- チルドレン (講談社文庫 (い111-1))/伊坂 幸太郎
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新年早々寝違えました。
僕が入った銀行で、強盗にあった。
大学生、盲目の青年、その恋人、彼らが取った行動とは?
その他、同一人物を多角的に巡る小編5話。
これはなかなか奇抜で面白かった。
まず、導入章が引き付ける。
ミステリ仕立てで、どんでん返しで、
どうなるんだ?どうなるんだ?えっ、まさかそんな!
という、オドロキと楽しみ。
キャラクターが強烈で、しかも、そのキャラのその後、また別の人物から見た視点など、
練ったオムニバス形式になってるところがまたいい。
ただの連作じゃないし、全て読むことで、キャラの別の側面や、
他の話では脇役だった人物が主役になることで、実際何を考えていたか、
なんかがわかって、面白い。
軽快で、おしゃれで、読みやすい。
にしても、、この人、同一テーマ好きだよねぇ。
盲目の美青年とか。
何か含めるところがあるのかな?訴えたいこととか。
あと、デュランと、強盗ね(笑)
しかし、おしゃれミステリだなぁ、と思う。
ドンデン返し、びっくりポイントが必ずあるし、構成も効いてて好きなんだけど、
全身ブランドで固めて澄ましてる男のような、妙にむずむずするところがある。
雰囲気が洒落てるのは大歓迎なんだけど、そうもスマートじゃないんだよね。
おしゃれにするぞ!という意気込みを感じてしまうと言うか、
誰になんと言われようともこれが僕のスタイル。やめないよ?
みたいな。
村上春樹を彷彿とするんだよね。
村上春樹はおしゃれにしようと思って書くんではなく、
もう、文体もテーマも全てがスタイリッシュで、自然。
まるで詩のような一節がある、それは村上さんだから。て、くらい。
んでも、伊坂さんは、頑張っちゃってる感、むりくり感があるんだよねぇ。
慣れてくれば、自然に受け入れられるのかな?
数冊読んだけど、どうも、おしゃれミステリが馴染まずに全作品は読んでないのだ。
んでも、チルドレンは中でも面白い方だったなぁ。
奇抜だし。