低温やけど | 林整形外科のブログ

 「低温やけど」は、冷たい温度で生じる火傷のことではなく、体温より高めの温度が長時間皮膚に触れることで起こる火傷のことを指します。電気ごたつ、カイロ、湯たんぽなどが原因になります。赤ちゃんや高齢者に多いのですが、若い人ではお酒を飲んだ後カーペットの上で寝込んでしまい、受傷することがあります。

 「低温やけど」は一見軽く見えますが、意外と皮膚の深い部分まで障害されています。普通の火傷と違って、すぐに水で冷やしても意味がありません。また踵やくるぶしなど、皮下にすぐ骨があるところではとても治りにくく、時には手術が必要になることもあります。

 通常の火傷のことは「高温やけど」とは言いません。火傷が英語ではバーンburnと言いますから、日焼けのことはサンバーンsunburnと言います。Burnには「焼ける、燃える」といった動詞の意味がありますので、これだけで高温による火傷というニュアンスが含まれています。

 ですから「低温やけど」という言い回しは、厳密に考えるとおかしな言葉になります。あえて言うなら「非高温やけど」か「軽高温やけど」でしょうか。しかしやはり日本語の語呂としては、「低温やけど」が言いやすいようです。