師走になると思い出す・・・ | 八芳園スタッフのブログ

八芳園スタッフのブログ

東京白金台の緑あふれる結婚式場 “八芳園” で働くウェディングプランナーの素顔とニュースをお届けします★

寒い寒い日が続いております。

皆さま

お風邪などひかれていませんか。

 

昨年の丁度今頃

出逢ったひとつの物語。

 

そのご披露宴

花嫁の夢は「お父様と歩くこと」

 

お父様は数年前大病をされ

体が自由に動きません。

 

「だから、無理はしないでいいんです。

 一歩でいいので

 父と歩きたいんです。

 父も、頑張るって言ってくれているので。」

 

迎えた当日

お父様は

車椅子でのご列席

お声を出す事も難しく。

でも、そこはご家族!

ご披露宴中もお父様を中心に楽しそうに

談笑していらっしゃいました。

「お父さんが喜んでいる」

「お父さんが感激している」

そんな全てがご家族にはしっかりと伝わっているご様子。

 

お部屋はニュイでした。

再入場時

テラスから新婦さまとお父様が入場予定。

お父様は

ご披露宴前半からじっとテラスを眺めていらっしゃいました。

何か決意を秘めた瞳で、じっと。

 

そして、いよいよ再入場。

音楽と共にテラスのカーテンが開き

新婦さまと車椅子に座ったお父様が。

 

スタッフがゆっくりと

会場の中まで車椅子を進めます。

会場の中へ到着。

そして、お父様

立ち上がりました。

新婦さまの手をとります。

 

立ち上がって頂けただけでも

奇跡のような状態だったのです。

それなのに・・・

そこからお父様

歩かれたのです!

一歩、また一歩、と。

新婦さまとしっかりと手を繋ぎ

会場中央で待つ新郎さまの元へ。

 

ゲスト皆さま総立ちで

スタンディングオーベーションです!

私は、私はもう、何もコメントできませんでした。

 

とても

とても歩けるようなお体の状態では無かったのです。

入場前

ニュイのテラスまで

登っていただくだけで

お兄様とスタッフとみんなで支えて

というより担ぎあげて。

その状態を知っているスタッフ一同は

「一歩、も難しいだろう」

と懸念して

その場合の対処策まで考えていたのです。

 

そのお父様が

一歩二歩どころか

新婦さまの手をとって

確実に歩みを進めているのです。

ゆっくりゆっくり、でも確実に。

 

言葉にならない感動を頂きました。

ゲストもスタッフも

その場にいた誰もが

惜しみない拍手をお父様に贈りました。

 

お父様は当初から

テラスへご案内した際も

決して、「やめておこう」とは仰いませんでした。

その日の為に

必死に歩く練習をされたとも伺っていました。

新婦さまはもちろん

お父様だって歩きたかったんです。

歩いているお姿に「気魄」を感じました。

 

師走になると思いだす・・・

まるでクリスマスプレゼントを頂いたような

そんなご披露宴でした。

 

今年も

たくさんの感動をいただきました。

出逢えた全てのご披露宴に

心から感謝します。

 

    司会:橋本 貴子