St. Valentine's Day 2 | 恋愛小説 くもりのちはれ

『邪魔なのは、どう見ても、そっちじゃない?』


ごめん・・・リコ、遅くなった。大丈夫?


現れたのは佐奈。


佐奈は、彼女達の前に私を庇うかのように立ち塞がった。


フッ・・・わかってないなぁ・・・


『結城ってさ、リコを傷つけられたら、どうすると思う?


案外、優しそうに見えて・・・容赦ないよ・・・きっと。


もう、口も利いてもらえないんじゃないかな・・・』


竹内さんの方に視線を向け、佐奈は


ねぇ・・・そう思わない?と訊く。


『でも・・・その子・・・結城君の事・・・


なんとも思ってないんでしょ・・・だったら・・・だったら・・・


私のほうが・・・こんな子より・・・結城君の事、思ってる』


そう言って、竹内さんは、佐奈と私を睨みつけた。




彼女達が立ち去った後、佐奈は


『リコ・・・頬が赤くなってる・・・』学校の中庭の一角。


私をベンチに座らせ、濡らしたハンカチを私に差し出す。


『冷やしな・・・腫れてくるかも・・』


俯いたまま言葉も発しない私に


『痛い?結城に連絡しようか?』と訊いてくる。


慌てて首を横に振る・・・


「佐奈・・・私、コウ君の事・・・あんな子達よりも


ずっと、ずっと大切に思ってる。


なんか・・・わからない感情が私の中でザワザワとうごめく。


胸が痛い・・・どうしてかわからない・・・けど・・・だけど


「ねぇ佐奈・・・私・・・竹内さんなんかより・・・


ずっとずっとコウ君のこと思ってる。


あんな風に言われて、胸が苦しい・・・どうしよう・・・


おさまらないよ・・・」




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