読書感想文★これ 読んでみて | 子育ては「聞く」が9割でうまくいく~心理学ブログ

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3つの「聞く」技術があれば、子育てのムダ叱りも イライラも ストレスも 減ります!
小学校教員 9年間の経験を生かした、子育ても 生きるのも 楽になるヒントが詰まっています。

夏休みの宿題、感想文や作文が出ますね。

文を書くのが苦手なタイプの子は、大変でしょう。

でもね、本当は 感想文は 技術じゃないんです。

心を打つかどうか。

昨年度の「青少年読書感想文全国コンクール」の 低学年の部の 受賞作品を転載します。
「おこだでませんように」を読んで 2年 大平 拓真

「おこだでま※せんように」

 学校で先生が読んでくれたとき、たくまとおんなじやと、思った。

ぼくもいつもみんなにおこられる。石をけとばしながら学校から帰る。

妹がないたら、いつもぼくのほうがじゅんや兄ちゃんにおこられる。

お母さんにもお父さんにも、ぼくはおこられる。

「だってなあ。」

とせつめいしたら、もっとおこられる。おこられたら、ものすごくかなしい。

なんでたくまの言うこと聞いてくれんのやろと、かってになみだが出てくるときもある。

だから、さい後にたなばたさまがねがいをかなえてくれて、先生もお母さんもやさしくなったとき、やったあ、と、ぼくもいっしょにうれしかった。

知らないあいだに、本に出てくる「ぼく」の気もちになっていた。

この本がすきになったから、かってもらって、お母さんに音読してあげた。

本に出てくる「ぼく」の気もちになって、一生けんめい読んであげた。そしたら、

「たくま、なんでママに読んでくれたん。」

と、お母さんがないたから、びっくりした。上手に読めたなあと、ほめてくれると思ったのに。

それから、

「ママもたくまのことおこってばっかりやったなあ。ごめんな。」

と言って、だっこしてくれた。

本とおんなじやなあと思っていたら、妹がやってきて、いっしょにだっこしてもらった。

ますます本とおんなじやあと、思わずわらってしまった。本とおんなじ しわあせな気もちだった。

おこられんってうれしいなあ。やさしいお母さんっていいなあ。

たなばたさまのおれいでなくても、ぼくも「もっともっとええ子」になろう。

ないてやさしいお母さんより、わらってやさしいお母さんはもっとええもん。

「たなばたさま、ぼくはおこられんような、いい子になれるようにがんばります。」

ぼくはひらがな、ちゃんとかけるよ。

※「ま」は作文原文では鏡文字になっています。

私、この文を読んだら 涙が止まらなくなってしまって、泣いてしまいました。

そうだよね、怒られないって うれしいよね。やさしいお母さんって いいよね。

なんて素直な言葉なんだろうと。

2年生の子の作文で、こんなに 幸せな気持ちになれるなんて 文の力はすごいなあ。


技術的なことを 強いて言えば、

・体験を伴った 感想であること

・心の動きがよくわかること

・3部構成になっていること

(よく起承転結といわれるけれど、私は3部構成でいいと思います)

・一文が短いため、読みやすく リズムがあること。

かなあ。

特に、体験。 本を読んで「~と思いました」だけでは ダメなんですね。

生活の何に影響を与えたのかが わからないと。


あ、でもですね。

賞をとろうと思わなければ、ただ 本を読む、感想文を書くことに 意義があると思います。

触覚系のお子さんをお持ちの方は、ぜひ 感想を聞き取って メモしてあげてくださいね。

多分、そうしないと 書けないです…汗(特に低学年は)。

書いてあげちゃったら それは 余計なお世話だけど、感想文の書き方を 教えてあげるのも いい学びかもしれませんね。

おこだでませんように/くすのき しげのり

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