DVD鑑賞
監督・脚本:福田雄一
原作:青野春秋 音楽:ゴンチチ
出演:堤真一/橋本愛/生瀬勝久/山田孝之/石橋蓮司/濱田岳/水野美紀/指原莉乃/ムロツヨシ/賀来賢人/蛭子能収/尾上寛之/池田成志/佐藤二朗
42歳で、勢いで会社を辞めたシズオ(堤真一)は、父の志郎(石橋蓮司)、娘の鈴子(橋本愛)の三人暮らし。ファストフード店でバイトをしながら、家ではサッカー・ゲームに明け暮れている。ある日、突然思い立って、漫画家を目指しだす。
シズオの幼馴染の宮田(生瀬勝久)は、離婚して一人暮らし。真面目に会社員を続け、シズオから何かあるたびに飲みに誘われてはおごらされている。
いつしか飲み仲間に、シズオがバイト先で知り合った青年・市野沢(山田孝之)も加わる。なんの仕事についても長続きしない市野沢。生きがいがみつけられずに、不毛な日々を過ごしていたが、自由に行動するシズオと彼を優しく見守る宮田と接するうちに、少しずつ心を開いていく。
コメディだけど、笑えない。大人になれないシズオと、大人ぶっている宮田。いろんなところが、いろんな人にかぶるはず。「あ、同じ」…何度心でつぶやいたことか。
かと言って、人生を語る、たいそうな作品ではない。観なくちゃならないものでもない。だけど、観て損した気にはならない。芸達者な役者の共演は、見応えあり。
主演の堤さん。ボサボサ頭。家ではパンツ一丁。こんな男、やだ。本気でそう思わせるのも、堤さんの真骨頂。
生瀬さんは、完璧な普通の人。強烈によくいる人。この起用さはなんだ。いつの間にか、宮田を応援している。
山田君が素晴らしい。無口で静かなキャラなのは、いつもと同じ。本作でも無表情。だけど、たった二回、みせる笑顔が超絶素敵。福田監督はテレビ「勇者ヨシヒコ」シリーズの監督。ここの起用は大正解。
hiroのツボ岳ちゃん。出演時間は短い。いつも同じセットの中。現実味のないキャラ。シズオのことが好きなのか、嫌いなのか、読めない。ああなるかと思ったら、そうなった。うん、いい仕事。
映画ファンのアイドルから、朝ドラのアイドルへと羽ばたいた愛ちゃん。こちらもつかみづらいキャラ。最後にとっておいた笑顔がまぶしい。
笑えないコメディは、辛い。シリアスな気持ちになったら…笑い飛ばすしかないだろ。(笑)あれ、笑えた。
不思議な組み合わせの男3人。一生懸命に、自分探し中。多くの世の男性は、彼等の中に自分の一部を見出すことが、できる…んじゃないかな。
アインシュタインだったかな…「人の価値は、何をしたかではなく、人に影響を与えたかどうかだ」。そういう意味でシズオは、少なくとも4人の人に影響を与えている。こんな男にはなりたくはないけれど。
hiroでした。