HDD鑑賞


スイッチ切り替え劇!

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大洗にも星はふるなり


監督・脚本:福田雄一

VFX:ナイスデー

出演:山田孝之/山本裕典/ムロツヨシ/小柳友/白石隼也/佐藤二朗/安田顕/戸田恵梨香


クリスマスイブの夜、大洗海岸の閉鎖された海の家「江の島」に集まった5人の男。「江の島」のマスター(佐藤二朗)と、この夏ここでバイトをしていた自信過剰の杉本(山田孝之)、鮫マニアの松山(山本裕典)、最近彼女ができた猫田(ムロツヨシ)、群馬から通っていた仁科(小柳友)。それぞれの元には、バイト仲間のマドンナだった江里子(戸田恵梨香)から「クリスマスイブに海の家江の島で会いたい」という手紙が届いていた。

我こそが「本命」と主張し語る彼らのエピソードを、たまたま海の家の撤去要請に来た弁護士関口(安田顕)が嘘を暴く。ようやく事態が収拾しかけたとき、誰もが忘れかけていたバイト仲間だった林(白石隼也)が現れる。


oh2
役者の力量が試される「ほぼ一場劇」

次々と展開される自慢話とタネあかし。居合わせた弁護士が探偵ばりの大活躍。

演者それぞれに用意される見せ場。まるで舞台のよう…と思ったらそうだった。劇団ブラボーカンパニーの人気演目らしい。

一人一人の自慢話は、嘘だったり、妄想だったり。自信たっぷりに語っていた人物が弁護士によって一転奈落の底。その切り替えが激しい。再現映像のメイクさえ天地の差。舞台ならではのシチュエーションに、映画ならではの遊びを混ぜた演出は見事。


oh3
ホロリとさせる場面…とみせかけ。


山田君のコメディはいい。もちろん危なそうな役もいいんだけど。いろいろできるのが本作では強み。山田君がストーカーやると、怖そうやもん、マジで。

ムロ君は、静かで目立たないキャラ。なのに目立たないことで目立つんだから、すごい。

友君はコメディ向き。父譲りのガタイにイケメン乗っけてるのに。再現映像の真実バージョンメイクに注目。

裕典君は、やや痛いイケメン役が多かった。これからこういうのいいね。彼の初見は仮面ライダーだった。あの時の王子キャラ、好きだったけど。

二朗さんは若手に気遣ったか、少し引いた感じ。そういえば二朗さん、福田監督作品多いね。

oh4
戸田ちゃん、いじられまくってました。


戸田ちゃんの扱いがすごい。妄想の中なのだから使い方は自由。語る人によって、キラキラしたり。最後には紅ショウガメイクまで。最後までリアル江里子が登場しないのが、またいい。


大活躍なのは弁護士役の安田さん。推理が冴えまくる。途中から観たらミステリーだと思う。本作、彼がいたから厚みが増す。芝居じみた彼のキャラが絶品。

oh5
安田さんあっての本作。


「女子ーズ」「薔薇色のブー子」と同時期2本公開するなど、ただ今絶好調の福田監督。「俺はまだ本気出してないだけ 」など山田君とのコンビも多い。本作はツボだった。笑った笑った。泣く準備までさせて笑わせるオチ。嵌らない人はまったく嵌らない。嵌ったhiroは抱腹絶倒。


公開中の「MONSTERZ」。竜也君側参考作品とした「インシテミル 7日間のデス・ゲーム 」は、hiroには向いてなかった。山田君側参考作品とした本作は、超拾い物の傑作、でした。



hiroでした。