●ジャーサラダは安全?メリットとデメリットを考える | 食べながらやせるダイエット&摂食障害サポート 体内活性ごはんで内臓力®アップ 三城円 パーソナル管理栄養士

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最近流行している「ジャーサラダ」。

一般的に言われているジャーサラダのメリットは、

こんな感じでしょうか。


<メリット>

①野菜がとれる

②栄養価の低下が防ぐことができる

③調理の手間が省ける

④サラダなのに保存が可能

⑤シャキシャキ感が保てる

⑥オシャレ


ジャーサラダとは


このなかでいくつか疑問があります。


まず、栄養士としてかなり気になるのが

「②栄養価の低下が防ぐことができる」

「③調理の手間」

「④保存」

について。


ジャーサラダが流行りだしてから、

「栄養価が低下しない」という話について

論文含めて調べてみましたが、

私の調べた範囲では

そのようなデータは出てきませんでした・・・・。


普通に考えると、

野菜は酸素に触れる面が増える

(=調理によるカット)にしたがって、

栄養価の低下が起こるはずです。


保存の仕方によっては、

その低下が最低限で抑えられるのでしょうが、

「ジャーサラダのビン」がその方法として適切であるか、

についてはかなり疑問が残ります。


なぜなら、

「酸素をできるだけ入れないように」

ビンの中に野菜をつめたとしても、

ギュウギュウにつめる作業時間

さらに、どれだけつめても

完全に脱気できるわけではありませんから、

結局は、栄養価低下するのではないか?」

と考えられるわけです。


このあたり「栄養価が下がらない」というエビデンスをご存知の方は

教えていただけると助かります。



そして「調理の手間」。

「手間がかかる行動」が何を指しているか、によって、

これは考え方が異なります。


一回にまとめて野菜を切って、

何個もビンにつめて保存ができる、

ということが、「手間がかからない」と

考えられているのでしょう。


確かに、それは毎食料理をすることを考えると「楽」ですよね。


でも、「②栄養価の低下」とも関連しますが、

食材の酸化、つまり栄養価の低下を防ぐためには、

「ビンのつめ方」にコツがあるとのこと。


さらに「○日間保存できる」ものは、

●ビン・ふたの煮沸

●入れる野菜の煮沸

●作業時に調理作業で使える手袋(エンボスなど)を使用する

など「衛生管理」を徹底的に行う必要があるのです。



私たちの手には、どれだけ殺菌消毒を行っても、

食中毒の原因となる

・ブドウ球菌

・病原性大腸菌

などが付着しています。


そして、直接手で食品をふれることで、それらの菌が食品に感染します。

ジャーサラダの瓶詰め時に素手で食材を触っているとしたら、

どうなるでしょうか?


ちなみに、黄色ブドウ球菌は6.7℃から増殖し始め、

18.0℃から毒素が発生します。


あわせて、食品中にも食中毒菌は存在しています。

ですから、大量調理を行う給食の現場や

カットサラダを製造しているところでは、

次亜塩素が入った水槽に野菜をつけて、

その後流水するということがで徹底されています。


ジャーサラダレシピが多様化すると、

卵や鶏肉なども入れる方も増えるでしょう。

卵や鶏肉には「サルモネラ菌」が含まれいます。

30~37℃が菌の増殖に適した温度と言われています。



下記のデータの通り、これから夏場にかけて食中毒患者が増加します。

〝細菌による”食中毒患者数の推移(2010)

                                 出典 厚生労働省HPより



ジャーサラダで衛生管理を意識されるのであれば、

すでに消毒されて販売されている「カット野菜」がいいのかもしれません。

栄養価は普通の野菜に比べると劣りますが、

優先順位を何にするか?によって選択肢を変える必要があります。


微生物(食中毒菌も含む)の繁殖の要因は、

水分・pH・酸素・温度です。

ですから、高温多湿の日本では、何日も前に作ったジャーサラダを

お弁当として持ち歩くことは、危険です。


家庭での食中毒発生は、自己責任です。

ジャーサラダの指示通り、煮沸消毒は徹底的におこなうこと。


このような理由から、

「③調理の手間」

「④保存」

についても疑問が残ります。


私は、ジャーサラダを否定しているのではありません。

上手にメリットを活用しながら、健康管理に結び付けてくださいね。


情報の取捨選択力と活用力は

「情報の受け取り手側に求められるスキル」です。


ジャーサラダのリスク

簡単にわかりやすくまとめられていました。



<参考文献>

・政府統計の総合窓口(2015.05.01閲覧)

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do

・市川富夫 他,「図解 食品衛生学」講談社サイエンディフィク(2003)

・ユーキャン「管理栄養士速習レッスン」ユーキャン自由国民社(2014)

・露木英男,田島眞「食品加工学-加工から保護まで-」共立出版」(2004)

・日本栄養士会「管理栄養士・栄養士必携」第一出版(2014)



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