JR福知山線脱線事故2005/425罪日工作員Ⅵ【終】
番組への影響
- JR西日本一社提供の関西テレビの『走れ!ガリバーくん』は、2005年(平成17年)10月に『GO!GO!ガリバーくん』に改題して番組が終了するまで公共広告機構(現在のACジャパン)の啓発CMがスポットとして流れていた(関西テレビと同時ネットの放送局のみ)。
- JR西日本が実施する“DISCOVER WEST”キャンペーンが、事故の影響で2005年(平成17年)は中止となり、テレビCMも見合わせた。
- 2005年(平成17年)5月7日に公開予定だった映画『交渉人 真下正義』は鉄道事故を描写しており、公開の延期を求める声などが出たため、その予告編において内容を差し替えたり、個々の劇場の判断でカットするなどした。実際の映画は、当初の予定通り公開された。
- 『遠くへ行きたい』(よみうりテレビ制作、日本テレビ系全国ネット)、『よしもと新喜劇』(毎日放送 毎日放送以外の局はスポンサーが異なる)などのJRグループ提供の番組においても一時期は公共広告機構の啓発CMに差し替えていた。また、それ以外の鉄道関係の企業各社も同様に差し替えている。
- NHKはBShiで放映中だった『列島縦断 鉄道乗りつくしの旅〜JR20000km全線走破〜』について、遺族や負傷者の心情を考慮するため、放送延期の対応をとった(詳細)。
- 毎日放送の『ちちんぷいぷい』で「恋のマイアヒ」の空耳Flashムービーを紹介した際、「脱線してんの」と聞こえる部分が放送上はカットされた。
- 『タモリ倶楽部』の企画「全日本踏切大賞」が遅れネット局の朝日放送で放送されなかった(テレビ朝日での本放送は事故の前だったため、普通に放送されている)。
- BSフジで再放送されていた「きかんしゃトーマス」は、事故発生直後に機関車が脱線する場面があるエピソードは放送内容が全て変更された。
その他の影響
社内スポーツ活動への影響
脱線事故を受け、社内運動部であるJR西日本硬式野球部はすぐに活動自粛を発表、7月には日本野球連盟に休部届を提出して活動休止となり、毎年行われていたJRグループの対抗戦も中止となった。その後、8年間の休部状態を経て、2013年(平成25年)に活動を再開し、現在に至る。
日本国外の反響
この事故は、日本国外でも大きな反響を呼び、各国の報道機関が報道した他、ジャック・シラク・フランス大統領、ヨシュカ・フィッシャー・ドイツ外務大臣、コンドリーザ・ライス・アメリカ合衆国国務長官、王毅・駐日中華人民共和国特命全権大使、潘基文・大韓民国外交通商部長官も、日本国政府に弔意を表明した。
派生した事件・犯罪
事故発生後、これに関連・便乗した事件が発生した。以下はその一部である。
- 事故には直接関係のないJR西日本の乗務員・駅係員に対する暴言や暴行、嫌がらせなどが相次いで発生した[38][39]。
- 振り替え輸送を行う路線において、混雑が増したことに便乗した痴漢などの犯罪が増加する[40]。
- 複数の路線で、脱線事故を真似て線路上に自転車を置き、列車に衝突させる事件が相次ぎ、逮捕者や補導者が出る[41]。
- 事故列車に乗り合わせていたと偽り、JR西日本から見舞金をだまし取ったとする詐欺容疑で複数人が逮捕された。
- 電留線に止めてあった電車に「107命」などの落書きが書かれる[46]。
類似事故
急カーブを含む類似事故を以下に記す。
モーペス鉄道事故(5回発生)- イングランド
マルボーン・ストリート鉄道事故 - アメリカ
ローズデール列車事故(英語版) – オーストラリア
ウォーターフォール鉄道事故(英語版) – オーストラリア
バレンシア地下鉄脱線事故 - スペイン(2006年)
サンティアゴ・デ・コンポステーラ列車脱線事故 - スペイン(2013年)
2015年アムトラック脱線事故 - アメリカ(2015年)
関連番組
- ナショナルジオグラフィックチャンネル
- NEXT 未来のために「対話は何を生んだのか~遺族とJR西日本の10年~」 - NHK総合テレビ(2015年4月30日)
- NNNドキュメント(NNN系列・いずれも読売テレビ制作)
- 「沈黙の代償 ~JR脱線・鉄道員たちの後悔~」(2005年6月25日)
- 「倖せの素描 尼崎脱線事故・命の記録」(2007年2月4日)
- 「最後の生存者 JR脱線事故 旅立ちの春」(2008年5月4日)
- 「“命”を運ぶ電車 JR事故4年 父と娘の闘い」(2009年4月19日)
- 「命を運ぶ電車~JR脱線事故10年 遺族の執念~」(2015年4月26日)
- テレメンタリー「刻まれた記憶~JR脱線事故5年~」 - 朝日放送(2010年5月3日)
- ETV特集(NHK教育テレビ)
- 「春は巡ってきたけれど・・・ ~JR福知山線脱線事故・遺族の一年」(2006年4月22日)
- 「福知山線脱線事故 ある遺族とJR 3年間の対話」(2008年5月4日)
- クローズアップ現代(NHK総合テレビ)
- 「緊急報告 福知山線脱線事故」(2005年4月26日)
- 「置き去りにされた安全」(2005年5月25日)
- 「JR脱線事故 消えない心の傷」(2005年7月25日)
- 「体質は改善されたのか」(2006年4月25日)
- 「“安全”改革は進んだか」(2007年4月23日)
- 「被害者が問う事故調査」(2011年4月26日)
- 「“企業の罪”は問えるのか~JR福知山線脱線事故8年~」 (2013年4月24日)
- 「いのちをめぐる対話 ~遺族とJR西日本の10年~」(2015年4月20日)
- ホリデーにっぽん「生き残ってなお・・・~JR脱線事故の負傷者たち~」 - NHK総合テレビ(2009年5月6日)
- ハイビジョンふるさと発「いのちのきずな~JR脱線事故・救命の22時間~」 - NHK BS hi(2008年7月3日)
- 私は生きる~JR福知山線事故から2年 - 毎日放送(2007年3月19日)
関連書籍
- 「なぜ福知山線脱線事故は起こったのか」(草思社、著:川島令三) ISBN 4-7942-1428-6
- 「JR福知山線事故の本質 企業の社会的責任を科学から捉える」(NTT出版、編著:山口栄一) ISBN 978-4-7571-2196-6
- 「JR西日本の大罪」(五月書房 著:鈴木ひろみ、山口哲夫)ISBN 9784772704311
- 「信楽列車事故―JR西日本と闘った4400日」(現代人文社 著 信楽列車事故遺族会・弁護団 ) ISBN 9784877982591
脚注・出典
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注釈
- ^ 前4両は207系0番台Z16編成(クハ207-17+モハ207-31+モハ206-17+クハ206-129)同志社前行き、後3両は207系1000番台S18編成(クモハ207-1033+サハ207-1019+クハ206-1033)京田辺行き。Z16編成は日立製、S18編成は近畿製。いずれも網干総合車両所所属。
- ^ 日本スピンドル製造はこの年、救助活動に対して菊池寛賞およびシチズン・オブ・ザ・イヤーも受賞している。
- ^ ただしP最大ブレーキ動作が短時間である事から、ランカーブ的にはそれほど問題のある運転ではないと考えられる。
- ^ 実際には84秒間掛かっており、それは1回目のSW非常ブレーキ動作で停止したためである。
- ^ オーバーランしそうな時に直通予備ブレーキを引いて制動力を増加させるのは、指令への報告義務も無いことから、運転士の間で裏技として広まっていると言われる。
- ^ 鉄道事故調査報告書でも、速度計の誤差が推定されている。
- ^ 悪天候などによる、鉄道会社の責任の範囲を超えるダイヤの乱れが発生した時でも、乗客が駅員に文句を並べ立てる光景は全国各地で見られる現象である。
- ^ ゆえに一部の同社ローカル線において、工事に伴う昼間時運休や、一部区間での極端な低速運転になるなどの影響が出たのは有名である。
- ^ 一部の文献・資料にATS-SW形には速度照査機能自体がないように書かれているが誤りである。またこの方式は名古屋鉄道が新設用に導入したM式ATSに類似するものだが、名鉄及び資本関係にあることから同一の装置を導入した豊橋鉄道渥美線ともどものこの種の事故は起こしていない。
- ^ 例に挙げた近鉄の場合は、抵抗制御や界磁チョッパ制御、GTO-VVVF制御、IGBT-VVVF制御のいずれか3種を混結した運用は決して珍しくはなく、中には4種類を全て連結した運用も存在している。また、これらの混結運用は特急列車や一般列車を問わずに運転されている。
- ^ JR東日本においても、房総地区で特急列車に運用されていた183系などは、車体の塗装が剥げて錆が浮いた状態でも定期運用に就いていたことや、中央線快速で運用されていた201系が、JR西日本所属車と比べて過酷な運用となっているためか、一部では『ジェット音』と呼ばれるような異音を発する車両が多いことでも有名である。
- ^ (9:01時点の通常は使用しない無線試験信号が発出されたのは、運転士が無線装置に触っていた事を強く示唆している)
- ^ 『報道、仲間案じつつ「乗客」社員が撮影・リポート 尼崎JR脱線事故で在阪局』朝日新聞2005年4月27日付夕刊2面より。毎日放送は社員2人が死傷し、テレビ大阪の東京支社長も夫人と共に亡くなった。また、NHK神戸放送局アナウンサー(当時)の小山正人は肋骨を骨折しながらも気丈にレポートを行った。
- ^ 再放送では『絶体絶命!〜救う者、救われる者〜』の題でも放送。(2009年8月15日放送分など)