地震の年表 (日本) Ⅸ【左】21世紀 2010年代

 

規模の大きな地震

観測史上最大規模の地震は、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)で、モーメントマグニチュード(Mw)9.0の超巨大地震であった。近代観測が始まる前の歴史地震では、1707年宝永地震、1611年慶長三陸地震、869年貞観地震、684年白鳳地震などもMw9クラスの超巨大地震であった可能性がある。

陸域で発生した直下型地震では、1891年の濃尾地震がM8.0と推定され、観測史上最大とされる。海溝型地震である1923年関東地震関東大震災)も、震源は陸域にあり、M7.9の巨大地震だった。歴史地震では、1586年天正地震は震源などが不明だが、濃尾地震をも上回る広大な範囲で被害が記録されており、M7.8-8.2[225]と推定されている。

被害の大きな地震

明治以降に発生した、死者・行方不明者数の多い地震
順位 名称 発生日 死者・行方不明者数 規模(M)
1 関東地震関東大震災 1923年9月1日 105385 7.9
2 東北地方太平洋沖地震東日本大震災 2011年3月11日 22010 9.0
3 明治三陸地震 1896年6月15日 21959 8.2
4 濃尾地震 1891年10月28日 7273 8.0
5 兵庫県南部地震阪神・淡路大震災 1995年1月17日 6437 7.3
6 福井地震 1948年6月28日 3769 7.1
7 昭和三陸地震 1933年3月3日 3064 8.1
8 北丹後地震 1927年3月7日 2912 7.3
9 三河地震 1945年1月13日 1961 6.8
10 昭和南海地震 1946年12月21日 1443 8.0

脚注

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注釈

  1. ^ 『大日本地震史料』では1582年以前もグレゴリオ暦で一本化しており、『日本被害地震総覧』、『地震の事典』および『理科年表』「日本付近の主な被害地震年代表」もこれに倣っている。一方でNOAAの地震カタログは1582年以前はユリウス暦を基本としているが、日本の地震についてはグレゴリオ暦と統一されていない。宇津徳治『世界被害地震の表』および『理科年表』「世界の主な大地震・被害地震」ではユリウス暦表記となっている。
  2. a b 北海道大学平川一臣ら、および政府の地震調査委員会によって行われた宮城県気仙沼市大谷海岸の調査によると、過去6000年間に紀元前4〜3世紀頃、4〜5世紀頃、869年の貞観地震、15世紀頃、2011年の東北地方太平洋沖地震の5回、三陸から房総にかけて約600年周期で海溝型地震と津波が起こったとされる。: 出典:読売新聞2011年8月22日13S版2面巨大津波、三陸で6千年に6回か…地層に痕跡、産経新聞2011年8月22日気仙沼 6千年で6回の巨大津波 北大教授ら痕跡発見、読売新聞2011年11月24日夕刊3版1面・2面・東日本巨大地震600年周期…千年に一度見直し
  3. ^ 従前の岡村眞らによる研究では大分県佐伯市・高知県須崎市・高知県土佐市は1900yBP前後、徳島県阿南市は2000-2300yBPである。
  4. ^ 他にも貞観・平成を超える規模の西暦300〜330年頃の太平洋沿岸津波、西暦500年前後の名取沿岸津波があったと主張している。
  5. ^ 〈山が崩れ数里の谷が埋まり、数え切れないほどの人々が圧死した。上野国(こうずけのくに)などの境では地震で潦(にわたずみ)ができた〉類聚(るいじゅう)国史
  6. ^ 大阪市立大学の原口強・准教授(地質工学)による
  7. ^ 当時の1日の境界は厳密でなく、今夜五剋と表現すれば今日の暦法では夜半過ぎの翌日に当る。- 『地震の事典』
  8. ^ 当時は荒川と合流し、東京湾北部が河口であった。
  9. ^ 静岡県伊東市宇佐美の標高7.8mの遺跡から15世紀末の陶器の破片と津波の跡が見つかった。明応地震では伊豆半島の東側に大津波が来ることは考えにくい。
  10. ^ 『日本ノ大地震二就キテ』(理學博士大森房吉)による被害地域は・・・「 山城、大和、河内、和泉、攝津、讃岐、淡路、伊賀、伊勢、尾張、三河、美濃、遠江、飛彈、越前、若狹、加賀」沿海ニ津浪アリ。濃尾地震より広大な被害範囲であった(中村一明 『地震と火山の国』)
  11. ^ 下総説もあるが確認できない。
  12. ^ 平川一臣と産総研は十勝・根室沖のM 9クラスとしている。
  13. ^ その場合、東北沖巨大地震の周期は1,000年より遙かに短いことになる。
  14. ^ 鹿王院(京都市右京区嵯峨北堀町)の伽藍が崩壊など
  15. ^ 高田領地震と同一の可能性があるが、天正地震と同じく、疑問視されている。
  16. ^ 東京都大田区日蓮宗大本山。関東最古の五重塔幸田露伴の小説「五重塔」のヒントになったという。
  17. ^ 1952年(昭和27年)3月7日の石川県大聖寺地震とは異なる。
  18. a b 2006年の震央区分変更により、それまで宮城県北部だったのが、宮城県中部となった。
  19. ^ 当時の震央区分では紀伊半島沖。
  20. ^ 当時の震央区分では東海道沖。
  21. ^ 福岡市中央区で推定震度 6強の地域があったとみられる。推計震度分布図
  22. ^ 震度 5以上を観測したのは1992年2月2日に発生したM5.9の東京湾南部の地震以来13年ぶり。【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】首都は大混乱!! 「東京地震」の恐怖 (2/2ページ) - 政治・社会 - ZAKZAKZAKZAK 2013年09月14日閲覧]
  23. ^ 巨大津波計で観測されたため、観測精度は0.1m単位。津波警報・注意報の評価”. 気象庁. 2012年8月24日閲覧。
  24. ^ 浦幌町内で推定震度 6弱の地域があったとみられる。推計震度分布図”. 気象庁. 2013年5月19日閲覧。
  25. ^ 熊本地震は4月14日21時26分以降に発生した熊本県を中心とする一連の地震活動を指す[203]

出典