さよなら子供たち | お役に立ちません。

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映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

さよなら子供たち [DVD]/ガスパー・マネス,ラファエル・フェジョー,スタニスラス・キャレ・ド・マンベール
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第二次世界大戦下のフランス。寄宿舎学校に転入生がやってきた。
名前はジャン・ボネ。
本が好きでおとなしい彼と、初めは反発しながらジュリアンは仲良くなるが。

巨匠ルイ・マル監督の名作。
タイトルがあんまり素敵で観てみた。
ラストシーンにガツンとやられる。

寄宿舎学校の少年たちの友情が、微笑ましい。
ジャン・ボネははじめは馴染めなくて、
からかわれたりしてるんだけど、
本を通してジュリアンと友情で結ばれるくだりとか、いいなぁ、って思う。

それと宝探しのシーン!
あれは見所だと思うな。
真っ暗になってしまった森で、二人で協力し合うシーン。

全編淡々としていて、少しかすれたような色合いとか、
雰囲気がすごく好き。

寄宿舎学校だから、寝るのも大部屋でみんな一緒とか、
なんか、いい。

それなのにラスト。
ラストは本当、衝撃。

ジャンは実はユダヤ人で、寄宿舎学校にかくまわれていたんだけど、
先生たちの努力空しく連行されてしまうのね。
その他の、ユダヤ人の生徒たちと一緒に。

そして、先生が叫ぶ。
「さよなら、さよなら子供だち!」

まさか、タイトルがここから来てたなんて!
そのさよならに、どれだけの思いが込められていたんだろう。
別れの挨拶しか出来ないふがいなさ?
これからの運命を思いやって?

ジャンも振り返ることしかできない、
ジュリアンもぼうぜんと見送ることしかできない。

そこで映画は終わる。
ジャンがどうなったのか、
ジュリアンたち寄宿舎学校がどうなったか何も語られない。
今まで友情の話だったのに、この唐突さ。
それが逆にリアルで、見ている側も、
ジュリアンたちと同じように呆然と見送ることしかできない。

ある意味、三崎亜記のとなり町戦争ってこういうことなのかな、って。
日常の中に潜む、戦争というか。

とにかく印象深い映画でした。