人柱的ブログの管理人ハリネズミが命がけでオススメする「今日は命がけ」の第1回はブラジル映画「シティ・オブ・ゴッド」です。
2003年度ハリネズミ賞最優秀作品賞受賞
サンバカーニバルで有名なリオデジャネイロから少し離れた場所に「神の町(シティ・オブ・ゴッド)」と呼ばれるスラム街がある。そこでは強盗や殺人が横行し、警察でさえ手におえない状態が続いている。ギャングが町を支配し、常に抗争が続いている。そんな最悪の町で成長していく少年達を描いたのが、この「シティ・オブ・ゴッド」なのです。
この映画は真実の物語であり、実際に「神の町」出身のカメラマンが書いたノンフィクション小説を題材にしています。そしてこの映画に出演しているほんどの俳優は、実際に神の町などのスラムに暮らす子供達です。演技に対してまったく素人であった彼らを、1年間訓練して撮影したそうです。そしてそのことがこの映画にさらなる迫力を与えています。この映画がリアルであることを証明するあるエピソードがあります。なんとこの映画に出演した俳優のうちの何人かは、現在逮捕され刑務所で服役中なのです。映画撮影後スラムに戻った彼らを待ち受けていたのは、実際に映画の中で描かれているとおりの「神の町」だったのです。
カメラマンを夢見る少年ブスカベ、ギャングを目指すリトル・ゼ、その親友のベネなどの成長とそれを取り巻く様々な人々の運命を60年代後半、70年代、70年代後半に切り分けながら描いていきます。しかしその内容は凄惨たるものです。ドラッグ、強盗、殺人、子供達が銃を奪い合い殺しあうという衝撃的なストーリーです。容赦も感情もなく子供達は、人を殺します。そして純粋にさらなる力を求めるのです。これが現実だと言わんばかりに。
この「シティ・オブ・ゴッド」の本当に凄いところは、ここまでこのレビューを読んで、あなたが想像した映画とはまったく違うタイプの映画だというところです。
この映画には暗さのかけらもありません。ポップでラテンなノリとスタイリッシュな映像で、残酷な物語を明るく語っていきます。そして残酷な物語と明るい演出という相反する二つの素材の絶妙なミスマッチこそが、「シティ・オブ・ゴッド」を素晴らしい映画にしています。
死すらも身近にありすぎて感じることのできなくなった子供達の物語を明るく描くことで、「神の町」の現状を浮き彫りにしていく・・・。ブラジル人監督のフェルナンド・メイレレスの演出手腕に、惜しみない拍手を送りたいです。
さて、「今日も命がけ」シリーズの第1回をお送りしましたがどうだったでしょうか。自分が本当に好きなものについて書くのは本当に難しいもので、自分が感じた衝撃や魅力をどうやったら文章にして読む人に伝えられのかで、ものすごく悩みます。今回もかなり不安ですが、これを読んで鑑賞していただける方一人でもおられれば幸いです。
タイトル:
シティ・オブ・ゴッド DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組)