第190国会●衆議院提出第20号
成年後見制度の利用の促進に関する法律案
【提出者】内閣委員長 西村康稔(自由民主党)
本案は、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理又は日常生活等に支障がある者を社会全体で支え合うことが、高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資すること及び成年後見制度がこれらの者を支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていないことに鑑み、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、成年後見制度の利用の促進について、その基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進委員会を設置する等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。
一 成年後見制度の利用の促進に関する基本理念として、成年後見制度の理念の尊重、地域の需要に対応した成年後見制度の利用の促進及び成年後見制度の利用に関する体制の整備について定めること。
二 成年後見制度の利用の促進について、国及び地方公共団体の責務を規定すること。
三 政府は、四の基本方針に基づく施策を実施するため必要な措置を速やかに講じなければならないこと。この場合において、成年被後見人等の権利の制限に係る関係法律の改正等については、この法律の施行後3年以内を目途として講ずるものとすること。
四 成年後見制度の利用の促進に関する施策は、成年後見制度の利用者の権利利益の保護に関する国際的動向を踏まえるとともに、高齢者、障害者等の福祉に関する施策との有機的な連携を図りつつ、成年後見制度のうち保佐及び補助の制度の利用を促進する方策の検討、地域住民の需要に応じた利用の促進、関係機関等における体制の充実強化等の基本方針に基づき、推進されるものとすること。
五 政府は、成年後見制度の利用の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、成年後見制度の利用の促進に関する基本的な計画を定めなければならないこと。
(参議院回付修正要旨)
内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律の施行に伴い必要となる規定の整理を行うこと。
▼反対
障害者権利条約に照らし合わせて成年後見制度は廃止すべきであるから。民法第7条から第14条までの廃止を求め、補助人制度のみを残すことを提起します。
新法の成年後見制度の利用促進法案と、後見人の権限を拡大する民法改正案などが、衆議院内閣委員会による議員立法で提出されました。自民党総務会と公明党ですでに了承されたものです。
新法には、研修を受けた市民後見人の育成と活用を図ることで「人材を十分に確保する」と明記。政府に必要な法整備や財政上の手当てを速やかに講じるよう義務づけ、自治体には地域の特性に応じた施策づくりと実施を求める。弁護士など法律の専門家だけでなく、人材の裾野を広げる。
首相をトップにした利用促進会議を内閣府に新設し、目標や国民への周知策を含む基本計画をつくり、実行することも定めました。
23日に衆議院内閣委員会を通過し、本日午後の衆議院本会議で自民・民主・公明の賛成多数で可決されています。参議院においては相原久美子内閣委員がこの法案に対して懐疑の念を抱きつつも賛成しています。
この法案は3月24日に衆議院で賛成多数により可決された後、4月6日に参議院で修正され、衆議院では4月8日に修正案を同意しています。
【賛成した会派】
自由民主党
民主・維新・無所属クラブ
公明党
おおさか維新の会
改革結集の会
生活の党と山本太郎となかまたち
【反対した会派】
日本共産党
社会民主党・市民連合