700万人が“瞬殺”、死者は最大1億人!? 明日にも「破局…Ⅰ
TOCANA > 異次元 > 地震・予知 > 明日にも「破局噴火=日本終了」するカルデラ6選
700万人が“瞬殺”、死者は最大1億人!? 明日にも「破局噴火=日本終了」するカルデラ6選
2017.01.17
関連キーワード:カルデラ , 九州 , 北海道 , 滅亡 , 火山 破局噴火
薩摩硫黄島全景 画像は「Wikipedia」より引用
■九州・北海道意外も危険! 安全な場所はないと心得よ
1年ほど前に筆者は、英国の科学者が中心となって選定した、大規模噴火が危惧される世界の10火山を紹介した(※)が、1位は硫黄島、3位が阿蘇山と、日本にある2つの火山が含まれていた。
※ この記事では、硫黄島を小笠原諸島の硫黄島と勘違いして執筆してしまったが、実は薩摩硫黄島のことだった。お詫びして訂正する。
では、薩摩硫黄島が、なぜ世界で最も危険な火山として認定されたのか? 選定者のザイルストラ教授によると、マグマによる隆起が4年で1mという驚異的なペースで発生していることが理由の一つだという。実は薩摩硫黄島は、鬼界カルデラ外輪山の北縁に形成された火山島なのだ。前述のように、このカルデラは約7300年前に破局噴火を起こしており、2015年10月に神戸大学の研究チームが調査に入ったことで一躍話題になっている。
カルデラのイメージ画像:「Thinkstock」より引用
さて、この海底火山が破局噴火を起こすとどうなるか? この調査を指揮した神戸大学海洋底探査センターの巽好幸教授は、「(周辺に)700万人くらいが住んでいる、そこは『瞬殺』ですよね。最悪の事態としては1億人が命を落とすことになる」(MBSニュース、2016年12月29日)と、恐ろしい発言をしている。
そして、日本でカルデラ噴火の恐れがある地域は、九州と北海道だけではない。なんとこの国には、関東を含めて90以上ものカルデラが存在するのだ。すべてが「破局噴火」ほどの規模ではないとしても、これはもう、首都圏を含めて安全な場所は“ない”ということになる。「九州、北海道以外なら大丈夫」と思うのは誤りなのだ。
ちなみに、首都圏近郊の事例としては、約5万2000年前の箱根カルデラの噴火で、西は富士川から東は現在の横浜市郊外まで火砕流で覆われた。同等の噴火が現代で起きれば、首都は大打撃を受けるだろう。
カルデラのイメージ画像:「Thinkstock」より引用
■学者が見積もる被害想定が恐ろしすぎる
「ミスター火山学」の異名をとる地球科学者、前述の東大名誉教授・藤井敏嗣氏は、「NHKそなえる防災」の連載「第5回 カルデラ噴火! 生き延びるすべはあるか?」で、もしも現代でカルデラ噴火が発生した場合、どのような被害が発生するかについて書いている。それを以下にまとめてみよう。
・ 少なくとも周囲100~200kmは火砕流で覆われ、壊滅状態になる
・ 少なくとも数十万~数百万人の犠牲者が発生する
・ 南九州の噴火でも、火山灰が数十cm降り積もる地域は関東以北まで及ぶ
・ 降灰により、あらゆる農作物は枯死する
・ 灰の重みで建物の屋根が落ち、航空路を含むすべての交通機関はマヒ状態になる
・ 貯水池や水道浄化池は、火山灰のために取水不可能となる
・ 送電線の断線や、電柱のがいしに降り積もった火山灰により、大停電が起こる
・ 原子力発電所の甚大な事故につながる可能性がある
(NHKそなえる防災、「第5回 カルデラ噴火! 生き延びるすべはあるか?」)
巨大カルデラ噴火の被害想定(九州で起きる最悪のケース) 画像は「産経ニュース」より引用
たとえいつか破局噴火が起きるとしても、「数百年か数千年先の話を真剣に検討しても無意味だ」という声もあるだろうが、前述のように6700年に一度起きている破局噴火が、すでに7300年も起きていないのだから、今すぐに起きても何ら不思議はなく、それは火山学者も語っていることだ。前述の巽好幸氏は、「今後100年に起こる確率が1%。阪神・淡路大震災の起きる前日の確率も1%。100年で1%の確率で起こることは、明日起こってもおかしくない」(MBSニュース、同上)とまで語っている。原発壊滅を含めて、「日本の終わり」が来ないように、国家レベルでの早急な対応が望まれるところだ。
百瀬直也(ももせ・なおや)
超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。ブログ:『探求三昧』、『防災三昧』、Web:『沙龍家』、