12月13日にダイヤモンド社主催のDMNオープンセミナー
『プロジェクトの目標を遂げるためのメソッド「ストーリー・ウィーヴィング・メソッド(SwM)」』に行ってきました。


コンセプトのプロトタイピング=ストーリーを編むことの実例として、
LED照明の「overture オバーチュア」プロジェクトが紹介されました。
プロトタイプとコンセプトに試行錯誤しながら形作っていった様子が語られています。


(その1へ→)http://ameblo.jp/hc-design/entry-11111311237.html



■ミラノサローネ出品の例(つくることと、ものがたりの相互作用の例)

東芝のLED照明を使った「overture 」プロジェクト

(ニュースリリース)

http://www.toshiba.co.jp/about/press/2009_02/pr_j1201.htm


LEDを使って、何かインタラクティブなものができないか、が制約条件だった。
そこで、LEDの特徴(薄さや軽さ)を最大限に活かしたものを発想(⇒もの側の視点)したが受け入れられなかった。


話が進むなかで、新たな要求(制約)が出てくる。
 白熱電球をモチーフにしてつくりたい(⇒ものがたり視点)


タクラム側として、LEDを使わなければならないのに、

なぜ白熱球のシルエットが必要なのか悩む。
悩みながらも、まずは回路基板を組んで作ってみた。


そして様々な方とディスカッションを重ねるなかで、
東芝は白熱灯への形状や存在感が重要という訳ではなく、
シンボルとしての、東芝のDNAとしての電球を求めていることがわかってきた。


つまり、「文化の象徴としての明かり


では、明かりの文化とは。(⇒ものがたり)
オレンジ色=あたたかみ、丸み=ふくよか、家庭にある=生活を照らす。
白熱球に込めるイメージの一端


そこで、
あたたかみ⇒インタラクションは「触れる」のがいいのではと考える。
触れると光る、原始的なモックアップを作成。


触れて電球のON/OFFだけだけではなく、脈動という「ものがたり」をプラス。
つまり、LEDの胎動。新しい光の形を形成する前、という表現


いま、脈を打ち始めた、まだ見ぬLED時代の「明りの文化」
⇒脈動のインタラクション。電球の中の水は、羊水をイメージ。


作るだけでなく、語るだけではなく、相互作用しながらお互いを高め合う

ことがポイント。
最初は関係者でディスカッションをして、コンセプトをまとめてから一気に作ろう

と考えていたが、うまくいかなかった。
それは、東芝もタクラムも、どんなものが良いかよく見えていない状態だったから。
モノを見ないと最終判断が難しい状況だった。


そこで、考えながら手を動かすことにした。

そして、何をコンセプトとして伝えていったらよいかが見えてきた。


→お互いにイメージが漠然としていてコンセプトがまとめられなかったため、結果として自分の土俵である  プロトタイピングに持ち込んだのが成功した感じですね。

このコンセプトづくりの試行錯誤が、コンセプトのプロトタイピング=ストーリー・ウィーヴィングに昇華した感じです。


以上

(その3へ→)http://ameblo.jp/hc-design/entry-11118106694.html