蕎麦 Ⅰ【冒頭】目次
材料・製法
板状に延ばした蕎麦
上の状態から「小間板」(駒板)を当て、蕎麦切り包丁で切り揃える
「蕎麦粉」、「つなぎ」、「水」を用いて作られる(製法は蕎麦粉を参照)。つなぎを用いないこともあり、風味付けの材料を加えることもある。つなぎ(結着剤)は一般的には小麦粉が用いられ、小麦粉に対する蕎麦粉の配合割合によって名称が変わる。他につなぎとして使用されるものは鶏卵(卵切り蕎麦と称する)、長芋・山芋、布海苔(へぎそばと称する)、こんにゃくやオヤマボクチなどがあり、それらを加えることで独特の食感やコシが発生する。
詳細は「#蕎麦粉割合による分類」を参照
また、風味付けに加えられる素材によって、胡麻切り蕎麦(黒ゴマを使用)、海苔切り蕎麦(海苔を使用)、茶蕎麦(抹茶を使用)などの種類がある。店によってはモロヘイヤ、山椒、タケノコ、ふきのとう、アシタバ、大葉、柚子、若布、梅などの季節の植物を練り込んで出すところもある。
蕎麦は、人力による手打ち、製麺機による製造にかかわらず、通常次の工程により作られる。
- 「水回し」ないし「ミキシング」 - 蕎麦粉とつなぎを混ぜ、加水しながら撹拌し丸い蕎麦玉にする。手打ちの場合は「こね鉢」と呼ばれる木製の鉢を用いる。
- 「木鉢(きばち)」ないし「プレス」 - 蕎麦玉を繰り返し押しつぶすことで練り、粘着性を高める。
- 「延し」ないし「ロール」 - 生地が張りつかないよう打ち粉した上で、薄く圧延し、平たい長方形型にする。手打ちの場合は木製の麺台に載せ、「麺棒」と呼ばれる木の棒を用いて圧延する。
- 「切り」ないし「カット」 - 圧延した生地を幅1 - 2mm程度の線状に切断して麺の形とする。手打ちの場合はまな板に載せ、何層かに折り畳んだ後、「小間板」(駒板)と呼ばれる定規を当てながら蕎麦切り包丁で切断する。
以上により切り出された蕎麦麺を茹で上げれば蕎麦が完成する。
通常、蕎麦はたっぷりの大きな鍋で湯がかれる。茹で上がった麺を取り出す場合には金属製あるいは竹製のザル状になったそば揚げが用いられることも多い。蕎麦を茹でた湯はごく薄い粥のようになる。これを蕎麦湯(そばゆ)という(詳しくは後述)。