大阪維新の会(代表=橋下徹・大阪市長)が次期衆院選に向けて策定中の「維新八策」に、生活保護の受給期間を制限する「有期保護制度」を盛り込む方針であることが分かった。
受給者の急増による財政負担の軽減を図るとともに、維新が理念として掲げる「個人の自立」を促す狙いがある。(略)
生活保護の有期化を巡っては、全国知事会などが設置した検討会が06年、働ける世代の人の受給期間を「最大5年」とするよう国に提言した。
しかし、「本当に必要な人が受給できなくなる」「貧困問題の解決にはならない」といった批判が根強く、政府などで具体的な検討は進んでいない。
有期保護制度の狙いについて、維新の関係者は「働かない受給者の中には『生活保護を受けている方がいい』という人もいるのではないか。自立することが必要だ」と話す。
ただ、八策には具体的な受給期間は明示しないという。
また、現行制度では受給者が就労した場合、支給額が給与に応じて減額される仕組みで「就労を阻害している」との指摘があることから、支給額を減らさずに公的機関が給与をいったん預かり、保護終了時に返却する制度も検討する。(略)
例の次長課長の河本さんの件から、生活保護バッシングが止まらないですね
以前にも書いたように、安易な生活保護バッシングは有害 です
また、正当な手続きを経て、受給されている方々への中傷は許されるものではありません。
この制度がないと、生きていけない方々もいるのです。
中途半端な正義感で、そういう方々をバッシングしても、社会は良くならないですよ。
さて、今回取り上げた記事。
橋下徹氏率いる大阪維新の会の政策について、です
最初に言ってしまうと、橋下氏の思想・政策は、新自由主義的。
新自由主義的…、つまり、思いっきり簡単に言うと、弱肉強食
強い者がますます栄え、弱い者が端っこに追いやられるというアレです。
私はそういう社会は嫌なので、橋下氏を警戒しています
さて、記事中、赤く示した部分がポイントだね
☆生活保護の受給期間を制限しよう☆
↑例えば、《受給期間は5年》と決めたとしたら、5年以上は受給出来ない事になる。
こんなの、ちょっと考えただけで…、いや、考えなくても無茶苦茶だと分かりますね
だってさ、生活保護制度がないと生きていけない方々は、どうすれば良いの?
今の日本では、マスコミの印象操作によって、《生活保護=怠け者》という風に思っている人が実に多い
だけど、生活保護を受給している人は、ほとんどが高齢者か障害者・傷病者ですよ
こういう方々の多くは、「働かない」んじゃなくて、「働けない」んです。
>有期保護制度の狙いについて、維新の関係者は「働かない受給者の中には『生活保護を受けている方がいい』という人もいるのではないか。自立することが必要だ」と話す。
↑記事のここを見ると、どうやら大阪維新の会も《生活保護=怠け者》と考えているようですね。
まさか、「高齢者も自立せよ」とでも言うのだろうか?
はい、出ました
新自由主義(弱肉強食)を語る時に欠かせないキーワード・自立ですね
自立という言葉自体は、非常に前向きで良い言葉じゃないかと思う
でも、政治の場面でこの《自立》が使われる時には、要注意。
自立。
この言葉は、別の言葉で置き換える事が出来る
それはね、自己責任という言葉
(政治の場では)自立=自己責任
>維新が理念として掲げる「個人の自立」を促す狙い
↑橋下氏の維新の会は、「個人の自立」を理念としてしているんですね。
これはね、「自己責任を重視する社会を目指す」と言っているようなもの
自己責任と聞けば、美しい言葉と思うかもしれない。
だけど、政治の場面で自己責任と言うと、「病気になっても怪我をしても自分で何とかしてね」とか、「行政は最低限のサービスしかしないから、あとは自分で何とかしてね」とか…、まあ、究極的にはそういう方向性を目指しているっていう事になるのよね。
お金のある人は、それでも良いでしょう。
だけど、庶民は、そういう社会になったら大変ではないでしょうか?
生活保護の受給期間を制限しようという政策も、要するに《福祉の切り捨て》なのさ
「個人の自立が大事だ」→「何でも自分でしよう」→「福祉だって最小限にしよう」
政治の場面で使われる《自立》という言葉には、気をつけたいですね。
今、生活保護バッシングが凄いので、こういう生活保護を削るような政策は国民の支持を得るかもしれない。
当然、橋下徹氏は、それを見越してこの政策を出してきたはず。
でもね、生活保護を削っても、我々の生活は良くならないよ
いや、むしろ、悪くなります
生活保護(福祉)を削れば、デフレ(=不況)が悪化するからね。
なので、こういう人気取りの政策に安易に乗っかってはいけない。
福祉が削りまくられて困るのは、我々なのだから。