保険治療に使われている歯科材料は粗悪なものが多い。
腕張反射という全身の筋肉連鎖を腕の長さの左右差で見る検査法でみるとかなりの確率で腕の左右差が出ることが多い。
例えば被せものや詰め物に使われている金銀パラジューム合金(以後金パラと呼びます)を患者さんの肌に触れさせるととたんにどちらかの体幹部が緊張して結果として緊張した胴体側の手が短くなる。
そのような反応は筋肉連鎖という体の様々な筋肉同士のつながりで起きる。まあドミノ倒しやスポーツ観戦で観客がやるウエーブ見たいなものだと考えてもらえばよい。筋肉は単独で動くことはなく何かの動作をするときに必ず複数の筋肉が連携して動く。
また全身の筋肉が大なり小なり影響をうける。その連鎖を腕の長さで大局的に見るのが腕張反射テスト(ARテスト)である。
その人の心身にとって何かストレスに感じることがあれば体幹部のどちらかが緊張する。ストレスとはその人にとっていやなもの、怖いもの、苦手なもの、有害なもの、命の危険を感じるものと闘うか逃げるかのどちらかの反応を示すものである。
人間は闘おうとしたり、逃げようとするときには必ず身構える。相手に攻撃しようとするときは必ずどちらかの腕を引きどちらかの足を引いて力を溜めるようにする。そしておもむろに攻撃するわけである。逃げる時もやはりどちらかの足を引いて膝をまげて半身になってからおもむろに地を蹴って逃げ出す。どちらにしても逃げたり闘っうときの予備動作はふつうは必要なのだ。
(本当の達人は身構えない、予備動作が無い。常に穏やかに楽に自然体で立っている。ゆえに隙がない。がそれは例外中の例外。)
だから何らかの負荷をかけるとそれをストレスと感じるためにそれを排除しようとして自動的に人間は身構える。普通は左右どちらかが緊張して収縮する。その筋肉連鎖が起きて結果として腕の長さとして出てくる。
それを見るのが腕張反射テスト(ARテスト、ヴァンアッシェ方式)である。
さて例の金銀パラジューム合金を人の肌に触れさせるとたいていはAR反応が出る。すなわち左右の腕の長さに差が出る。これはその金属がその人にとってストレスになるということである。体としてはそれを排除したいという反応を示しているということである。
でもその反応があるということはそれがすなわち病気や何らかの症状に直接出るとは限らない。将来的なことは判定ができない。いま現在、あるいは過去において経験した何らかの病気や症状に関係しているかは判定できる。
では今現在何の健康的な問題を抱えていない人で歯に金パラにAR反応が出る人はどうすればよいのだろうか?身体的なキャパシティーが大きく余裕のある人にとって金パラのストレスは相対的に低いだろう。だから体力や健康に自信のある人にとって問題は小さいかもしれない。しかし重荷であることには変わりがない。その重荷を100キロと感じるか100グラムと感じるかは人それぞれであり体力や体質やコンディションに依存する。しかしARテストで見ると手がずれるということは現にストレスを感じているということは確かである。
重荷は重荷である。少しでも重荷を減らしておきたいと考えるのか、あるいはそれくらいの重荷はあえて背負っていましょうと考えるかである。つまり価値観、人生観の問題である。