デベ・ゼネコン編 長谷工(6) -「二重床」は必要最低条件? | はるぶーのマンションヲタクな日々

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マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、
管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。(多いはず)
なのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。

 長谷工といえば直床。野村と組んでいる場合とか、売主側が結構”ものいう”売主であるパターン以外で、長谷工側で仕様をコントロールできるとなればまず直床で作ってくるでしょう。ってんで、長谷工を絡めて取り上げておきます。
 
 住まいサーフィンではおなじみの碓井さんとか、榊さんとかがこれが大嫌いなせいもあるのかなぁ。。。(同じ住まいサーフィンでも櫻井さんは直床でも推奨だしまくりですが)とにかく直床だけはダメ的な意見が、匿名掲示板ではざくざく。文句書いている人は、当然戸境壁はクロス直張りを推奨するわけですが、なんで床だと二重がよくて、壁は二重じゃだめなのかさくっと一言で説明できる人は少ない。意見をいうほうはともかくとして、なんでも受け売りはよろしくないんではないかなぁ....
 
 首都圏は、極端に2重床偏重なんですね。 先に京都にいったときに買った”関西版住宅情報STYLE”にでている物件を、頭からHPでチェックしていくと、直床比率は、ずっと関東より高い。 30cm近いようなボイドスラブを、直床/2重天井と組み合わせたなんて仕様は、なかなか東京あたりではお目にかかれないですが、ちょっと見た範囲でも結構みつけられます。 階高が、3m未満だとかで、どうしても、2重化しなきゃいやだとかいって、天井高を240cmとかに落としてしまうようだったら、上記のようにしたほうがすっきりしているような気も。
 
 ずばり2重床化して、いくらまでのコストアップなら認める(あるいは直床ならいくらやすくなって欲しいと思う)でしょうかってのが今回のテーマ。
 
 いくらなんでも、同じ値段でやれってのは、床の2重化の施工の手間は無視できないので不可能ですね。 箱としての居住空間を体積ベースで全く同じに確保するためには、階高も15-20cmほど上げないといけない。
 碓井さんのマンション指南では、『「価格が多少安くなる」だけでその代償は大きいのです。』と書かれているだけで、それが具体的にどれだけの価格差に繋がっているかは定量的には書かれていません。 本人が業界誌にかかれたのをまとめた本(マンションの常識・非常識)では、ご本人が階高の15-20cmアップによる、建築原価の上昇は3万/坪程度であると書かれています。
 
 また、2重床の余計な施工コストについては、あっちこっちのHPとかを検索して合算するとを合わせて、合計で、坪5-6万といったところが、『全く同じマンションを天井高さなど確保できる空間は同じに保って2重床化することによるコストアップ』だと考えるのが妥当なとこではないでしょうか。
 
 当然マンションの背の高さは二重床のほうが高くなります。うちのお隣に、長谷工の直床でマンションが建つけど、11階まででだんだんに高さの関係がずれていって、下でほぼ同じ高さでお見合いになる窓が上のほうではほとんど階の高さの半分ずれているからなぁ。。。
 
 私自身の、マンション坪単価”下限”の計算式の回にあるとおり、
 http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11289588698.html
これは出来上がりでは、約10万/坪弱程度の価格上昇ということになります。
 
 物件のコストパフォーマンス評価を行おうというときに、私は、基本的にコストアップで考えていますので、2重床のものと直床のものを比較するときには、約10万/坪の補正をしています。また、快適な居住空間の確保のための階高10cmのアップには同じく 5万/坪程度の価値をみたいと考えます。
 
 長谷工みたいに、さらに壁も2重化されている場合は、別途、壁芯で測られる専有面積に、壁2重化に伴う部屋面積の損失(実効的なスパンが、中住戸では両側から減ってくるもの)として、マンション全体の坪単価×1-2% を補正する(家が狭くなっている分の補正は、坪単価比例計算で必要)ってんで、郊外によくある、150万/坪前後のマンションで 2-3万/坪程度価値を割り引くという補正が妥当かなと思ってます。
 
 壁が二重になるのは、直床が重量衝撃音対策では勝るといわれているのとは逆に(これも結構異論があるみたいだけど)、遮音上のメリットは全くないですから、長谷工もそろそろ二重壁だけはやめたほうがよいのではないか。。。GL工法と勘違いしている人もいて長谷工のはそこまでひどくないけど、逆に壁を二重にするために浮かせる幅が結構大きいから、適当な間隙の確保のために中住戸だと両側併せてスパンを10cmは損するわけで、壁をふかしているとこも専有部面積であり、居室面積に参入されることを考えれば殆どなにもいいことはない。
(戸境に面する壁にコンセントを確保できたり、プラスラーボードだからビスうちできますってのはまぁメリットとはいえなくはないけど・あと付けで無理やりな理屈って感じ) 

 よく、直床だと、15階建てが立つところに、2重床だと14階建てしか入らないから、マンションの値段は、15/14倍になるのが妥当という理屈を掲示板などで見かけるのですが、これは間違い。斜線規制などが厳しいという場合のほかは、200/300/400%とかのその土地で使える容積率は完全消化してその殆どを専有部面積に化けさせるいるパターン(高い有効率)が実に多いですからこの計算方式は妥当ではない。
 
 150万/坪程度では、この間違った考え方をしても、価格上昇は同じになりますけれども、私の主張したいのは、地価が高い・安い地区であるかによらずに、できあがりではいつでも10万/坪ほどのコストアップでしょうという点がポイントです。 150万/坪のマンションが10万高くなるのと、400万/坪のマンションが10万高くなる意味合いはかなり違うと思う。
 
 長くなったのでその(7) に続きます。

 
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