スパイSPY Ⅰ【初】目次・概説
機関員(インテリジェンスオフィサー)新聞喜捨
機関員は情報機関の職員であり、特殊な訓練を受けた後で多くは外交官や駐在武官として外国に赴任する。外交官として赴任すると、外交特権で逮捕や荷物の検閲が免れる。治外法権の大使館を拠点とすることで、暗号で情報を本国とやりとりできる。外交官の肩書を有していると政治家や官僚といった獲得工作の対象に接触しやすい。などの利点がある。その一方でビジネスマン、ジャーナリスト、学者といった民間人に成りすまして「非公式に」外国に赴任する機関員もおり、この種の機関員は「イリーガル」(KGB)「ノンオフィシャルカバー」(NOC)などと呼ばれる。
機関員の任務は主に赴任国の重要情報に近づきやすい人間に獲得工作をかけ、協力者として運営し、赴任国に関する情報収集を行うことにある。機関員が獲得工作を行う際には協力者にしたい人物に接近し、身分を明かした上で獲得するケースが多い。また獲得工作を行う際に、異性の機関員が恋愛感情につけ込む手法(ハニートラップ)や金銭が利用される場合もある。さらに機関員が身分を明かさずに「外交官」として協力者に接触するケースもあるため、実際には協力者となっていることを自らが自覚していない場合も多い。
機関員は公務員であるため、高給を得る機会は少ない。また特殊な訓練を受ける過程で脱落したり、訓練後でも人材が育つとも限らない状態にある。【年収一億~十億円】
協力者(エージェント)IT企業TV局出版社
協力者は、機関員の望む情報、資料、物資などを直接獲得したり、その仲介をなす。移民を多く送り出している国では移民のネットワークを利用する事もあり、イスラエル、中国、インドなどがこの手法をよく用いるといわれる。北朝鮮が日本での諜報活動に在日朝鮮人を巻き込む事が多く、彼らは「土台人」などと呼ばれている。
危険を伴う任務が多く、敵に捕らわれたら長期間の拘束や処刑される場合がある。
産業スパイ 書店図書館・清掃局廃品回収
ビジネスの世界では産業スパイが活動している。産業スパイは企業の情報収集を行うだけでなく、社員の辞職を誘発したり、労働組合を扇動するなど企業に損害を与える場合もある。これらの活動には探偵業者や経営コンサルタントなどが関わることが多い。
軍事技術の収集などを目的に外国の情報機関が企業に諜報活動を行う場合もある。日本で近年発生した事案には、ロシア軍参謀本部情報部(GRU)の情報将校がニコンの社員から軍事転用可能な技術を収集した事件や、中国人民解放軍系の企業がヤマハ発動機を通じて無人ヘリを不正に輸入しようとした事件などがある。
但し、企業の利益活動を正当な理由なく阻害した場合には、基本的に法的観点で処置される。
主な活動の目的
- 機密情報などの盗み出し行為
- 利益追求の目的達成を阻害したり、その機能を破壊する行為
- 社内の人間関係を破綻させるなど、人間関係の工作
その他
スラングとしても「スパイ」という言葉は使われる。たとえば、プロ野球のスコアラーが次の対戦相手の戦力・戦術分析の為に試合を観戦したりする事から「スパイ」と表現される事もある。また2ちゃんねるなどに見られるインターネット上の掲示版機能などで情報操作をする者を「(ネット)工作員」と呼ぶこともある。