本院は、衆議院議長大島理森君を信任せず。
右決議する。
理 由
農林水産大臣山本有二君は十月十八日、議院運営委員長佐藤勉君の政治資金パーティーにおいて、「(TPP協定を)強行採決するかどうかは、この佐藤勉さんが決めるんであろう。ですから、私は今日馳せ参じたわけでございます」という、国権の最高機関である国会をあたかも内閣の下請け機関と見なすかのごとき発言を行った。
これに対し、佐藤議院運営委員長は、最終的にはTPP特別委員会における強行採決を容認、本会議上程を認めたばかりか、その後も厚生労働委員会、さらには内閣委員会での強行採決も容認し、国民の大多数が反対する年金カット法案やいわゆるIR法案(カジノ法案)の本会議上程を強行した。
議長大島理森君は、こうした強権的な国会運営を正し、円満な国会運営が行われるよう指導すべき立場にありながら、現実には安倍政権の強権的な国会運営に積極的に手を貸しており、議長としてまったく不適格であると言わざるを得ない。
以上が本決議案を提出する理由である。
この議長不信任決議案は会期末となった12月14日に民進党の泉健太議員らによって提出されました。
提案理由は山本有二農林水産大臣の発言であって、佐藤勉議運委員長及び大島理森議長の責任ではありません。TPP、年金、カジノについての採決日程を決定したのは佐藤委員長でありますが、TPPはトランプ次期大統領の誕生によってもはや無力化しており、年金については民進党・共産党・自由党・社民党はそれに代わる案もないどころか、年金を物価・賃金にスライドさせる方式は現・民進党、現・自由党の議員らによる提案から始まっています。カジノ法案については内閣委員長解任決議案に加え、議長の不信任も必要であると考えます。
カジノ法案の審議にあたっては守られるべき約束を守らずに議事進行がなされたことについて、議長は内閣に対して約束した閣僚を呼び、円満な解決のための努力をすべきだったのではないでしょうか。今回の国会の運営に対して衆議院議長が何らかの手立てを打ったという形跡が全くありません。
したがって議長不信任案について賛成します。
なお、この不信任案についても内閣委員長と議運委員長解任決議と同様、審議・採決ないまま閉会しました。