児童相談所への誤解★虐待 | 子育ては「聞く」が9割でうまくいく~心理学ブログ

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先日、虐待について いくつかの記事を書きました。

読者の方から、また ちがった視点でメールをいただきましたので、ご紹介しますね。
こんばんは。

先日、大阪で幼児の遺体が発見されるという心苦しい事件がありましたね。

その報道を見て、夫が言った言葉が 私のアンテナに強く反応したので、メールを送ることにしました。

児童相談所職員を夫に持つ妻の立場で思うことです。


私の夫は、児童相談所でケースワーカーをしています。

その夫が、先日大阪で起きた幼児の遺体発見の記事を新聞でみて、言ったことがあります。


「このお母さんが、児童相談所に電話してくれいたら、この子たちを救えたのに・・・」


私は、はっとしました。

私を含め、多くの人が児童相談所に対し、強い思いこみを持っているのではないかと気づいたからです。

少なくとも、「思い悩んだお母さんが電話をしてくれたら・・・」なんて視点はありませんでした。


この事件を起こした若いお母さんは、子どもを育てるのがイヤになり、 子どもを置いて出て行ったと新聞に書かれていました。

この時、このお母さんが、児童相談所に電話して

「もう子どもを育てられません。」と言っていたら、

子どもを一時的に児童相談所が預かったり、お母さんの話を聞いたり、

必要なサポートを受けられるよう、様々な制度を紹介することができたのです。


でも、しなかった。

なぜか?


児童相談所 = 子育てに関して厳しく指導するところ 

           虐待を受けた子どもを保護するところ



そんなイメージありませんか?

少なくともあまりいいイメージはないように思います。

事件を起こした母親も、

「話を聞いてくれるわけがない。」「説教されるに決まってる。」

そんな思いこみがあったかもしれません。


報道を見ていると、児童相談所のあり方を問う内容ばかり・・・。

これを聞いた人達は、何を思うのでしょう。

決していいイメージはもたないでしょうね。


あなたは、児童相談所がどんな機関なのか説明できますか?

テレビからの情報だけで、勝手なイメージを作っていませんか?


実際に、児童相談所が何をしているかと言えば、

虐待をするほど追い込まれている親の悩み、不満を聞いているのです。



夫は、先日面接にきた父親に

「おまえに何がわかる。」「俺は子どものためにやってるんだ。」と6時間怒鳴られ続けたそうです。


6時間ですよ。6時間。

私なら、10分でも無理です。

イヤ、1分でも、一言でも心が折れる。

それを6時間、オウム返しをしながら、丁寧に丁寧に聞くのだそうです。


夫は言いました。

「とにかく、聞くしかないんだ。

『ああ、この人は話を聞いてくれる。』と感じた時、

 始めてこちらの話に耳を傾けてくれるんだよ。」



何時間も話を聞いた後に、冷静に自分の行動を振り返ってもらい、

どうしたら行動を変えていけるのか話し合うのだそうです。


それが、児童相談所の面接といわれている仕事の実態です。


恥ずかしながら私は、警察の取り調べのようなことを長年イメージしていました。

上の立場から、「なんでこんなことをしたんだ。」って怒っているのかと思っていました。

そんな誤解をしている人は、きっと私だけじゃないと思うのです。


児童相談所という場所を誤解している。

だから、児童相談所が動こうとすると、 まず誤解を解くところから始めければならないのです。


児童相談所は親子関係を修復する支援をするための機関です。


今日もうちの夫は、子育てに悩む親の話を聞いています。

私は、児童相談所は「通報するところ」だと 思っていました。

また、仮に 子どもを預ける相談に行ったとしても 「説教されそう…」という イメージがあります。

メールをいただいて わかりました。

児童相談所は、追い込まれている親の悩み、不満を聞いている機関なんですね。


私も 学校現場にいたとき、「聞くしかないんだな」と感じることが たくさんありました。

(でも、当時は ”聞き方”を 知らなかったので、空回りだったんです…汗

 ただの”聞いたつもり”という自己満足でした。)

児童相談所の方は、相手の耳と心を開かせるまで、丁寧に 対応されるんですね。

使命感がなければ できないことだなあと思います。

もっと 知ってもらいたいですね、児童相談所が 何をしているのかを!


記事を通して ぜひ みなさんにお伝えしたいな、と思ったので ご本人の了解を得て 転載させていただきました。

Mさん、ありがとうございました。