森崎書店の日々

八木沢里志 小学館文庫 2010年9月


森崎書店の日々 (小学館文庫)/八木沢 里志
¥500
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貴子は交際して一年の英明から、突然、他の女性と結婚すると告げられ、失意のどん底に陥る。職場恋愛であったために、会社も辞めることに。恋人と仕事を一 遍に失った貴子のところに、本の街・神保町で、古書店を経営する叔父のサトルから電話が入る。飄々とした叔父を苦手としていた貴子だったが、「店に住み込 んで、仕事を手伝って欲しい」という申し出に、自然、足は神保町に向いていた。古書店街を舞台に、一人の女性の成長をユーモラスかつペーソス溢れる筆致で 描く。「第三回ちよだ文学賞」大賞受賞作品。書き下ろし続編小説「桃子さんの帰還」も収録。


映画「森崎書店の日々」 が良かったので原作も読むことに~

「森崎書店の日々」

映画通りの雰囲気。神保町の魅力を感じる物語。優しい感じがする。

叔父のサトル、森崎書店の常連のサブさん、喫茶店<すぼうる>のマスター、ウエイトレスのトモちゃん、スタッフの高野君・・・・・・・・・

傷心の貴子が、叔父の経営する森崎書店で日々をすごし、これらの人々と関わることで、心を癒し、人生に充電できたことが描かれている。やさしい気持ちになる物語だ。



「桃子さんの帰還」

映画では登場しなかったサトルの妻桃子さんのことも書かれていた。

サトルと桃子さんの知り合ったきっかけは?なぜ、突然いなくなり、突然帰ってきたのか。
さっぱりしてちゃきちゃきの桃子さんだけど、彼女の本音を知った時、切なくなった。

貴子のその後も描かれていて、新しい出会いもあり、ほっとできた。
マスターの計らいにはにんまり。

映画ではあまり触れてなかったが、明治から昭和初期の作品の作家の本の内容も少しは紹介されていて、近代文学の作品もいいものだなあと思った。


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