参考資料500 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

「1999年が迫っている。そのとき「恐怖の大王が空から降ってくる」とノストラダムスが予言した、不気味なタイムリミットが迫っている。
 それはおそらく、何かの地球大異変か戦争か、上空の汚染から起こる激烈な環境災害の予告である。同時に、そうならないように全力を尽くせ、という人類への警告でもあると思われる。
 ところで、ある意味でこれよりも恐ろしい、ノストラダムスのもうひとつの謎の予言、つぎの妖しい秘詩をあなたはご存知だろうか。

La loy Moricque on verra deffaillir,
Apres une autre beaucoup plus seductive :
Boristhennes premier viendra faillir,
Par dons & langue une plus attractive.

人々はモリックの法が崩壊するのを見るだろう
もっと魅力的な別のもののあとで
ボリステヌスは最初の失敗者になるだろう
もっと魅惑的な贈りものと言語によって       (『諸世紀』3巻95番)

 ごらんのとおりスラスラとは読めるが、さっぱり内容がつかめない詩だ。まず一行目の「モリック(原句 Moricque)の法」からして、まるで意味がわからない。
 だがもちろん、いままでにもこの解読に挑んだ人たちはいる。たとえばノストラダムスの地元フランスのある研究者は、これはムーア人(Moore)の法、つまりアラブの思想や体制のことだと解いている。
 ほか、Moricという部分がMarx(マルクス)に似ているため、これはマルクス主義(共産主義)のことだと解く人もいる。いや、むしろMars(マルス→火星→軍神)に似ているので、戦争か兵器の暗示だと解く人も。
 しかしいちばん有力なのは、これはノストラダムスと同じ時代の英国の人文主義者、トマス・モア(More)のことだとする解釈である。モアは当時、全ヨーロッパに大きな影響を与えた「ユートピア」という本を書いた人だ。
 ユートピアとは、真のキリスト教精神によって支配される、キリスト教徒たちの永遠の理想郷のこと。ノストラダムスは、この「ユートピア」の著者の名を形容詞にして、キリスト教諸国の理想的な体制という意味を、「モリックの法」という言葉で表わしたのだと。
 だが、もしそうならばたいへんだ。そんなモリックの法→キリスト教諸国の理想が、「崩壊する」と一行目は言っているからだ。つまり、キリスト教に支えられた欧米の文明がいずれ崩壊することを、ヨーロッパきっての予言者だったノストラダムス自身が、一行目で予言したことになるのだ。
 では、もしもそうだとして、なぜ欧米が崩壊するのか?それは二行目、「もっと魅力的な別のもの」(訳し方によっては「別の法」)がその前に現われるかららしい。
 この「別のもの」「別の法」が何かは、この本の核心のひとつなので、あとで本文を見ていただきたい。ここでは、ともかくそういう「別のもの」が出現し、それが欧米文明よりも「魅力的」なため、欧米文明の「法」(理念・体制)がいずれ崩壊するのだ、と思っていただきたい。
 これだけでも、それは欧米人にとってひじょうに衝撃的な予言である。長いあいだ、欧米主導の世界に慣れてきた私たちにとっても、少なからぬ衝撃になる。
 しかも、じつはこれは衝撃の“オードブル”にすぎないのだ。これに重ねて、さきの詩の三行目、「ボリステヌスが最初の失敗者になる」の「ボリステヌス」の正体を知るとき、あなたは目もくらむ衝撃の本番におそわれるだろう。」
「ノストラダムスの大予言 残された希望編」五島勉著より

感想
>それはおそらく、何かの地球大異変か戦争か、上空の汚染から起こる激烈な環境災害の予告である。

聖書預言とかを比喩と見る見方はおかしいよね。(0か100かの世界だろう。)

>たとえばノストラダムスの地元フランスのある研究者は、これはムーア人(Moore)の法、つまりアラブの思想や体制のことだと解いている。

「Moricque」を「Moresque」に近いと見るとイコール「Mauresque」で「ムーア人の」。また、「loy」は現代語の「loi」で法とか法律の他に「戒律」もあるので「ムーア人の戒律」と訳すと「イスラム教」とも解釈できる。
因みに、英語では「Moor」でフランス語では「More,男性形はMaure,女性形はMauresque」。
補足:2014/8/17 22:20 その後「ムーア人」には「Morisque」(現代語だが手元の辞書には載っていない)もある事が判明。因みに、「Moresque」は1694年の辞書からで「Morisque」は1606年の辞書から載っている。

>ほか、Moricという部分がMarx(マルクス)に似ているため、これはマルクス主義(共産主義)のことだと解く人もいる。いや、むしろMars(マルス→火星→軍神)に似ているので、戦争か兵器の暗示だと解く人も。

こじつけがひどいですな。ただし、私も17年ぐらい前に「共産主義的理想」で解釈した事がある。

>しかしいちばん有力なのは、これはノストラダムスと同じ時代の英国の人文主義者、トマス・モア(More)のことだとする解釈である。モアは当時、全ヨーロッパに大きな影響を与えた「ユートピア」という本を書いた人だ。

トマス・モア(英語: Thomas More、1478年2月7日 - 1535年7月6日)でノストラダムス(Nostradamus、1503年12月14日 - 1566年7月2日)。25歳年上か。因みに、「ユートピア」は1516年に出版されたようなので知っていただろう。

>ユートピアとは、真のキリスト教精神によって支配される、キリスト教徒たちの永遠の理想郷のこと。ノストラダムスは、この「ユートピア」の著者の名を形容詞にして、キリスト教諸国の理想的な体制という意味を、「モリックの法」という言葉で表わしたのだと。

これもこじつけ臭いね。
「ユートピアでの生活は、モアより数世紀後の概念である共産主義思想が提示した理想像を想起させる。住民はみな白くて美しい清潔な衣装を着け、財産を私有せず(貴金属、特に金は軽蔑され、後述する奴隷の足輪に使用されている)、必要なものがあるときには共同の倉庫のものを使う。人々は勤労の義務を有し、日頃は農業にいそしみ(労働時間は6時間)、空いた時間に芸術や科学研究をおこなうとしている。」「ユートピア」ウィキペディアより

>しかも、じつはこれは衝撃の“オードブル”にすぎないのだ。これに重ねて、さきの詩の三行目、「ボリステヌスが最初の失敗者になる」の「ボリステヌス」の正体を知るとき、あなたは目もくらむ衝撃の本番におそわれるだろう。

何重にも意味をかぶせているから変な単語(造語)を使っているんじゃないかな。例えば、イエス・キリストが再臨(私の「ヨハネの黙示録」解読ではイエスの再臨説)すればイスラム教は崩壊するだろうし、もっと大きく「モリックの法」を「ミロクの世」みたいに取れば、数十年後理想に近い世界が出来てもそれが終わりの始まりとか。因みに、詩番号の1995年説で解釈すればこうなるが。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10380443750.html
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10396351064.html

おまけ