今晩は。ツナ★です。
昨日帰りにかなり降った雪が、今朝は至るところの道路に積もり、交通渋滞を起こさせました。
朝はちょっと暖かくなって、日差しも見えましたが、午後からはまた寒くなりました。
暑いのも辛いですが、寒いのも応えますね。
今日も休みだったのですが、午後6時より印刷の仕事が入り、みっちり仕事しました。
ただ、電車のシートに座ると、かなり暖かいので、つい寝てしまうので、乗り過ごしにかなり気を遣うこの頃です。
ちょこっと、ブレイク。
さて、電車に乗っておりますと、なかなか面白い方と遭遇します。
昨日の夜、最終の電車の中、僕は眠気と戦っていました。
青梅線は、ボタンを押さないとドアーが開かないので、乗り過ごす確率がかなり高いので、僕は雪が降っている事もあり、一つ手前で席を立ち、ドアーの前で立って待つ事にしました。
そして、ひとつ前の駅に来た時、自分ではそう思ったのですが、実は駅の少し手前で一時停止していたので、そこは駅では無かったのですが…その後すぐに動いて駅へ到着しました。勿論一つ手前の駅で、自分が降りる駅とは反対方向にホームがあります。
僕は、向かって右側のドアーに立ち、早く動かないかなとボーっと立っていた時です。
扉の横に座っていたおじさん(55歳位)が急に声を掛けて来たのです。
「ほら、あっちドアーのボタンを押すんだよ。」
一瞬、何の事か分からなくなり、もしかしたら間違えたかと思ったのですが、どう考えてもひとつ前の駅なので、そのまま立っていました。すると、
「蒼いボタンだよ。蒼いやつ。押したら開くから。」
とまた、おじさんの声。
振り向くとニッコリと微笑むおじさんの顔。
「早くしないと、出ちゃうよ。」
もう一つ、畳み込まれたので、仕方なく。
「あの、次で降りるのですが。」
と、言うと、一瞬おじさんの顔が、「しまった!」
と言う風に歪みました。
そして、
「本当に申し訳ない。余計な事を言ってしまった。」
と、真顔であやまってくれました。
「まあ、仕方ないよね。僕もちょっと早くたったからね。」
と心の中で、思いながら、次に駅に意識を飛ばそうとした時、またしてもおじさんの声。
「次で降りるの?」
まさか、聞かれるとは思わなかったので、焦ってしまった僕は、つい、
「ええ、寝過ごすから、それを回避する為に前の駅から立っています。」
と、答えてしまいました。
にまっと、おじさんは、笑顔になり、こう言いました。
「そうだよね。寝過ごすよね。」
まだ、話すんだ。
てっきり終わったかと思ったら、まだ会話を続けようとするおじさんに、どう対処していいか分からなくて、僕もまた、
「この前、次の駅まで行ってしまいました。」
と律儀に答えてしまいました。
「もう、良いよね。」
僕は真っすく前を向き、暗闇の中に降る雪を見つめました。
「僕は、その次の駅で降りるんだけど、娘は同じ駅で降りるんだよ。」
まだ、おじさんは話したいみたいで、畳み込みます。
「早く着かないかな?」
と思いながら、「そうですか?」
この何とも言えない、中途半端なやり取りを早く止めたくて、そのままに外を見ていたのに、おじさんはまだ話しかけてきます。
「家がね、次の駅よりその次の駅の方が近いんだよ。でも娘はなぜか次の駅で降りるんだよ。」
「そ、そうですか?」
もういい加減にしてほしい。
この生殺し状態から抜け出したい。
そう思った時、丁度駅に到着しました。
ドアの蒼いボタンを押し、ホームに降り立つ僕に、おじさんは「また。」と声を掛けてくれました。
「ええ。」
おざなりの答えをして、僕はまだ雪が降っているホームに降りました。そして、赤いボタンを押し、まだ名残惜しそうに僕を見るおじさんを電車に残し、走り去りました。
変な緊張感から解放された時、脱力感が襲って来ます。
自分の失敗を精一杯リカバリーしようとするおじさんの努力が、心に染みた雪の夜でした。
何事も一生懸命にやらなければ駄目ですね。