道具と腕 | たのしいホルン

たのしいホルン

楽器のおたく話(Kruspe)や日常のことを綴っているブログです。
もっと楽しくホルンが吹きたい!プロオケってどんな世界なのだろう?
初心者だけどホルンが吹いてみたい!・・・このブログを通してそういったこともお伝え出来ればと思っています。

私がゴルフを始めた25年前は、

パーシモンにスチールシャフトで、

糸巻きのボールでした。

「ゴルフは道具じゃない!腕だ!」

と、言われていた時代です。


でも現在は、ゴルフも「道具」です。

もちろん腕(技術)は必須なんですけど、

道具で技術を補うことが

できるようになってきたのです。


では楽器はどうでしょう?


こちらのほうは、基本、楽器が

できた時から、楽器自体は

あまり変わっていません。


ゴルフのクラブやボールの形は

大きく変わってはいませんが、

その中身は大きく変わっています。


でも、楽器(ホルン)は、

基本・・・なにも変わってないですね。


誤解を承知で言わせていただければ、

職人さんが手で作っていた楽器に

現代の機械化されたもので作る楽器が

全く敵わない・・・と言ったら・・・

怒られるでしょう・・・けど・・・

私はそう感じています。


もちろん、これはあくまで

私個人の意見です。


現代の機械で作られた楽器を

多くのプロ奏者が使っています。

そして素晴らしい演奏をしています。

ですので反論は当然ですね。


で・・・ホルンって、

道具?腕?・・・・・・・となると

ゴルフほど、道具に頼ることは

できません。


ただ、ゴルフと同じく


 「自分に合ったもの!」


コレが非常に大事な問題です。


ホルンは金属でできていますので、

弦楽器や木管楽器ほど、

あまり温度や湿度に神経質になることは

ありません。

楽器自体も、そう大きい変化は

受けません。


が・・・実はホルンという楽器・・・


思った以上に繊細にできています。


例えば、凹みを作った場合。

モノを知らなかった少し前までは、

少々凹ましても、直せば済むと

簡単に思っていました。


これがとんでもない間違いで、

運が悪いと、楽器そのものの

致命傷になる場合もあります。


つまり凹まし方が悪かったら、

その楽器はおシャカになる

可能性もあるのです。


また、組み立て方や曲げ方、

金属の叩き(叩くという言葉は

使いたくないのですが)方、

そして、楽器を組み立てる時に

使う支柱の位置、等々、

ほんのちょっとしたことで

その楽器の性格がガラリと

変わってしまうのです。


ホルンは、もちろん、ほとんどが


『腕』


です。


これに異を唱えるホルン吹きは

きっといないでしょう。


ただ、今現状の自分の技術で

吹いた時、楽器の調整を

全くしてない場合と、

専門のマイスターに調整して

いただく場合とでは、

かなりの差が出てくるのは

間違いありません。


昔私の知り合いが、

支柱の位置を数センチづつ

ずらして、吹き比べをしたそうですが、

正直、そんなに変わるものなのか?

と疑問を持っていました。


が、実際自分が「「実験台」となり

そういう実験をしますと・・・・・・

それは、それは、驚くほど変わるのです。


では、どう動かしてどう変えるか?

こればかりは、職人さんの技術とカン

しか頼れません。


機械では絶対できない、感覚の世界です。


基本、ホルンはさらうしか

上手くなる方法はありません。

これは間違いない事実です。


が、楽器を調整することで、

少しでも、技術の足しになるのであれば、

それをしない手はありません。


腕も大事ですが、

道具も大事なんですね!!!