参考資料550 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

“別のもの”とは女性パワーか
「「そんなことはありません。そんなこんがらがった謎解きなんて要りません。“別のもの”とは女性のことです。日本中の女性の力が集まって、これから地球と人類を救うんです」
 一方では、こんな電話をかけてきてくれた元気印の読者もいた。所沢市に住む25歳の若奥さんということだった。この前の社会党大躍進の選挙のさなかだ。その熱気が乗り移ったように彼女は言った。
 ―――世界はこれまで、男の論理で動かされてきた。腐れきった自民党政治も、弱肉強食の経済も、戦争も環境破壊も、ぜんぶ儲けと支配を追う男どもがやった。
 これからはそうはいかない。日本中、世界中の女性が手を結んで、男がとことん汚した国と地球をつくり変える。人間のいのちのための、次代の子どもを守るための新しい社会をつくる。
 それが“別のもの”だ。ノストラダムスがすごい超能力者なら、彼はこの世紀末の世界に、とくにアジアや日本で立ち上がって社会を変える女性たちを、男どもの汚れた支配をぶった切るウーマン・パワーを、“別のもの”と予言した。男どもがつくる「恐怖の大王」を阻止するものは女だと見通したのだ―――。
 私はかよわい男の一人として、ただ恐れ入ってこれを聞いていた。私個人としては、人類の心が根本的に進化しないかぎり、いまの地球危機を切り抜けるのは相当むずかしいと思う。
 だが、その不安を打ち砕くほど、日本の女性たちが目ざめてガンばってくれるなら、それに越したことはないとも思った。“別のもの”イコール日本女性の力!なんとも心配だが、嬉しくも画期的な新解釈だと。
 これをミカエルと結びつけ、“別のもの”イコール、ミカエルと置いてみる。すると終わりの日、立ち上がって人々を破滅から救う天使長ミカエルも、じつは世界の女性たち、とくに目ざめた日本のウーマン・パワーだということになる。
 もっとも、これには別の女性からの反論があった。女性パワーが高まると、こうした予言解読に対しても、女性読者からの鋭い指摘が多くなる。その読者はOLのかたわら翻訳を勉強している28歳の人で、私がちょっとミカエルのことを洩らしたとたん、軽く切り返してきた。
「あ、それソ連のゴルバチョフのことじゃないんですか?ゴルバチョフの名前も、たしかミハイルですけど」」
「ユダヤ深層予言」五島勉著より

感想
ところで、1巻48番の詩の「別のもの」は誤植で「別のもの」なんてノストラダムスは一言も言っていないという説があるが、私もこの1巻48番の詩に関してはこの説に賛成である。(「autre」(別のもの)は「outre」(~を越えて)の誤植という事。)
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11929208042.html
ただし、「別のもの」が全くないかというとそれは言い切れない。例えば、3巻95番の詩。

人々はムーア人の戒律が衰えるのを見るだろう
遥かに魅惑的な別のものの後で
最高位のボリステヌスは贈与と弁舌によって
より魅力的なものに背くようになるだろう  (原文はロバーツ本で15年以上前の自分の訳)

「別のもの」は一段目の戒律を受けて「別の戒律(法)」としても「別のもの」を表していると考えてもいいだろう。ただし、イスラム教に対して現在既に存在している法(例えばキリスト教とか)を指しているという指摘に対しては、3巻97番の詩に「新しい法(戒律)が新しい地を占領する」とあるので、それが「別の法(戒律)」(別のもの)の可能性も十分あるだろう。

補足:http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11911076507.html

おまけ