政府が行う外国為替等の売買及びこれに伴う取引を円滑にするために置かれた外国為替資金の運営に関する経理。歳入2兆5282億7500万円、歳出9145億2300万円。
本邦通貨の外国為替相場の安定を実現するため、政府が実施する外国為替等の売買(為替介入等)等の円滑化に資するため設けられています。
具体的には、円売り・外貨買い介入の場合には、政府短期証券(為券)の発行により円貨を調達し、外国為替市場における為替介入により円貨を売却し、外貨を購入。為替介入で得た外貨は外貨建て債券等に運用されます。
逆に円買い・外貨売り介入の場合には、外貨建て債券の売却等により外貨を調達し、外国為替市場における為替介入により外貨を売却し、円貨を購入。為替介入で得た円貨は政府短期証券(為券)の償還に充当されます。
これら外国為替資金の運営から生じる収入(外貨の利子収入等)・支出(政府短期証券(為券)利払等)については、外国為替資金特別会計の歳入・歳出にて経理されます。また、歳入と歳出の差額である毎年度の利益(決算上剰余金)については、外国為替資金に組み入れる金額を除き、一般会計への繰入れの対象となります。
●為替介入の方法
我が国では財務大臣がこれを行い、麻生太郎副総理の任務となっています。
例えば、急激な円高に対応し、外国為替市場で円を売ってドルを買う「ドル買い・円売り介入」を行う場合には、国庫短期証券を発行して調達した円資金を対価にドルを買い入れます。反対に、急激な円安に対応し、外国為替市場でドルを売って円を買う「ドル売り・円買い介入」を行う場合には、外為特会の保有するドルを取り崩して、円を対価に売却します。
日本銀行は、財務大臣が為替介入を必要と判断した旨の連絡を受けた場合には、財務省に対し、為替市場に関する最新の情報を報告します。これを受けて、財務省は、為替介入実行の具体的指示を行います。そして、その指示を受けて、日本銀行は、金融機関や外為ブローカーを相手に為替取引の約定を成立させていきます。
【予算案】
平成29年度では、外国為替資金に属する 現金の不足を補うための一時借入金等をするこ とのできる限度額を、195兆円としています。
また、平成28年度において生ずる決算上の剰余 2兆5187億6700万円については、29 年度の一般会計の歳入に繰り入れ。
なお、株式会社国際協力銀行に対し、海外展開支援融資ファシリティにおいて資金需要の増加等に伴い外貨資金が必要な場合にあっては、 外国為替資金からの貸付けを行う場合があります。海外展開支援融資ファシリティは、日本企業の海外展開を支援することを目的として海外M&Aやインフラ、資源分野等への出資を行います。
【歳入】2兆5282億7500万円
外国為替等売買差益 1500億円
運用収入 2兆3782億7400万円
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2,528,274,654 |
外国為替等売買差益 |
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150,000,000 |
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外国為替等売買差益 |
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150,000,000 |
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外国為替等売買差益 |
150,000,000 |
運用収入 |
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2,378,274,394 |
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運用収入 |
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2,378,274,394 |
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利子収入 |
2,377,338,773 |
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国際通貨基金報酬 |
935,621 |
雑収入 |
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260 |
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雑収入 |
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260 |
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小切手支払未済金収入 |
10 |
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指定預金利子収入 |
150 |
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雑入 |
100 |
【歳出】9145億2300万円
事務取扱費 22億3300万円
諸支出金 1213億2000万円
融通証券事務取扱費 一般会計へ繰入 100万円
国債整理基金特別会計へ繰入 4909億6900万円
予備費 3000億円
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914,522,801 |
事務取扱費 |
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2,232,536 |
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職員基本給 |
208,131 |
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職員諸手当 |
107,403 |
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超過勤務手当 |
62,442 |
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退職手当 |
8,642 |
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児童手当 |
2,940 |
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諸謝金 |
17,977 |
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職員旅費 |
157,608 |
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赴任旅費 |
602 |
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委員等旅費 |
156 |
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庁費 |
391,412 |
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情報処理業務庁費 |
1,194,124 |
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通信専用料 |
5,534 |
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国家公務員共済組合負担金 |
69,740 |
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賠償償還及払戻金 |
10 |
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貨幣交換差減補填金 |
5,815 |
諸支出金 |
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121,320,152 |
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立替電信料 |
130 |
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手数料 |
9,491,701 |
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外国為替事務取扱手数料 |
110,400 |
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償還差額補填金 |
110,848,566 |
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払戻金 |
40,000 |
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支払利子 |
829,355 |
融通証券事務取扱費一般会計へ繰入 |
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731 |
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一般会計へ繰入 |
731 |
国債整理基金特別会計へ繰入 |
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490,969,382 |
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国債整理基金特別会計へ繰入 |
490,969,382 |
予備費 |
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300,000,000 |
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(予備費) |
300,000,000 |
TPPについては破談に終わりそうですが、米国のトランプ大統領は二国間FTAを進めるとのこと。TPPには為替条項がなかったために二国間ではこの為替条項を盛り込もうとしています。
為替条項とは、無関税にしているものであっても、為替介入などで政府が自国に有利なようなことをしたならば懲罰的な関税をかけるというものです。そうなると為替介入は無力になりますが、菅義偉官房長官は27日の記者会見で「(通貨政策を制限しなかった)TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)のようにまとめる」と述べ、通貨政策を制限する2国間協定には否定的な考えでした。
貼り付け元 <http://www.sankei.com/economy/news/170127/ecn1701270047-n1.html>
なお、麻生財務相は為替介入は非常時のみにしかやらないと表明しています。
麻生氏は、為替介入について「政府が介入するのはよほどのことがない限り差し控えないといけない」と述べ、非常時に限った対応との認識を示した。米大統領選で当選したトランプ候補はドル高を懸念している。
貼り付け元 <http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H0P_Q6A111C1EAF000/>