骸の爪
道尾秀介 幻冬社 2006年3月
瑞祥房に取材に行った道尾秀介は、口を開けて笑う千手観音を観た。・・・・マリー・・・マリーと言う不明瞭な声を聞く。それから、夜中になにかの気配を感じ、仏像たちの動き回る音を聞く。次の日、離れた社に割れた仏像を観る。話を聞いた真備は、道尾と、瑞祥房を訪れる・・・・・・・
シリーズ第2弾なんだね。第一弾を読まずに、この話を読んでしまった。
20年前にいなくなった韮澤という仏師が、どう関わってくるのかと気になって読み進めていった。
道尾が瑞祥房で泊った夜に体験した出来事、これがとてもこわい。仏像は、神聖なものだけれど、これだけ多くの仏像の中にいるというのはそれだけで、圧迫感があり、せまってきそうだ。ホラー話かと思いきや、これが、ちゃんと筋道を立てた説明があり、ミステリーとして、すべて、筋道が通っている。
血を流す仏像、このわけも、ちゃんとした説明があり、なるほどと感心してしまった。
すごい作家さんだなあ。
お気に入り度★★★