妖怪人間ベム | 日日是好日

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それは、いつ生まれたのか誰も知らない。暗い音のない世界で、ひとつの細胞が分かれて増えていき、3つの生き物が生まれた。彼らはもちろん人間ではない。また、動物でもない。だが、その醜い身体の中には正義の血が隠されているのだ。その生き物、それは人間になれなかった、妖怪人間である。



「ジェットストリーム」の城達也氏による名ナレーションが懐かしい「妖怪人間ベム

最後にテレビで観たのは18年程前だったか。地元局の深夜帯に放映されていたのを視聴したのを覚えている。今はキャラクターの「3本指」がまずいらしくテレビでの再放送は適わないらしい。この時代に作られたアニメでは「忍風カムイ外伝」とならんでかなり好きな作品である。


その「妖怪人間ベム」のDVD-BOXが今月24日発売になる。初回放送のオリジナル版が完全ノーカットで出るという。これは買いだな。楽しみに待つとしよう。「妖怪人間ベム」はベム・ベラ・ベロの3体の妖怪が「早く人間になりたい」を合言葉に、人間に害を及ぼす悪霊・悪鬼と闘いながら無国籍情緒と幅のある時代設定の中で旅を続ける物語である。人を助け功徳を積み続ければいつの日か人間になれると信じて・・・


3体は一見家族のような構成だがそうではない。ベムとベラの間に恋愛感情の描写も一切なかったように思う。もとは一つの細胞という設定だしね。ただし彼らの結束力と愛情は実際の家族・親子間のそれに劣る事は無い。ベムの名は「Bug-Eyed Monster」に由来する。初期のサイエンスフィクションでは登場する地球外生物の総称として「Bug-Eyed Monster」が用いられていた。ウルトラマンの第1回に登場する「ベムラー」も由来は同じだろう。下手をしたら「ウルトラマン」自体が「ベムラー」の名を冠されていた可能性もあった。


ベラのラはLady,ベロのロはLow/Littleの意であり、それぞれ女性・子供である事を示唆するものである。物語はベロを中心に展開する事が多いが「ベム」はユル・ブリンナー似のおっさん妖怪のほうである。念のためwところで「妖怪人間ベム」を実写化するなら、配役はベム=ユル・ブリンナー ベラ=五輪真弓 ベロ=俺の通う床屋のあんちゃん で決まりだ。ベムとベラについては異論なかろう。物語の結末は悲しい。彼らがあこがれた人間の本性とは・・・興味のある人は観て下さい。(音声・映像カット・タイトル改ざんされまくりの)現行版ならレンタル屋にあると思う。



NASAの重大発表とやらは結局地球外生物そのものの発見・公表ではなかった。しかし宇宙人は存在するだろうな。人類の前に姿を現す日も近いのかもね。ものには順序がある。いきなり公表したらおじいちゃんとおばあちゃんが腰を抜かしちまうからな。宇宙人はベム・ベラ・ベロのような人間に友好的な奴らであってほしい。