『養生訓』 歯の養生(巻五26) | 春月の『ちょこっと健康術』

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古人の曰、歯の病は胃火ののぼる也。毎日時々、歯をたたく事三十六度すべし。歯かたくなり、虫くはず。歯の病なし。


古人がいうのに、「歯の病いは胃火ののぼるなり」と。毎日、時々歯を三十六回くらいかちかち噛みあわすのがよい。そうすると歯が固定して虫歯にならず、歯の病気にかからない。


『養生訓』の「髪をすく、歯をたたく、手を当てる」 で登場した歯の養生法、今回は具体的に36回と示されています。顔をなでおろすのは27回でした。30回とか40回とかピッタリした数字でないところが面白いですね。古来より、九星気学にみられるように、9を満ちた数字として1へ戻るとする考え方があります。0という概念がなかったからですね。おそらくその影響で、9の倍数になっているのではないでしょうか。


胃火は、食べ過ぎによる食積が長引いたり、脂っこいもの・甘いもの・味の濃いもの・辛いものを食べ過ぎたりして、胃に生じた火熱のことです。胃につながる経絡は、陽明経といって、口にもつながっているため、歯痛、歯茎の腫れ、口臭、口の渇きなどを引き起こします。場合によっては、顔面痛を生じることもあります。胃火による歯と歯茎の症状は、原因が火熱ですから、冷やすことによって軽減することができます。


胃火のほかに、体質的に陽気の強い人が風邪(ふうじゃ)を受けたり、疲労の蓄積・老化・長患いなどで腎精が損傷したりしても、歯と歯茎の病いが起こります。


春月の『ちょこっと健康術』-日日草


モンシロチョウがブルーサルビアに止まっています。日日草と混ざり合って、わかりにくいかもしれませんが、わかりますか?