参考資料540 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

こうして的中予言伝説がつくられていった
「ジーン・ディクソンが当てたとされる有名な予言の出所を調べていくと、その多くは、『A Gift of Prophecy』(邦訳『水晶の中の未来』早川書房)という一冊にたどりつく。
 この本は作家で心霊術師のルース・モンゴメリーが書いたディクソンの宣伝本で、300万部のベストセラーになった。ディクソンが有名になったのは、この本のおかげといっても過言ではない。
 ところが、この宣伝本が初めて世に出たのは1965年である。
 ここで確認してみよう。実は、死の予言が的中したとされる人物の多くは1965年よりも前に亡くなっているのだ。
 死亡年を併記してみると、フランクリン・ルーズベルト(1945年)、マハトマ・ガンジー(1948年)、ジョン・フォスター・ダレス(1959年)、ダグ・ハマーショルド(1961年)、マリリン・モンロー(1962年)、ジョン・F・ケネディ(1963年)といった具合だ。
 宣伝本では、それぞれにやたらと具体的な予言時のエピソードが付随しているが、それらは死のあとに出版された本に書かれた後出しの情報にすぎない。客観的な証拠にはほど遠い。
 ちなみにロバート・ケネディの死(1968年)は本が出たあとになるが、彼について事前に予言していたことがわかっている発言は次の通りである。
「ケネディ上院議員の周りに、彼を後方に束縛する黒雲があり、私はこれを彼が不本意なことにかかわらされる悲劇的な事件だと解釈します」『ザ・ヘラルド・ニューズ』紙(1968年1月27日付)
 ご覧のように時期も特定していなければ、暗殺されるとも明言していない曖昧な予言である。これなら汚職事件に巻き込まれるとも解釈できるし、女性スキャンダルで失脚するとも解釈できる。
 もちろん暗殺や、重傷を負うような事件に巻き込まれるとも解釈可能だ。そもそもロバートの兄であるジョン・F・ケネディはすでに暗殺されており、同じ政治家で敵もいた弟のロバートも決して安全であるとはいえなかった。
 死も含まれる予言をしておくことは手練れの予言者であれば当然といえるだろう。
 ケネディにまつわる予言では、兄のジョン・F・ケネディ大統領に関する予言も有名である。
 彼については具体的なエピソードが死後の後出しであることはすでに述べた。ここでは事前に発表されたことがわかっている予言を取り上げたい。それは1956年5月13日付の『パレード』紙に掲載されたディクソンの次の予言である。
「1960年の大統領選挙では労働者が優位に立ち、民衆が勝利する。しかし<必ずしも最初の任期とは限らない時期に>、彼は暗殺されるか、事務所で死ぬだろう」
 ここでいう民衆とは民主党のことを指し、同党から大統領になったケネディのことを連想すれば、一見当たっているように思えるかもしれない。
 けれども大統領が「ケネディ」であるとは明言していないことに注目してほしい。この時点では次の大統領が誰かはっきりとは言っていなかった。
 ところがディクソンは1960年になると、次のように予言している。
「ジョン・F・ケネディは大統領選で勝てないだろう」
「大統領のシンボルはニクソン副大統領の頭の真上にある」
 つまり、1960年に行われたケネディとニクソンの大統領選挙では、結局、共和党のニクソンが勝つと予言していたのである。もちろんこの予言は当たらなかった。
 しかし外れた予言は忘れられ、1956年の曖昧な予言が一人歩きし、それに宣伝本の具体的名後出し情報が加わることで、「ディクソンはケネディの死について驚異的な予言を的中させた」という伝説がつくられていったわけである。」
「検証 予言はどこまで当たるのか」ASIOS・菊池聡・山津寿丸著より

感想
>もちろん暗殺や、重傷を負うような事件に巻き込まれるとも解釈可能だ。そもそもロバートの兄であるジョン・F・ケネディはすでに暗殺されており、同じ政治家で敵もいた弟のロバートも決して安全であるとはいえなかった。

全くその通りだと思った。確か、兄弟ともにマフィアと関係があったんだよねと思い調べてみた。
「ケネディが1960年の大統領選挙に立候補する際、ケネディの父親で、密造酒商売を通じてマフィアと繋がりが深く、禁酒法時代に密造酒製造・販売で財を成してのし上がった過去があるジョセフ・P・ケネディが、シナトラの歌手デビュー当時から密接なつき合いがあるイタリア系マフィアの大ボスで、ショービジネス界を裏で握っているジアンカーナに選挙運動に協力するように頼んでほしい、とシナトラに頼んだと証言している。
・・・・しかしケネディは大統領当選後、ケネディ家とジアンカーナをはじめとするマフィアとの関係を怪しんだFBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーに目をつけられたため、マフィアの協力で大統領に当選したことが表ざたになることを恐れた弟で司法長官となったロバートが、大統領就任後にジアンカーナをはじめとするマフィアとの繋がりがあるシナトラを露骨に避けた上、この様な事実のもみ消しのために「マフィアを徹底的に取り締まる」と発表した。」(「フランク・シナトラ」ウィキペディアより)

>1960年の大統領選挙では労働者が優位に立ち、民衆が勝利する。しかし<必ずしも最初の任期とは限らない時期に>、彼は暗殺されるか、事務所で死ぬだろう

エドガー・ケイシーの予言を連想した。
1939年に「オフィスから出られない大統領が二人出るだろう」という予言だが、ジーン・ディクソンは当然この予言を知っていただろうから、それに持ち前の直感でケネディ大統領と感じたのではないだろうか。もちろんシンクロニシティーはエドガー・ケイシーだけのもの。http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11946676475.html
また、こういう意見もあるらしい。
「また、アメリカ大統領は20年ごとに在職中の死によって任期をまっとうできない人物が選出されるというジンクスが当時から知られており、彼女はそれを念頭に予言したのではないかという指摘もある」(「ジーン・ディクソン」ウィキペディアより)
ついでに、
「また、彼女はのちに1960年の大統領選挙でリチャード・ニクソンが当選するという正反対の予言もしており、しかもその予言には共和党の努力しだいというような条件までが付けられていたため、外れても釈明できるようになっていた。それどころか、1960年の選挙でケネディが落選すると明言したことさえあったのである。モンゴメリーによると、ディクソンはそれらの予言について、実際にニクソンが当選するはずだったが、選挙に不正があったのでケネディが選出されてしまったという内容の釈明をしたことがあったという」(同ウィキペディアより)
もうめちゃくちゃ。(笑)
補足:フォローする訳じゃないけど、前回の「テレパシーによってなされた。この方法によって予言されたことは、天啓によってなされた予言の場合とは違い、その人の意志によって変えることが可能であり」を考えると言い訳しているつもりはないんだね。きっと。

>つまり、1960年に行われたケネディとニクソンの大統領選挙では、結局、共和党のニクソンが勝つと予言していたのである。もちろんこの予言は当たらなかった。

予言能力はほとんどないけど、「彼女が1956年5月13日の『パレード(英語版)』誌において、1960年アメリカ合衆国大統領選挙で民主党候補が勝利することと、その人物が執務室で暗殺されるか死ぬかすること、さらにそれが最初の任期中とは限らないことを予言していた点である」(同ウィキペディアより)とあるのでシンクロニシティーは起こっているのかな。(暗殺されたのはパレードの最中だもんね。)

おまけ