連れの男性が歌うのを聞きながら、バーボンを片手にそこで働くある女性が、気になっておりました。
その女性の人への気配りに目を見張ったのです。
その女性の人への気配りに目を見張ったのです。
お客さんに対しては、もちろんのこと店のママに対しても、店で働く他の女性に対しても、ほぼ同様の対応なのです。
対応というより、自然な振る舞いに近いと思います。
営業上でない何かを感じたものです。
対応というより、自然な振る舞いに近いと思います。
営業上でない何かを感じたものです。
「無理してないかい?」
「全然、いつもだから」と明るく言います。
どうやら、起きている間中、人への気遣いばかりしているのではなかろうかと思える彼女です。
「全然、いつもだから」と明るく言います。
どうやら、起きている間中、人への気遣いばかりしているのではなかろうかと思える彼女です。
昼間も責任ある立場で働き、夜はお店で、睡眠は3時間。
子供三人で、うち一人は実の姉が、置いていった子供だそうです。
ご主人とはすでに離婚し、ひどいDV(ドメスティック・バイオレンス=夫や恋人など親密な関係にある、又はあった男性から女性に対して振るわれる暴力・女性から男性の場合もあります)が原因だったと。
子供三人で、うち一人は実の姉が、置いていった子供だそうです。
ご主人とはすでに離婚し、ひどいDV(ドメスティック・バイオレンス=夫や恋人など親密な関係にある、又はあった男性から女性に対して振るわれる暴力・女性から男性の場合もあります)が原因だったと。
「帰宅して、すぐ眠れているか?」と聞くと、
「眠れない日もあるけどね」と。
「眠れない日もあるけどね」と。
連れの男性が、トイレに立った時に、
「思い詰めたりしていないかい?」と聞くと、廻りに見えないように左腕をめくって見せてくれました。
「思い詰めたりしていないかい?」と聞くと、廻りに見えないように左腕をめくって見せてくれました。
生々しく、いく筋も直線が走ったリストカットの傷
「これで助かってる」と。
「これで助かってる」と。
「もう、少し自分を自由にさせて上げたらどう?自分でもそうと思っているのかも知れないけど、どっかで頑張り過ぎているんだよ」
「たまにね。どうしようもなくなる時があってね。これしたら少し落ち着くの」
「たまにね。どうしようもなくなる時があってね。これしたら少し落ち着くの」
「でも、リスカやっちゃ駄目だよ。大事な子供がいるんだろ。残された子供たちのことを考えないと」
「そこまではやらないの。カッターで傷を付けて、自分の赤い血を見て…」
「そこまではやらないの。カッターで傷を付けて、自分の赤い血を見て…」
そこまで言って、彼女は連れの男性が、戻ったので話を変えてしまいました。
生きるための儀式であり、心の叫びなのかも知れません。
リスカする人は、彼女のように人への気配りばかりで、優しい人が多いです。
リスカする人は、彼女のように人への気配りばかりで、優しい人が多いです。
そういう人だから、気にしないのだろうと考えるのか、冗談なのでしょうが、ひどい言葉を投げつける人もいます。この彼女も何を言われても笑っています。
そういう考えで人と接する人間ほど下品で嫌らしく図太い人なのです。
リスカする人は、実は純粋で心根の優しい人が多いのです。
でも、やはり自らの身体に傷を付けるのを見るのはツライです。
でも、やはり自らの身体に傷を付けるのを見るのはツライです。
生きるための儀式を他に見つけてもらいたいと思うものです。
「リスカしちゃ、駄目だよ」と帰り際に、小声で言うと
「うん。わかった」と明るく答えた彼女でした。
「うん。わかった」と明るく答えた彼女でした。
でも、また…。
いつもより、ほろ苦いバーボンとなりました。
やっぱり心配です。
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