花と流れ星

道尾秀介 幻冬舎 2009年8月

花と流れ星/道尾 秀介
¥1,470
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死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。その助手の凛。凛にほのかな思いをよせる、売れないホラー作家の道尾。三人のもとに、今日も、傷つ いた心を持った人たちがふらりと訪れる。友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。拾った仔猫を殺してしまった少女。自分のせいで孫を亡くした老人…。彼 らには、誰にも打ち明けられない秘密があった。

美貌の助手・凛を伴う怜悧な霊現象探求家・真備と、売れないホラー作家・道尾のコンビが難事件に挑むシリーズ第3弾で初の短編集。「骸の爪」 は読んだものの第一作である「背の眼」は、読もうと思いつつ、まだ読んでない。早く読まなきゃ。

「流れ星の作り方」
凛がバスを待っているとき声をかけてきた少年は、友だちの両親が殺された話をする。犯人はどうやって出て行ったのか・・・・・・・・・・

退院祝いにラジオというのもうなずける。流れ星に願い事、叶うといいな。


「モルグ街の奇術」
真備と飲んでいた道尾は、マジシャンから、霊現象の存在を公言しているのが我慢ならないから、マジックで勝負しないかと持ちかけられる・・・・・

マジックの種を見破れるのか。タイムリミットがきたらほんとうに右手を消されてしまう?さて、運命はいかに!
こわい内容のトリック!

「オディ&デコ」
小学4年生の莉子は殺してしまった猫が幽霊となり自分に取り付いているという・・・・・

小学生でも競争があり、こんな小さいときからライバルを蹴落とそうとする行動を起こすことがあるんだな。
素直に話せば怒らない。本当にそうであってほしい。

「箱の中の隼」
美人・野枝の訪問を受け、道尾は真備のかわりに宗教法人を見学することになり・・・・・・

宗教法人は、どうもうさんくさい。泊まることになった道尾だが、いったい何が起こったのか?
野枝のボールペンの行動の意味が、・・・だったとは!

「花と氷」
薪岡という老人は、孫を死なせてしまったことを後悔していた。子供たちを集めて「お楽しみ会」をしようとするが・・・・

老人の思いが切ない。でも子供たちを巻き込むのはやはりよくないよ。


トリックは相変わらず見事。真備のところに来た人たちの悲哀とともに、真備、凛、道尾の心に秘めた思いも感じられた。
お気に入り度★★★