リコⅥ3 | 恋愛小説 くもりのちはれ

ソラのご主人様は、平日は優、土日は私。


ソラは、二人のペットと化した。


優の家に、お邪魔するっていうのは、コウ君に悪くてできないから、


金曜日と日曜日の夕方、優が私の家に車で来て、ソラの受け渡しをする。


だから、優との関係は、今までとほんの少し変わっただけ。


お昼休みに話す内容が、ソラの様子ばかりになったけど・・・


本当に、以前と同じ。


そして、穏やかに時が過ぎていく


でも、平穏な日々は、そんなに長くは続かなかった・・・。


木曜日、私はいつもどおり病院に行くため、


ホームルームが終わる同時に教室を出る。


慌てていたからか、校門の前に止めてあったバイクに気が付かず、


思い切りカバンをぶつけてしまった。


振り向きざまに、「ごめんなさい。」と謝り、頭を下げる。


そして、ゆっくり顔を上げると、そこには・・・


ぶつかったバイクの他に、十数台のバイクが整然と止まっている。


その横には、この学校で見た事も無い・・・十数人の男達・・・。


その中の一人が一歩一歩、私に近づいてくる。


『あーあ。クロのバイクになにしてくれるのかな・・・』


銀色の髪、鼻や口に無数のピアス、異様なまでの威圧感・・・


目の前に来て、私をニヤリと見下ろし・・・


『これの持ち主さ・・・かなりやばいんだよね。


黙っててあげるから、俺と今日、遊ぼっか。』


拒否権ナーシ・・・そう言いながら、私の腕をガシリと掴む。


「ちょっ・・・ちょっと・・・やめて。はなして。」


少し大きな声で抵抗する。


校門を、何人もの学生が通る。


チラチラとこっちを見てるのに、誰も助けようとしてくれない・・・。


涙目になりながらも、男をキッと睨むと、


『ちょっと、めっちゃタイプ。』


今度は、真っ赤な髪を無造作に立たせ、ブルーな瞳をした


少し背の低い男が近づいてくる。


『俺も、まぜて♪クロには内緒にしてあげるからね。』


だって、クロ女嫌いだからさ・・・とクスクス笑う。


「嫌です。離してください。」


私は、掴まれた腕を振り払おうと、必死に抵抗する。


でも・・・銀髪頭は、きつく掴んだその手を、一向に離そうとはしない。



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