- ペンギンガイドブック/藤原 幸一
- ¥2,730
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ペンギンガイドブック 藤原幸一。
地球上に生息する全ペンギンを網羅した図鑑。
学術的区別、身体的特徴、生活行動に関する全てを網羅してある。
豊富な写真と、英訳、コラムと内容は充実。
はじめは表紙のあまりの可愛らしさに借りてきた。
中の写真もベリーキュート。
だ、けども、内実は、中々厳しい。
POPなタイトル、表紙にだまされてはいけない。
中身はペンギンの生態的特長のみならず、過去から現状まできちんと網羅してある。
と、いうのも、このユーモラスで可愛らしいペンギンの半分くらいが絶滅危惧種であること。
全て人間のせい。
地球温暖化による南極の気候変化はもちろん、
見境無い漁によって、餌が採れないこと、
人間の持ち込んだウィルスや、犬、猫、その他動物によって捕食されていること。
人間が来るまでは平和に暮らしていたのに、来たことによって、生存を脅かされている事実。
しかも、昔はペンギン油といって、ペンギンから油をとっていたそうな…
それがその地域の産業で、他に食べていく手段がなかったのかもしれない。
事情はあるだろうし、同じようなことは世界各地で行われてきた。
とはいえ、親しみなれた、”可愛い”ペンギンが、油の材料にされていたという事実にへこむ。
なんのかんのいっても、見た目で気持ち左右されちゃうんだよねぇ。
これが蛇とかだったら、「ひどい!」とかあんまり思わないのかもしれない。
ましてやゴキブリとかだったら…
「鯨取るの怒るなよ」とか軽々しくいえないよな。
理屈つけようが、可愛いもの、綺麗なものを擁護し、
汚いもの、気持ち悪いもの、良く知らないものを忌避してしまうのは、スタンダードな感情だし。
そんな第一印象を、どう理性でカバーしていけるか、が一番重要な気がする。
パッと沸き起こる感情を誤魔化すのは難しいし、押さえつけるのも不自然。
そのあと、どう考えるか、が重要だと思いながら脱線していた。
図鑑といっても差し支えないくらい豊富な写真は全て筆者が撮影したもの。
南極探検隊に加わったのか、それに近いことをしたらしく、生き生きとした生息地での様子がたくさん。
他にも、ペンギンの骨模型や、ペンギンの先祖の化石、
また、ニュージーランドでは、人間の家に巣を作ってしまったペンギンなど、
本当に、ペンギンに関するありとあらゆる写真が載っている。
「ペンギン可愛い可愛い」だけで作られた本でなく、ペンギンに関する全てのことを知ることができる作り。
英訳もついていてグローバル対応。
ただ愛玩するだけでなく、ペンギンに関するあらゆることを知ることが出来る。
筆者の、自然や動物にたいする姿勢や考え方がいいからだろうな。
ペンギンのことしか書かれていませんが、読んで良かったなぁ、と思う。
小説もいいけど、こういうので色んなことを知れるのはいいよね。
とはいえ、やっぱり、ペンギン可愛い。
もふもふの毛玉の雛とか。
まさに毛玉。
18種類もあるけど、中ではアデリーペンギンとチンストラップペンギンが可愛かったなぁ。
やっぱ、可愛もんは可愛い。
巻末のほうにある、ペンギン帽子(ペンギン丸ごと人形がかぶれるやつ)もシュールで可愛かった(笑)

