チルドレン | お役に立ちません。

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本・漫画・映画のレビューブログ。
本は月に10冊ほど、漫画は随時、
映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

チルドレン (講談社文庫 (い111-1))/伊坂 幸太郎
¥620
Amazon.co.jp
明けましておめでとうございます。
新年早々寝違えました。

僕が入った銀行で、強盗にあった。
大学生、盲目の青年、その恋人、彼らが取った行動とは?
その他、同一人物を多角的に巡る小編5話。

これはなかなか奇抜で面白かった。
まず、導入章が引き付ける。
ミステリ仕立てで、どんでん返しで、
どうなるんだ?どうなるんだ?えっ、まさかそんな!
という、オドロキと楽しみ。
キャラクターが強烈で、しかも、そのキャラのその後、また別の人物から見た視点など、
練ったオムニバス形式になってるところがまたいい。
ただの連作じゃないし、全て読むことで、キャラの別の側面や、
他の話では脇役だった人物が主役になることで、実際何を考えていたか、
なんかがわかって、面白い。

軽快で、おしゃれで、読みやすい。

にしても、、この人、同一テーマ好きだよねぇ。
盲目の美青年とか。
何か含めるところがあるのかな?訴えたいこととか。
あと、デュランと、強盗ね(笑)

しかし、おしゃれミステリだなぁ、と思う。
ドンデン返し、びっくりポイントが必ずあるし、構成も効いてて好きなんだけど、
全身ブランドで固めて澄ましてる男のような、妙にむずむずするところがある。
雰囲気が洒落てるのは大歓迎なんだけど、そうもスマートじゃないんだよね。
おしゃれにするぞ!という意気込みを感じてしまうと言うか、
誰になんと言われようともこれが僕のスタイル。やめないよ?
みたいな。

村上春樹を彷彿とするんだよね。
村上春樹はおしゃれにしようと思って書くんではなく、
もう、文体もテーマも全てがスタイリッシュで、自然。
まるで詩のような一節がある、それは村上さんだから。て、くらい。

んでも、伊坂さんは、頑張っちゃってる感、むりくり感があるんだよねぇ。
慣れてくれば、自然に受け入れられるのかな?
数冊読んだけど、どうも、おしゃれミステリが馴染まずに全作品は読んでないのだ。

んでも、チルドレンは中でも面白い方だったなぁ。
奇抜だし。