治安悪化論争?っていうかなんていうか・・・ | 女子リベ  安原宏美--編集者のブログ

治安悪化論争?っていうかなんていうか・・・


以前、朝日新聞の「治安悪化論争」(まあ「論争」にしたほう盛り上がるっていう朝日の見出しのつけかたにも問題があると思うけど)の浜井浩一先生の記事ですが、今回はよくコメントをくださる仲さんのためにエントリーを書こうかと思います。http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2006/12/post_dd36.html

 http://ameblo.jp/hiromiyasuhara/entry-10019620739.html  (以前のこの記事についてのエントリー)


 外国人犯罪についての補足です。浜井 浩一, 芹沢 一也 犯罪不安社会 誰もが「不審者」? でも紙幅の関係から浜井先生の外国人犯罪についての論考はとりあげていないので、そういった意味でもフォローのつもり。

 朝日の記事はこんなかんじです。


 外国人犯罪。白書は「手荒で組織的な犯罪の増加は国民の警戒心や不安を急速に高めている」と指摘。一般刑法犯の検挙は02年以降増え続け、05年は4万3622件と過去最多だった。だが、総検挙人員に占める外国人は3.8%。「外国人すべてを日本から追い出したと仮定しても、どの程度犯罪が減るでしょう」と浜井教授。そもそも悪化しているのは体感治安であって、客観的な犯罪情勢ではない。これまでの白書のデータでも明らかだ」と話すのは龍谷大の浜井浩一教授(犯罪学)。03年まで法務省勤務。白書を執筆したこともある。「手荒で組織的な犯罪の増加は国民の警戒心や不安を急速に高めている」と指摘。一般刑法犯の検挙は02年以降増え続け、05年は4万3622件と過去最多だった。だが、総検挙人員に占める外国人は3.8%。
「外国人すべてを日本から追い出したと仮定しても、どの程度犯罪が減るでしょう」と浜井教授。


 こんときのニュー速の反応。たたきまくってましたねー。ありゃありゃ~。
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13 名前:これはどうだ[] 投稿日:2006/11/07(火) 18:34:35
>外国人すべてを日本から追い出したと仮定しても、どの程度犯罪が減るでしょう
かなり減ると断言できますが


21 名前:遅れてきたアムラー[] 投稿日:2006/11/07(火) 18:35:32

>>1
犯罪者が3.8%減るって、かなりの治安改善だろ


25 名前:名無虫さん[] 投稿日:2006/11/07(火) 18:36:01
御用学者かw笑いどころがないよ


36 名前:田中[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 18:38:40

治安はどういう状態なのか
何をどうしていくべきか、というテーマと考えれば
悪い記事じゃないが
こういうスレタイだと無意味な論争になるだけだろうなあ


66 名前:ポキュン[] 投稿日:2006/11/07(火) 18:42:54
もういいかげん。在日やサヨの目の色伺って記事書くのやめたら?
ヘタレ朝日さん


70 名前:こんなことが許されていいのか?!!![sage] 投稿日:2006/11/07(火) 18:43:41

あやつら刃物ですぐ刺すから怖いよな
一家惨殺とか日本人では出来ない感覚


74 名前:ナナフシ[] 投稿日:2006/11/07(火) 18:44:11
え~っと、すいませんが強盗・殺人・麻薬売買等の凶悪犯罪に占める
外国人犯罪者の割合はいかほどですか?


83 名前:遅れてきたアムラー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 18:44:47

外国人を全て日本から追い出せば
犯罪が減るだけじゃなく
外国人差別も無くなるよ


127 名前:モーヲタ[] 投稿日:2006/11/07(火) 18:52:10
>例えば、外国人犯罪。
>白書は「手荒で組織的な犯罪の増加は国民の警戒心や不安を急速に高めている」と指摘。
凶悪犯罪の50%以上が中国・朝鮮による犯罪じゃねーの?
こいつらだけでも追放したらかなり違うだろ
そのへんどーなの?バカ日新聞さん?


155 名前:番組の途中ですが名無しです[] 投稿日:2006/11/07(火) 18:58:19

確かにこの御用学者ふざけんなよって話だ。
だが、反論の根拠も無く「そんなわけがない、あるはずがない」
じゃ、どっかの国のアホくせえ願望学と同じだ。
凶悪犯罪の比率とか載ってるとこねえかな。
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 あーあ。あーあ。アカヒアカヒいわれてますね。翌日に犯罪減少を出した犯罪白書を「まだまだ安心できない」みたいな産経みたいなこと書いてたから、朝日がっかりだよ!ってかんじだったので朝日はかばいませんが・・
でもなんで「御用学者」なの? (笑) 前田や小宮を御用学者っていうんならわかるけど・・。
 まあ、朝日新聞は「子ども守る」大大キャンペーンもがんばりまくりだったしなあーorz。

 ニュー速の方の疑問点のご説明に足りるかどうかわかりませんが、一応書いておくねー。確かに新聞記事だけだと言葉が足りないし。


 浜井浩一氏 論考「日本の治安を脅かす外国人犯罪の実態」から抜粋。


 2003年12月に「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」-「世界一安全な国、日本」の復活を目指して-という文書を出している。ちなみに、この文書では、冒頭「今、治安は危険水域にある。」と始まっているが、それに対する根拠は何も示されていない。唯一出てくるのは、1ページ目に、刑法犯の認知件数が約285万件となったことと、世論調査の結果、平成9年から5年間で犯罪に不安を感じる者の割合が26%から41%に上昇したことだけである。当然、治安のどこがどのように悪化したかの現状分析も行われていない。にもかかわらず、重点課題として、少年犯罪や外国人犯罪を取り上げ、具体的な対策として、外国人の出入国管理の徹底と不法滞在外国人の徹底取締りを提言※している。
 ※「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(平成16年6月2日法律第73号)」によって、偽造旅券での不法入国罪等の罰金が30万円から10倍の300万円に引き上げられた。この法律は、不法入国への威嚇効果をねらったものと思われるが、どのような手段を使っても検挙を逃れようとする者が増えたり、罰金を払えず労役刑の期間が長期化したりすることのないように願いたいものである。」

 次に、外国人犯罪に関する統計を検討してみることにする。外国人犯罪については、特に、「日本人では考えられないような残忍な犯行」といったマスコミ等の言説 に代表されるように凶悪犯罪の増加が問題になることが多い。そのため、ここでは、殺人、強盗に焦点を当てて統計を検討してみたい。
 図2は、来日外国人による殺人及び強盗の検挙人員である。どちらも1990年以降上昇傾向にある。これだけを見ると、まさに外国人犯罪の脅威が示されているようにも見える。

 


 ところが、この同じ統計を、殺人の総検挙人員、強盗の総検挙人員の中で見るとどうなるのだろうか。

 

 図3は、これらを示したものである。どう見ても、その主要な要因が、来日外国人による犯罪だという言説には説得力がないことが分かる。

 また、来日外国人による殺人の被害者で最も多いのは日本人ではなく、加害者の同国人である。


 もう一つ注意すべき点がある。来日外国人による犯罪が急激に増加しているように見えるのは、それが、ほとんどゼロからスタートしているからである。(統計とりはじめたのが最近・・ってはなしで・・・。)

 強盗の検挙者を国籍別に見ると、中国国籍とブラジル国籍の者が多い。よく、マスコミなどでは日本が外国の凶悪犯罪者から狙われているという言説を耳にするが、彼らは、1990年代になって、不況に喘ぐ日本をわざわざ選んで続々と入国してきた犯罪者集団なのであろうか。

 実は、彼らの中には、それ以前から来日しているものが少なくない。中国国籍の者の場合には、不法在留者が多いのは事実だが、ブラジル国籍の者の場合には、正規の在留資格を持った日系人が多い。刑務所などで外国人受刑者と面接をすると、バブル崩壊後、勤め先を解雇され、生活に窮して犯行に及んだ者が多い。犯罪、特に凶悪犯罪は、モラルの低い者が起こすのではなく、家庭、地域、学校、職場といった社会から居場所を奪われた者が起こすものであることは専門家の間で良く知られた事実であるが、外国人犯罪もこうした視点から考える必要がある。

 来日外国人の多くが、不況によって社会から追いやられ犯行に及んでいる事実から目を背けてはならない。ヴェトナム国籍の在留者が日本の刑務所で受刑する確率は、日本人の18倍にも達する。この原因が、ヴェトナム人は日本人よりもモラルが低いためだとする識者はさすがにいないのではないだろうか。

 少年犯罪も外国人犯罪バッシングもバブルが崩壊したあとのネオリベラルな背景があります。「外国人犯罪」をたたいている「少年犯罪凶悪、急増化」の反論者は、弱者間バッシングに陥ってるということになるわけです。どっちも同じ根のめくらましだよ。

 マスコミ等で外国人犯罪の脅威を指摘する有識者のコメントで、中国人受刑者について、「日本の刑罰は軽い。日本の刑務所は三食付いて仕事も与えられて、賃金までもらえる。刑務所の賃金は、日本人にとっては僅かだが、中国人にとっては大金だ。中国人にとって日本は、警察に捕まって刑務所に入れられてもたいした問題ではなく、まさに犯罪天国だ。」といった論調が見られる。

 しかし、これは明らかに中国人に対する偏見である。外国人(受刑者)の間に、「日本では刑期の3分の1で仮釈放になる」といった 、日本の刑罰執行システムについて多少の誤解や誤ったうわさがあるのは確かであるが、現実に刑務所に入れられて、そこでの生活を軽く考えているお気楽な受刑者はいない。

 実際に多くの中国人受刑者と面接してみると、事実は、このような主張は事実とはかけはなれている。

 彼らの多くは、福建省等から就労目的で不法入国してきた者たちであり、日本語はほとんどできない。面接に行くと、異国の地の刑務所で、訳が分からず困惑し、不安におびえている者がほとんどであった。

 加えて、かれらの多くは、不法入国を斡旋する蛇頭に200万円以上の借金をして日本に不法入国している。刑務所で得られる作業賞預金は、月平均4000円程度であることを考えると、とても割りにあうものではない。また、彼ら不法入国者は、いつでも国外に逃亡できるように考えている人も多いが、蛇頭は、入国の面倒しか見てくれない。中国系の不法在留者が帰国するためには入国管理局に出頭するしかない。

 ちなみに浜井先生のいらした刑務所は首都圏の受刑者が一度は全員集まる大きな刑務所なので、特殊な刑務所の特殊な例ではありません。

 たまにテレビなどで、「日本の警察はちょろい」と大胆にうそぶく中国マフィアの関係者が出てくるが、刑務所を見る限り、あのような中国人を見ることはほとんどない。外国人受刑者、特に、英語圏や中国語圏の受刑者の場合、日本語を解さない者が多く、その結果、職員との間だけでなく、他の受刑者との間においてもコミュニケーションがとりにくい状態におかれている。そのため、刑務所生活を含めて必要な情報が極端に制限され、誤解や行き違いが生じることが多い。最近でこそ徐々に緩和傾向にあるが、刑務所などでは、保安上の理由から、外国人同士が母国語で会話をすることを制限することが多いため、通訳が付く特殊な場面を除いて他人との会話が極端に少なくなる。これが、相互の不信感の大きな原因ともなっている。

 もちろん浜井先生は外国人が凶悪な犯罪をおかさないともいってないし、手荒な犯行をしないとはいっていません。さらに詳しくは刑務所の風景―社会を見つめる刑務所モノグラフ をお読みください。