実際にそれだけのコスト受容性が、個々の購入検討者にあるかどうかは別に考えるべきでしょう。
75㎡ 23坪のマンションが、200万とか高くなっても、どうしても2重化しろっていうかと思うと、これは少なくとも私の今住んでいるあたりでは NO! って人のほうが多いと思うんですよね。 実際に近所のほぼ全てのマンションが(大規模な再開発地区で長谷工が土地落札しての特命受注中心というせいもあるけど)直床で施工されています。
キャッシュで買える人はなかなかいないでしょうから、この価格上昇分だけより多くのローン負担を背負わないといけないわけですが、200万強をローンで払うには、長期にくめばざっくり総額で300万弱支払い額がアップ。 毎月のローンが 1万円弱ほど高くなります。 まぁ... パパが禁煙して、毎日タバコ一箱節約すればいいレベルかもしれないけれども、もともと吸ってないかもしれないですし。
月1万なら当然二重化してねってのは、かなーりマンションヲタクな人以外には必須のものとしての需要がないのではないかなとも思える。
#私はオタクだからというよりは直床に使用されるふわふわのフローリングが、うちには極端に本が多くって、重たい本棚を置くと塑性変形を起こして凹んでしまうことがあるってんで、苦手なのですが、これももともとが賃貸で安いレベルのものだからで、最近の分譲マンションでは、あんまり問題にならないのかもしれない。 実際あまり凹んだぁって書き込みみないですし。
あとは、バルコニー側の掃き出しになっているサッシが、しばしば直床の場合にはサッシの取り付け部分が隠れる形では確保できないので”またぎ”になっていてよっこらしょと段差を超えて外にでる形になるのが、室内からみるとサッシが宙に浮かんでいるようで好きにはなれない。まぁ。。。細かいこだわりで、そのために何百万かの価値があるとも認定はできないかな。
郊外の戸建ては実効容積率100%程度で建てられている一方でマンションはまぁ少なくても200%はとれているのが普通。土地が有効活用できることを利用して、多くの人で土地をわけあって坪単価を下げているのがマンション。コンクリ製で基礎もしっかり、建物はもともとマンションのほうが高くかかるので、段々に地価が無視できるように安くなってくる地区では、同じ床面積を確保するのにマンションのほうが高くなってしまうという逆転現象が起こり始めます。坪200万程度で原価に占める割合は、土地~建物ですけど、それを下回る首都圏郊外立地だと、路線価で、13-15万あたりが、マンションと戸建ての競合地区ってことになるんではないだろうか。
(土地がもっと安くなると、殆どマンションってのが存在しない県も存在しますしね)
坪150万下の地区ともなれば、マンションのMRでたところには、戸建てのパワービルダーのセールスマンがしばしば待ち構えていて、こっちは駐車場代ただだし、ちょっとだけ駅からは遠くなるけど数百万価格上の物件に手が届きまっせずっと前に入居可能なのを見ていきませんってなもんで売りこみにきている。
(まぁ実際頻繁に勧誘されたことが何度もある)
そんな地区のマンションを明確なメリットなしにほいっと200万オーバー値上げしたら、価格競争力を急激に失うであろうことは容易に想像できる。
碓井氏の直床批判は、このような経済原理をも考慮したうえで、意匠設計者としての経験から、二重床はいいんだけど、『**万高くなるからね』の語りがないのはいかにも片手落ちな印象が否めない。
マンションそのものの絶対的な良し悪しは当然あるだろうけど、購入者側からみたら、”価格の割には”いいかな? ってCP(コストパフォーマンス)は購入に踏み切る最重要ポイントなので、予算ありきで探せば、直床の85㎡は、2重床化したら80㎡になってしまうからねとか、広さの違う選択として並立しない限りフェアーだとは私には思えない。
ということで、私の考えは:
[1] 床の二重化が必須であるかどうかは、坪単価によって異なる
* 150万/坪級のマンションでは、直床基本でも構わない。
* 200万/坪級では、できれば二重床化して欲しいけれども、価格競争力維持のためには直床採用もやむを得ない場合も認める。但し直床を採用するからにはちゃんとその分安くなっていないと!!
* それより上とくに300万/坪オーバーのマンションの企画においては、まぁ2重床を必須としてよい。
[2] デベロッパー/ゼネコンには、ターゲットとする坪単価に応じて、臨機応変に仕様変更できることが望まれる。
どこでも同一仕様というのはよろしくない
ーーーとくに、長谷工さんには坪250クラスから上では一考していただきたいかな。
少なくとも、そのクラスを買う人は、”平均よりはちょっといいもの”を買うんだって満足感も値段のうちだと思うので。
碓井さんのコラム『マンション指南』は住まいサーフィン上で全部読んでいるけど、あの通りに従って、どれかあたっていなかったら、はい三流ね! って購入検討物件から切っていって、買えるマンションが残っているのって、都心6区か、城南か城西地区の1種低層住専のマンションくらいしかない気がする。 首都圏の新築に対する割合は多くて 20% がいいところでしょう。80%の人にはあんまり参考にならない。まして首都圏以外の人には全く参考にはならないじゃないかなぁと。
#まぁヲタクでなければ、マンションの良し悪しに関する本なんか読まないかもしれないけれども...
皆さんは、”マンションが2重床である”ことにどれだけの金銭的価値を認めるのでしょうか? よければ是非コメント欄にでも。
かなり長くなったな... 一応直床/二重床編はおしまい。
よかったら、ぽちってください。別にやばいことは何もおこらなくって
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