

生めんの分類
  • 公正競争規約[27]により定められており、蕎麦粉が30%以上使用されていないものは「そば」と表示できない。
  • 公正マークがついていない商品はこの限りではない。
  • 品質表示基準が存在しないため、公正マーク取得にこだわらなければ制約が低い。
  • 加工食品品質表示基準[28]により、蕎麦粉が5割以上のため原材料が小麦粉、蕎麦粉の順に書かれる。
そば
原料 割合
蕎麦粉 G30.png 30%以上
小麦粉 R50.pngR10.pngR10.png 70%以下
大麦そば
原料 割合
大麦粉 B30.png 30%以上
蕎麦粉 G30.png 30%以上
小麦粉 R30.pngR05.png 40%以下
大麦めん
原料 割合
大麦粉 B30.png 30%以上
蕎麦粉 G30.png 30%以下
小麦粉 R50.pngR10.pngR05.png 70%以下
冷めん/温めん
原料 割合
でん粉 Y10.png 15%以上
小麦粉 R50.pngR30.png 85%以下
蕎麦粉等
(穀粉類)
G10.png 小麦粉と合計で85%以下
  • 加工食品品質表示基準により、蕎麦粉が5割以上のため原材料が蕎麦粉、小麦粉の順に書かれる。