12月13日にダイヤモンド社主催のDMNオープンセミナー
『プロジェクトの目標を遂げるためのメソッド「ストーリー・ウィーヴィング・メソッド(SwM)」』に行ってきました。


2年ほど前から注目していたタクラム・デザイン・エンジニアリングさんの講演にやっと参加する機会に恵まれました。

このセミナーは、ダイヤモンド社が主催で2012年2月から開催されるワークショップのPR講演です。


セミナーの宣伝文は以下を見ていただければと思いますが、
http://www.dmn-online.net/dmnswm2011ps.html

ポイントとして、プロジェクトのマネジメントに、
デザインと設計が一緒になったプロトタイピングに加えて、

コンセプト段階も関係者で協業していくこと
それを「ストーリー・ウィーヴィング
」(Storyweaving=ものがたりを編む)として
体系化していることです。


プロトタイピングを重視する流れは、スタンフォード白熱教室など西海岸からの

情報で感じていましたが、それにコンセプトもモノのプロトタイピングと同期して

いこうという試みに刺激を受けたので、みなさんと情報を共有したいと思います。



■実績紹介


まず、田川氏からtakram design engineering(タクラム・デザイン・エンジニアリング)の実績紹介がありました。


iPadを使った無印良品のサイトの事例、
2008年のドコモのプロジェクトである「i-Widget」と「i-concier」
東芝のLED照明で、ミラノサローネ(2009.5)出品作「overture」


といった事例です。
「overture」は、ものづくりとものがたりを最初に実施したプロジェクトだそうです。


プロトタイプ作るときのこだわりとして、三現主義のように、
現場で現実のプロトタイプで実際の人を使ってテストすること。
リアリティへのこだわりが、組織内に推進力を生み出すとおっしゃっていたのが印象的でした。


→企業に勤めていると、商品やサービスが使われている“現場のリアルさ”を忘れてしまいがちですよね。


■ストーリー・ウィーヴィング法の背景


次に話者が交代して渡邉氏が、ストーリー・ウィーヴィング法について、
2月開講のワークショップの内容と絡めながら話していただきました。


渡邉氏は20代後半と若いのですが、ストーリーテラーと言える話しぶりで
会場内を歩き回りながらの講演が印象的でした。


まず始めの問題意識として、設計が終わってしまうと、次のデザインの段階で

内容を巻き戻せないことが歯がゆさがあった。
このウォーターフォール的、つまり段階的で不可逆的なプロセスを変えたいと

思い、タクラムは設計とデザインを同時に、インタラクションを起こしながら進めて

いくプロトタイピングに注力する。
ものづくりの設計とデザインをプロトタイプでぐるぐるまわしていくことで良いものが

できるのではないかということ。


ものづくりはプロトタイピングで見えてきたが、企画やマーケティング、PRにもリーチしたいな。。。と考えていた。
そこで、企画段階やマーケティング段階のプロトタイピングに相当するもの

として、ストーリー・ウィーヴィングを開発した。


→今は企画フェーズのコンセプトのプロトタイピングですが、

下流のマーケティング段階のプロトタイピングもやりつつあるそうです。


■ストーリー・ウィーヴィングとは


「ものづくり」と「ものがたり」の相互作用により、初期コンセプトを練り続けて、

その後もよりよいものに洗練させていく手法。


ストーリーとは、

・コンセプトをより進化させた、文脈を含んだもの。
・プロジェクトを進めていく上での、究極的な拠りどころとなり、哲学となるもの。
・判断に迷った場合の指針を見つけることができる。
・プロジェクトに理由と意義を与える。
・様々な関係者の意思を一つのベクトルに合わせられる。


関係者の視点が当初バラバラでも、ストーリーが強ければ、

皆が自分のことのように語り出すことが特徴。
つまり、ものづくりとものがたりの両輪を動かすことができると。


渡邉さん曰く、

よいストーリーは、それに共感して、全員が語り部になっていくそうです。

→よくできた噂話などもそうですかね(^^)

ストーリーにもいろいろなレベルがあるので、タクラムさんのストーリーを具体的に見たいものです。


また、指揮者にあたるものがストーリーだそうです。

→なるほど、明文化された、コンテキストを含んだ情報は、ストーリーやシナリオといった形で

認識を共有させやすいです。



■「つくりながら語る」「かたりながら造る」


ストーリー・ウィーヴィングには、

「つくりながら語る」と「かたりながら造る」の相互作用が必要だそうです。


「つくりながら語る」
組織内での合意形成の促進。各組織で守りたいものがカベになる。
例えば、横(他部署)のカベ、縦(ヒエラルキー)の壁

企画案は最大公約数に矮小化されてしまう

(他人の意見によって、魅力が丸くさせられる)


よって、民主主義的も(横)、権威主義的も(縦)ダメ。


プロトタイプは、ひとつの触れるものがあることから、同じ次元で

建設的な議論ができる。
プラットフォームになるため、ものづくりの合意形成が進む。


→ペルソナ/シナリオ法のシナリオもプロトタイプと同じ役割ですが、触って動作を確認できる分、プロトタイプは強力ですね。



「かたりながら造る」
コンセプトのだめなところは、
1)変更不可能なマニフェスト
2)後付けのPRストーリー

最初にコンセプトがないため、また売り込むポイントがないので迷走してしまう。


そこで、『コンセプト構築もプロトタイピングしよう!』の考えが出てきた。
ものづくりと相互作用させて、周りの文脈を編みこんでいけないか。
つまり、プロトタイプとストーリーの両方で、関係者で語り合えないかという発想。


今のものづくりは、パッチワーク。
他の人が作ったものの組み合わせで、関連性が見出しづらいと認識。


→組織で分担して作り上げる弊害ですね。自分ゴト化が共有のキーワード

また、コンセプトは、言葉少なく分かりやすい感じはするが、具体的には何を言っているのかわからない。


・ストーリーのポイント
1)文脈を豊富に含んだものづくりの哲学である
2)芯となる思想である幹と、周縁の枝葉から成る
3)モノづくりとの相互作用で作っていく


共有できる幹の部分以外に、参加者各自の思いが投影できる、

ある程度、各自の思いの差分を許容する枝葉が必要。


→枝葉の部分が、具体的に何か知りたいところです。。。


*ご紹介
よりよい学びを実現するためのコツを抽出・記述した学習パターン
ラーニング・パターンとして、慶応大学 井庭 崇 総合政策学部准教授がまとめられています。
そこにも紹介されている「プロトタイピング」と(当然ですが)通じるところがあります。


「プロトタイピング」

⇒ものづくりでも、政策でも、つくってみて初めて「わかる」ことがある。
http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/LearningPattern_No14.html


(その2へ→)http://ameblo.jp/hc-design/entry-11113988536.html


AD

コメント(2)