モダンタイムス

伊坂幸太郎 講談社 2008年10月


モダンタイムス (Morning NOVELS)/伊坂 幸太郎
¥1,785
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渡辺拓海は、自分のマンションに帰ると知らない男がいて、椅子に縛られる・・・・・
渡辺と大石は、加藤課長より、今のプロジェクトを抜けて、別のチームの助っ人を頼まれる。先輩の五反田が逃げ出したという仕事だった。簡単な仕事のはずが、依頼主のゴッシュには連絡が取れず、五反田は失踪、大石は、ある事件の犯人にされてしまう・・・・・・・・・



魔王 の続編。50年後という設定だ。魔王は消化不良だった私だが、この作品で、犬養や潤也や詩織のその後がわかりよかった。

ゴッシュとはどんな仕事をしているのか?、ネット検索により、奇妙な事件に巻き込まれるのはなぜか?播磨崎中学校で、昔どんな事件が起きたのか?といろんな謎をはらんで物語りは進む。

「実家に忘れてきました。何を?勇気を」最初のこの言葉から、伊坂テイストを感じた。

ほかにも、登場人物たちが、いろんな言葉を残している。

「見て見ぬふりも勇気だ。」

「人間は大きな目的のために生きているんじゃない。もっと小さな目的のために生きている。」

私にとって一番心に残ったのが、「人生は要約できない。」
毎日毎日のなんでもない日常の積み重ねなんだと改めて思った。



大筋とはずれるけれど、電車の中で、話は気にならないのに、携帯電話は気になる理由とか。占いも、そのように行動するから当たるとか。納得しながらの読書。

出来事は見方にとって、違ったものに見える。拷問場面は、こわかったけれど、伊坂ワールドを堪能した。


わからないことがあると、ネットで検索する。これが当たり前の時代になったが、検索したことから、身の危険が迫ってくるというのはこわい。気軽に利用できないよう~。

それにしても、拓海の奥さん、佳代子って、おそろしい!その手の人を雇って、夫の浮気を白状させるのだから。いったいなにもの?どんな仕事をしているのだろう?でも夫を愛していることだけは確か!?



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