夏の終わり秋の始まりの海からの帰り道に出会った、とんでもなく可笑しなおっさんの話6 | 恋愛小説 くもりのちはれ

~それは、それは・・・何とも可笑しいオッサンの話6~(ミッキー見参!天使の悪戯より)


『杏ちゃんはなぁ・・・アレだ親分なんだぜ!違った・・・組長なんだぜ!んんっ・・・?


違うな・・・えっと何だった・・・アレ、アレだ。えーと・・・何だ?そうだ会長様だ。』


『もう徹くん・・・それじゃあ私、何か・・・コワイ組織のトップみたいじゃん。


誤解しないでくださいね。実は、中学部の生徒会長なの。だから今日も文化祭前


の準備で帰りが遅くなっちゃったんです。』


それにしてもオッサンの娘とは思えない甘い香りを放つ杏ちゃん。


「文化祭っすか。青葉の文化祭なんて行ったこと無いけど、盛り上がるんすか?」


てか・・・俺達城南は、数年前から立ち入り禁止なんじゃねぇ?


家族だっつう入門証みたいなのが必要って聞いたけど・・・


『来た事無いですか?他校の人も大勢来てくれるので、凄い盛り上がりですよ。


特にミス青葉を決めるコンテストは、芸能プロとかも来ていて、有名なんです。』


杏ちゃんは、振り返り俺の眼を見て話しながらも、時々抱き締めたくなるほどの


天使スマイルで俺を、ノックアウト・・・ストライク・・・ホームラン・・・ゴール・・・


もう胸の辺りが透けて見えたなら心臓が点滅する真っ赤なハート型になってる


だろう。


『おい!こらぁ!!俺の忠告白を虫ブンブンか!!杏ちゃん、話しちゃ駄目だ!!


ほら、着いたぞ!さっさと降りて帰りやがれ!!』


杏ちゃんだけを見つめていて、すっかり車が駅のロータリーに入っていたなんて


気がついてなかった。


『じゃ、気をつけて帰れ!城南なら尚斗にヨロシクサンジュウニ!はははっ・・・


最後の最後も俺は、ふりかけだろ?マネするなよ!あっ、杏ちゃん、ママに鯛焼き


買ってくる。ちょっと待ってて!』


唖然・・・イヤ、最後の最後にソレ?やっぱ、かなりイタイ感じ。


いくら伝説のミッキーとは言え、せめて九九は覚えようぜオッサン!


ふりかけのクダリだけは、面白くないっつう助言をしよう思ったが、オッサンはすでに


目の前の人気の鯛焼き屋の前。振り返り俺達に両手で手を振る。


道行く人が俺達をチラチラと見て笑ってる・・・スゲェ・・・恥ずい。


さっさとこの場を離れたいが・・・でも・・・あぁ・・・さよならだ。


出会って直ぐに落ちた恋、ほんの数分で終わっちまった。


ダチも何か珍しく大人しい。きっと俺と同じ気持ちなんだろう。


『あぁ・・・えっと、ありがとう。助かったっす。』


そう言ってダチが車を降りる。


俺も後に続き、車から足を出そうとした瞬間


『あっ・・・良かったら、一度見に来てください!今日、出来立ての招待状です。』


「えっ?あぁ・・・良いっすか?ホントに良いんすか?」


『はい。だってお父さん・・・たぶん凄く迷惑掛けたでしょ?そのお礼です。』


手渡されたのは、青葉の文化祭家族招待券2枚。


俺達には、夢のチケットだ。


あぁ・・・今日の俺の1日は、ふりかけ並みに一ふりも二ふりも違うぜっ!!



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