189-閣69 労働基準法の一部を改正する法律案 その2 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

世の中に必要なものは必要になります。
例え、今は笑われてもです。
限界が来るものについては、捨てなければ生きていけないからです。

●第189国会 内閣提出法案第69号 労働基準法の一部を改正する法律案
【内閣提出責任者】塩崎恭久厚生労働大臣
▼条件つき賛成
長時間労働の是正のため。

現在政府から提出されている労基法改正案で長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等として以下のものがあります。

(1) 中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し
• 月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止する。(3年後実施)

(2) 著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設
• 時間外労働に係る助言指導に当たり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」旨を明確にする。

(3) 一定日数の年次有給休暇の確実な取得
• 使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこと
とする(労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はない)。

(4)企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進(※労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の改正)
• 企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組を促進するため、企業全体を通じて一の労働時間等設定改善企業委員
会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に代えることができることとする。

(2)の労働者の健康確保についての助言、(3)の有給休暇の半分消化義務、(4)の労働時間設定改善について問題はないものの、(1)で中小企業が労働者に支払う割増の残業手当について問題があります。

次に、この労基法改正案の中での多様で柔軟な働き方の実現について。

(1) フレックスタイム制の見直し
• フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長する。


(2) 企画業務型裁量労働制の見直し
• 企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」を追加するとともに、対象者の健康確保措置の充実や手続の簡素化等の見直しを行う。


(3) 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

• 職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。

• また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととする。(※労働安全衛生法の改正)


以上についてはとくに問題がないと思いますが、労働者の賃金から先に考えると、中小企業の経営がヘバってしまうことがあるわけです。大企業なら巨大な内部留保を抱えているからいいものの、中小零細企業については賃金について国でいろいろと強制してしまうと会社が成り立たなくなる。


よって、ここで中小企業の立場から残業制度等を見直す必要があり、独自案を提案します。

●大坂佳巨提出法案第10号
中小企業者等に対する時間外労働賃金助成を図るための臨時措置に関する法律

おおかたの中小企業は残業手当をそれほど支払うこととなると干上がってしまう企業が出てくることから、これについて助成金制度を設けることを提案します。

この残業手当助成金については、雇用調整助成金の施策として、減価する通貨を組み込みます。

まず、次の要件のいずれも満たすことが必要とします。

(1)雇用保険の適用事業主であること。

(2)売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。

(3)雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。

雇用調整助成金として国から都道府県に支出する金額は、それぞれの都道府県に応じたものとし、都道府県はその資金を担保に減価する通貨を発行するものとします。都道府県から減価する通貨として支給された中小企業は、残業手当として労働者に支給し、都道府県に限定された通貨として各都道府県内で流通させるものとします。