先日、米国マクドナルド が試験的に行っていた、マクドナルド店舗における
無線LANサービス(Wi-Fi)の提供企業にWayport という会社を選んだという報道がありました。
米マクドナルドは、昨年からいくつかの無線LAN事業者と、
それぞれ試験的なWi-Fiサービスを導入していました。
そしてファーストフード界の巨人である同社が....
いったい、どこの企業をパートナーとして選ぶのか?
またそれはどのようなサービス体系になるのか?
本件は、今後の米国におけるホットスポット動向に与える影響も大きく
業界全体でとても注目されていました。
米マクドナルドでは、シアトル、シカゴ、ニューヨークなど、主な都市、
数百店舗で無線LANを導入しており、今後も順次拡大していく予定だという。
そして、気になるお値段は....
残念ながら無料サービスではありませんでした。
米マクドナルドの提供するWi-Fiサービスの料金は 2時間で 2.95ドル。
Wayport のユーザーは月額 29.95ドルで、米マクドナルドだけでなく Wayport 全てのホットスポットを無制限で利用することが可能です。
また一方で、米国の南部を中心に展開するハンバーガーショップの Krystal が、無料ホットスポットを全直営店で拡大。今後も店舗による無料Wi-Fiサービスを経営戦略として位置付けていくそうです。
これらの2つのハンバーガーショップには、Wi-Fiiサービスを「有料」で提供するのが、「無料」で提供するのかという点で、ハッキリと営業戦略が分かれています。
おそらく、巨人であるマクドナルドにとっては、まだまだ他社の無料Wi-Fi サービスは脅威ではなく、これらの動きが、マクドナルドの集客に影響を及ぼすには、しばらく時間がかかると見ているのだと思います。
そして、それまでの期間は「お金を取れるなら取っておこう!」というのが、ホンネの部分ではないでしょうか?
これらの動きは、スタバなどのカフェの巨人と、小規模のカフェチェーン店、巨大ホテルグループと地元のホテル などなど、様々な業種で同じような
「図式」が見受けれられます。
日本マクドナルドは、現在、Yahoo BB と組んで、BB会員であれば「現在のところは無料」で Wi-F iが利用できる店舗を首都圏を中心に展開 しています。
私個人的には、このWi-Fiについては、利用者の立場からしても、業界の立場からみても「無料」で提供するのがベストだと考えています。
利用者の立場としては説明するまでもありませんが、業界的にも「無料」もしくは「限りなく低価格」で提供を行えるビジネス・モデルを作り出し、ホットスポットを増やし、利用者を増やすことが、最終的には、新たなマーケットを創出し、業界全体のビジネスの拡大につながると考えています。
ただ、前回のスカイプの説明 でも述べましたが、Wi-Fi 化がどんどん進むと、その影響を受ける「既得権者」がいることも事実であり、これらの動きに対し各種の反発があることも事実です。
誰もがどこでもインターネットに接続できる環境。 まさに「ユビキタス社会」を担う一つの大きな流れは、このWi-Fiであり、米国や日本でのWi-Fi動向には、今後も注目していきたいと思います。
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