福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案
東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、原則として立ち入りが禁止されている福島県内の帰還困難区域に、住民が居住できる「特定復興再生拠点区域」を設置するため、市町村が具体的な計画を作成し、国が認定するとしています。
そのうえで、「拠点区域」で除染やインフラ整備などを一体的かつ効率的に実施し、その費用は国が負担するとしています。原発事故に伴う除染の費用は、これまで国がいったん建て替えたうえで東京電力に請求してきましたが、国費が投入されるのはこれが初めてのことになります。
また、改正案には、原発事故による風評被害で福島県産の農作物などの販売不振が続いていることを受けて、国が実態調査や販売業者への助言などを行うほか、福島の子どもたちが、避難先の学校などでいじめにあうことがないよう、国が自治体などの対策を支援することなどが盛り込まれています。
貼り付け元 <http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170210/k10010871141000.html>
●法案の概要
帰還困難区域内の復興・再生に向けた環境整備、被災事業者の生業の復興・再生を担う 組織の体制強化、浜通り地域の新たな産業基盤の構築、福島県産農林水産物等の風評払拭 等に必要な措置を講ずる。
1.特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設
市町村長は、帰還困難区域のうち、避難指示を解除し、帰還者等の居住を可能とすることを目指す「特定復興再生拠点区域」の復興及び再生を推進するための計画を作成。同計画が内閣総理大臣の認定を受けた場合、以下の制度等を当該区域において活用できるようにする。
○認定計画に従って除染や廃棄物の処理を国が実施(費用は国の負担)
〇道路の新設等のインフラ事業の国による事業代行
○被災事業者の事業再開や新規事業者の立地促進に必要な設備投資等に係る課税の特例
○全面買収方式により新市街地を整備する「一団地の復興再生拠点整備制度」の適用
2.官民合同チームの体制強化
被災事業者の事業再開等を支援する官民合同チーム(国、福島県、福島相双復興推進機構等から構成)の組織の一元化を図るため、その中核である(公社)福島相双復興推進機構を法律に位置付けるとともに、国の職員をその身分を保有したまま同機構へ派遣できること等を可能とする。
3.「福島イノベーション・コースト構想」推進の法定化
浜通り地域における「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」を一層推進するため、同構想に係る取組を推進する区域(福島国際研究産業都市区域)や当該取組を法定の重点推進計画に記載し、中小企業の研究成果に係る特許料等の減免やロボットの新製品・新技術の開発促進のための国有の試験研究施設の低廉使用を可能とする。
また、「原子力災害からの福島復興再生協議会」の下に分科会を創設し、同構想を関係機関等が連携・協力して推進するための枠組みを整備する。
4.風評被害払拭への対応
福島県産農林水産物等の風評被害の払拭に向け、販売等の実態調査や当該調査に基づく指導・助言等の措置を講ずることを法律に位置付ける。
※このほか、
①被災 12 市町村の帰還環境整備に取り組むまちづくり会社等、
②子どもへ のいじめの防止のための対策、
③地域住民の交通手段の確保についても、その後押しを行うため、法律に位置付ける。
施行期日:公布の日
●平成29年度 東日本大震災復興特別会計 歳出 単位は千円
原子力災害復興再生支援事業費 |
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98,772,039 |
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福島生活環境整備・帰還再生加速事業委託費 |
18,100,669 |
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福島再生加速化交付金 |
80,671,370 |
福島原子力災害避難区域教育復興設備整備費補助金 |
79,892 |
教育・科学技術等復興事業費 |
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12,010,545 |
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公立諸学校建物其他災害復旧費補助金 |
1,221,026 |
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福島原子力災害避難区域 教育復興施設整備費補助金 |
2,584,330 |
復興債費 |
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81,689,425 |
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諸謝金 |
42 |
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褒賞品費 |
531 |
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職員旅費 |
122 |
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復興債業務庁費 |
8,144 |
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復興債償還財源等 国債整理基金特別会計へ繰入 |
81,680,586 |
復興加速化・福島再生予備費 |
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450,000,000 |
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(復興加速化・福島再生予備費) |
450,000,000 |